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8章 中年は平和を望んでみる
第83話 過ぎたるは及ばざるが如しって話
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誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
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桜花メンバーとキジュ、私とニテは仲良く晩御飯を食べている。
今回の件は、キジュが私のギルドカードを見て、『自分だけではとても守れない』と判断して、
自分が知る一番強いメンバーに声をかけたというもの。
結果的にはその『桜花』ですらも全く太刀打ちできないという状況にかなりびっくりしたようだ。
「しかしまぁよく今までこれだけの力を隠していたもんだ。」
バスが感心したように言うと、無言のリュートがオムレツを食べながらウンウンと頷いている。
「結果から言うと是非とも力を見せてほしい!といったところか」
ランバダは自分たちでは全くダメージを負わせられなかったことにちょっと落胆しているようだ。
「できればうちには魔導士がいないから、一緒に討伐などに行ってくれると助かる。」
バスはすごく遠回しにパーティに誘ってくれている。
「あのーとりあえず状況はわかりましたが、いくつか問題がありまして・・・」
私は正直この世界でかなり上位の実力を持っているとは思っていたが、
別にくらべたわけではないので、正確に自分の実力を把握している状況ではなかった。
「私って、今この国でどのくらいのチカラがあるのでしょうか?」
私は素直に『桜花』メンバーに今の自分の現状を評価してもらおうと思って聞いてみた。
「冒険者ギルド的なランクで言えば個人でSSSランク以上。
というか、多分この国で君を討伐できるものはいない。
その気になれば建国すら可能だろう。」
<はい?建国??国作れちゃうってこと?>
「まぁ確かに、我らのパーティで討伐できないとなれば、国としては君を討伐できる手はない。
まぁはっきり言って王は君の要求を呑まざるを得ない状況になるだろうね。」
<王様からブランディング領をもらっているもう一人の私は多分今の私よりレベル上ですが・・・>
「あのとりあえず、皆さんこれからどうされます?
明日でよければ皆さんに私の魔法を見ていただくことはできると思いますが。」
私が少し控えめにそういうと、そこにいた私以外の全員が『見たい!!!』と迫ってきた。
というかニテまでが『見たい!!』というので、『明日と言わず今から!』という事になった。
<まぁ私は最悪異空間で寝れるからいいんですけどみんな眠くないの?>
というわけでやってきましたチェスターダンジョンの10階層。本日2回目。
みんなにはとりあえず入り口付近に結界の魔法陣を張ってその中で見てもらうことにした。
一応、自分の身を守るためという事で幅1メートルほどの土壁を建てて同じく結界魔法陣で囲む。
『本当はここまでしなくていいんだけどね。』とフォロー入れておいて、
以前、フランシスでやった整地魔法?殲滅魔法を実演して見せた。範囲を少し狭めて。
鳴り響く轟音。ボス部屋を埋め尽くす雷と炎、それを巻き込んだ風。
正直、土壁に隠れてちょこちょこと異空間で休憩しているので、エンドレスで打ち続けられる。
とりあえず外の世界で5分ほど。魔法が連続発動しっぱなし。
ダンジョンの中は多少削れても数日で元に戻るので破壊し放題。
といっても壁や天井はほぼ破壊不可能。地面が少しえぐれる程度と思っていた。
5分ほど打ち終えるとそこには直径15メートルほどの大穴。天井も床もその先が暗くて見えない。
<やりすぎちゃった。テヘッ>
とりあえず土壁と休憩用の異空間を解除し、みんなの元に戻る。
基本的に、自分の立ち位置より後ろにはちょっと風が来るくらいだから、みんなにはなんの被害もない。
しかし、みんなが変なものを見たように口をあんぐりと開けて驚いている。
まぁ戦争なんかに使えば、大殲滅魔法だからびっくりもするだろうけど。
「なんだこの世間をバカにしたような威力は・・・」
「あいつの魔力は無尽蔵なのか?・・・」
「・・・・」
「あぅあぅあぅぅぅ」
「シュウ、さすがにやりすぎだろう・・・」
「あなた、こんなに魔法使えるようになったんだ・・」
みんなそれぞれが今目の前で見た魔法が信じられない様子で鯉みたいにパクパクしている。
「あっあの~~~。やりすぎちゃった。テヘッ」
「「「「すげ~~~~~~!!!」」」」
まぁそれぞれが色々と思うこともあっただろうが、結果的に『すごい』という言葉で統一できたらしい。
