中年はチートなしでもなんとかなる -異世界に来たので欲望のまま生きてみる-

ながれ

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4章 中年は旅に出る

第26話 最初の旅はお酒からって話

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金を錬成できてから大体3か月がたっていた。

1階のトルネ商店の出張所は非常ににぎわっている。
1か月か1度に店の様子を見にやってくるトルネには、先月のうちに
『街を出ようと思うので隣町まで連れて行ってほしい。』
と伝えていた。

隣町に戻るとき、一緒に乗せて行ってもらおうと思っていたからである。

トルネが使っている馬車も3年前からすればずいぶんと大きくなっていた。

荷物をよけた荷台に乗ると、馬車の行者席に座っているトルネが、一つの包みを渡してきた。

「シュウさんにもだいぶ稼がせてもらいました。
  この街もどんどん立派になって、うちの店も大きくなりました。
  これはお礼も兼ねた餞別です。」

中身を空けてみると、少し光沢のある革で作られたバックだった。
大きさは持っていた小さいほうの皮袋の半分くらい。
ちょうど肩から下げて歩けるくらいのお手頃サイズである。

「それは空間魔法とやらが施されているバックで、見た目の何十倍ものモノが入ります。重さもほとんど変わりません。
  旅をするなら荷物も増えるだろうと思いまして、どうぞ使ってください。」

「うっうん。ありがとう。」

少し戸惑いながらも、持ってきた2つの袋から、もらったばかりの袋に荷物を移し替えてみた。

2つあった皮袋の荷物は全て収まり、その皮袋さえも中に納まった。

何よりびっくりしたのは、手をかざして、<パンツが欲しい>と思うだけでパンツが取り出せたことだ。

どんな構造になっているんだろうとしげしげと観察していると。

「喜んでもらえたみたいでよかったです。」

とトルネはほほ笑んでいた。

それからは3日ほど、トルネと最近のニュースの話題や、見かけた変な人、隣町でおいしい食べ物屋さんの話などをしながら過ごしていた。
夜寝る際にはトルネが雇っている護衛の冒険者さんが寝ずの番を交代で行ってくれて、非常に快適だった。

ちょうど隣町に入り、トルネのお店の前で馬車が止まった時。

送ってくれてありがとうとトルネにいくらかのお金を渡そうとしたが断られ、出したものを引っ込めるのもと思い、護衛してくれた冒険者さんたちにそのお金を配ったら。
トルネが『この人は頑固だから、ありがたくもらっておいて。』と冒険者に伝えたらすごく嬉しそうにお礼を言ってもらった。

まぁそのお金も昨日の夜に自分で作った銀貨だけど。。。

ルマン領、辺境伯のお膝元『ルマンの街』。

外壁の高さは15メートルほどと非常に大きく、魔法で作られたのである石の色をしていた。

街の大きさはチェスターの街の3倍ほど。かなり広い。

到着したのが夜だったため、トルネおすすめの飯屋に行った後、これまたトルネおすすめの宿屋に泊まった。

翌日には一度辺境伯のお屋敷を訪ね、キジュからの手紙を持っていこうと考えていた。

大通りはまるでお祭りをやっているのかと思うほど人が多く、ルマン領各地から集められたものがあちこちで売り買いされている。

宿屋の部屋は非常に綺麗で、1泊銀貨3枚の一番高い部屋に宿泊した。
ちなみに一番安い部屋は銅貨5枚ほどで泊まれる宿もあるらしい。

現代的な価値観で考えてみると

銅貨10枚で大銅貨1枚。(100円×10枚=1,000円)
大銅貨10枚で銀貨1枚。(1,000円×10枚=10,000円)
銀貨10枚で金貨1枚。(10,000円×10枚=100,000円)
金貨10枚で白金貨1枚。(100,000円×10枚=1,000,000円)

という感じだから1泊500円素泊まりってことだろう。
今日は1泊3万円の部屋ということになる。
そう考えれば、神殿でのお布施金貨150枚は約1500万円ってことになる。
魔法を習得するってのもかなり大変なものなんだなと今更ながら思う。

一番いい部屋に入った理由は各部屋にお風呂が付いているから。

久しぶりの湯船に浸かり、癒された後で少し街を散策した。

晩御飯の後にちょっとお酒でも飲もうと、いわゆる繁華街的な場所を目指した。

こちらの世界に来て4年ほとんどお酒は飲まなかったけど、何となく知らない土地にきてからの不安感から、
『ちょっと飲もう。』と思いついてしまった。

色々なお店があった。
いわゆる、会員制クラブのような高級感あふれるお店からキャバクラに似た女性が接客してくれる感じのお店。
お店の前には、バウンサーだろうかちょっと腕っぷしが強そうな人が居たりする。

『どこの世界でもあまり変わらないもんだな。』と思いつつ、まぁネオンがないだけチカチカしない繁華街を歩きながら、店を品定めしていた。

繁華街の少し外れ、ちょうど現代にいたときに通っていたスナックのような雰囲気のお店を見つけて、何となく入ってみた。

カウンターと椅子だけの店。見る限り狭い。

お酒が並んだ棚と、綺麗な女性が数名カウンターの中にいる。
お店に入るなり、『どうぞ』と席を案内され、とりあえず座ってお酒をいただくことにした。

なんだかすごく懐かしい、こちらに来て4年。
ユリママはもうすっかりおばさんになったかもしれない。
でも、元気にしているだろうか?
などと考えながら、カウンターにあるメニューのようなものを眺めてみる。

『 飲み放題 大銅貨5枚 』

<飲み放題あるのかよ!>

とひそかにツッコミを入れてしまった。
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