それから、10階層の大穴は冒険者の中で『ダンジョンの変遷か?』などいろいろ憶測を呼んだが、
2日間、10階層を突破できない状況になってしまったらしい。多分ボスのリポップが穴の底で起きてしまったのだろう。
『届かないから倒せない。倒せないから進めない。』となっていたようだ。
それから桜花メンバーとキジュは、キジュの屋敷に戻り休んでもらい。
私とニテは二人で家に帰って眠った。
帰る間もニテが『すご~い!』と惚れ直してくれたようで、ずっとくっついていた。
お腹の赤ちゃんに影響あるから危ない場所には連れて行かないことにしよう。
翌日、ニテはまだギリギリまで教会のお仕事を手伝うとのことで、教会に送っていった。
その足でキジュの家に向かい、みんなで話すことになった。
「とりあえず、昨日見ていただいたくらいはできます。」
「うっうん。やっぱり私たちじゃ全然かなわないな。ははっ・・・」
「敵対してあんなの打ち込まれた日にはどうあっても助かる気がしない・・・」
「あんなのどんな防御結界でも防げません!」
「・・・・」
桜花メンバーはとりあえず、全員一致で「シュウさんと仲良く!」という方針になったようだ。
「まぁなんだ。シュウさんあんたの力は、はっきり言ってどうこうできるレベルじゃない。
ましてやそれよりも強いという、もう一人のシュウさんもはっきり言って止められるレベルじゃない。」
キジュは笑顔ではあるがちょっとどうしたものかと悩む感じの表情をしている。
流石に、『あのままエンドレスで撃ち続けられますよ!』なんて言えなかった。
「まっまぁ、私としてはできる限りチェスターの発展をお手伝いするのと、
ほのぼのと生活したいだけなので、あまり騒がなければ大丈夫だと思います。
あと2,3か月すればもう一人の私も転送されていなくなるでしょうし。」
とりあえず、もう一人の私が転送されるまでは接触しないという意見でまとまった。
私自身も別に『王都を滅ぼそう!』とか『全国統一!』とかって考えているわけじゃないので、
騒がず普通の生活をほのぼの送りたい。という私の希望を尊重してもらった。
「で、相談なんだが、桜花とシュウさんでダンジョンの調査をお願いしたいんだが・・・」
キジュは私の力が分かったうえで、桜花メンバーと共に、
『チェスターのダンジョンの最深部は何階層なのか?』を調べてほしいと言ってきた。
まぁ私としては最悪殲滅魔法も飽和攻撃もあるので、ダンジョン踏破は問題ない。
ただ桜花メンバーと共にという意味では、私がどうこう言うものではないという感じだった。
「おおぅ。最下層か。いいぜ、今朝は本当に面白いもんを見せてもらったし。」
「また姉さんったら安請け合いして!」
「まぁシュウほどではないが、我らもダンジョン踏破くらいは問題ないだろう。」
「・・・・・」
とりあえず桜花メンバー的にはダンジョン踏破依頼は問題ないようだ。
ただ・・・
「あっあの~昨日見ていただいたように私はあまりパーティには向かないというか・・・」
というか私がパーティを組んでも、あまりうま味がない気がしていた。
私の攻撃は『全力でぶっ放す!』しかやっていないからだ。
正直魔力制御には自信はあるので、問題ないと思うが、
あの広域殲滅魔法を仮に目の前で打たれた場合かなりの恐怖感が出るだろう。
基本的に回復は自分でできるので問題ない。
前衛も敵にあった瞬間にぶっ放すので特に必要ない。
必要があるとすれば魔法攻撃無効とかのスキルがある魔物がいれば、多少必要かなって思うくらい。
最悪、土魔法で槍をしこたま作って風魔法でぶつけるといった物理的攻撃も可能なので、
それほど問題ない。
パーティを作るという意味では、レベルが上がる前にキジュ達と潜ったように、
それぞれの持ち場や役割分担がはっきりできる場合ではないかと思う。
まぁ正直、飽和攻撃の方が確実で早い。
今の私のステータスではあまりにも一人浮きすぎていて連携が取りずらいというのが正直な理由だ。
「あぁ、確かにあの攻撃魔法はパーティとしては勘弁してもらいたいな~。」
「そっか?ぶっ放す前に教えてもらったら私たちが下がればいいだけだし。」
バスとランバダはそれぞれ色んな戦略を考えていてくれるようだが、
一応、今回は辞退させてもらった。まぁ王都の未踏破ダンジョン程度であるならば、
桜花さんたちで何とかなるような気もしていた。
最下層のドラゴン討伐にちょっと苦労する程度だろう。
「まぁとりあえず、ランバダさん、ダンジョン最下層の調査お願いします。」
キジュはとりあえず話がまとまった感じで依頼を成功させたようだ。
『チェスターのダンジョンが何階層まであるのか?』確かに私も知りたい。
まぁできる限りこんな力は使わずに、他人に任せるのが一番だと思った。
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