現実だと思っていたら、異世界だった件

ながれ

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第1章 初めての町(タカギ)

第1話 現実の世界は違っていた件

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『その世は真実でないことがあふれています。
 さぁ、今こそ目覚めるのです。』


ある日の昼下がり、俺は学校の教室で空を向いていた。
ちなみに今は昼休み中だ。

学食で昼飯を食べて、残った時間はほぼお昼寝の時間だ。

俺は基本的に真面目な学生を演じている。
試験も赤点じゃない程度に普通に過ごしている。

ちなみに部活は帰宅部。
別に運動がそれほどできないわけじゃないけど、
そもそもそれほどやりたいスポーツがあるわけでもないので
入学時がら帰宅部一筋だ。

特になりたいものがあるわけじゃないし、
まだ17歳。これからいろいろ見ていけばいいと思っていた。

学食のAランチを食べて満足した俺は教室に戻り、
ぼけ~っと空を見ながら虚ろなまま惰眠をむさぼっていた。
夢ともうつつともつかないフワフワした感じ。
これこそ俺のリラックスタイムなのだ。

そんな折、頭の中に女性の声が響いた。
『その世は真実でないことがあふれています。
 さぁ、今こそ目覚めるのです。』

「その世?なんのことだか分からない。誰だ?俺の睡眠を邪魔するのは。」

ゆっくりと目を開けるとそこは教室ではなかった・・・

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『大丈夫?息をして!息!』

「ガハッ!ゴッ!ゴホッ!」

なんだか暗い洞窟のようなところで、
俺は変な石棺に入っていた。
恰好は・・・まぁ裸だ。

目の前には俺よりも少しくらい年上と思える見知らぬ女性がいる。

まるで生まれて初めて精一杯息をしたかのように、喉の奥がヒリヒリした。
見知らぬ女性は俺を心配げに見つめながら、様子をうかがっている。

とりあえず石棺の縁を持って上半身をゆっくり起こす。
まるで寝すぎた後の朝のように体がバキバキだ。

『見える?聞こえる?分かる?』
見知らぬ女性は少し距離を取りながら俺を観察している。

「ああ。ここはどこ?」

『ここは南九州連邦の阿蘇にある洞窟よ。大丈夫?』

目をやると約60cmほどの高さの石棺がいくつか床に並べられていて、
見知らぬ女性が持つたいまつの灯り以外、辺りは真っ暗だ。
床は石だろうか、少し土が混ざった感じの石がゴロゴロと転がっている。

ゆっくりと体を起こし、石棺から出ようとすると、

<ブチッ!!>

「痛ったーーーーー!」

『あっ!』

俺の背中のちょうど真ん中あたり、背骨の裏にあったなんか腸みたいなやつが外れたらしい。
一瞬痛かったが、外れた瞬間にビチビチと音を立てて、腸のようなものがうねった。
何が何だか分からないが、その腸のようなものは生きているようだ。
ちょっとグロい感じがする。

『まずいわ!急ぎましょう!とにかくこれを穿いて!」
その女性は薄っぺらな綿パンと、すごくチープなサンダルを渡してきた。

俺は訳が分からぬまま石棺からはいずり出て、
床にのたうちながら、とりあえず綿パンとサンダルを履いた。
俺がそれらを身に着けてすぐに、見知らぬ女性が俺の脇から出てきて
肩を貸す形で立ち上がらせた。

足に力が入らない。ほぼ、彼女に担がれている状態だ。

まるで何十時間も正座をしていたような痺れた感じ。
自分の足じゃないみたい。

見知らぬ女性は右手にたいまつ、左側に俺を抱えて、何やら薄暗い通路を進み始めた。

しばらく歩いただろうか、ちょうど300メートル先くらいに出口らしき灯りが見えた。
あと20メートルほどで外に出ようとしたとき、
足元にあの腸のようなものが絡まりついた!

「あぶない!」
見知らぬ女性は右手のたいまつを下に落として、
腰に差していた、かなり大きめのサバイバルナイフでその腸を切った!


『あいつらが気づいているわ!早く出るわよ!』

俺は訳も分からぬまま、なぜか女性によって見知らぬ洞窟から救出された。

「えっ?学校は?授業は?ここどこ?・・・」

俺はうわ言のようにつぶやいていたが、見知らぬ女性はとにかく急いで洞窟から離れようと
俺を支え続けてくれていた。

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洞窟から出てしばらく女性と共に歩いて行く。

洞窟から出ても木々はなく、大きな岩や丘が見える荒野だ。
何もないどころか緑もない。あるのは土と岩だけ。

しばらく歩いていると遠くに何かが見えた。
コモドオオトカゲ的な爬虫類が繋がれている木製のワンボックスが見えてきた。
まだかなり距離があるようだが、近づくにつれてかなり大きいことに気づく。

荒野を歩いているうちに徐々に足はかなり回復した。
自分で歩けるが、普段の運動不足のおかげで力が入らない。

途中で俺が歩けることに気づいてくれたようで、
女性は俺の前を歩いてくれてるようになっていた。

遠くから見えていたトカゲワンボックスの傍に着いた。

かなりデカい!ちなみにトカゲは明らかに俺よりデカい!
多分噛みつかれれば、俺なんてひとのみでいけるほどの大きさ。
ワンボックスくらいと思っていた木製の箱は
高さが3階建てくらい、横は教室3つ分くらいありそうだった。
その下にタイヤらしき黒い丸がぱっと見だけでも10個以上ある。

地上から1メートルくらいの高さのところにシャッターがついている。
俺たちが近づくとシャッターが上がって簡単なステップが出てきた。

洞窟らしきところから俺を連れ出した見知らぬ女性が俺の手を握って
そのステップを案内する。程なく俺はその巨大トカゲワンボックスの内部に
入ることになる。

俺たちが入ると後ろで『ガチャン!』と音がしてシャッターの留め金が外れる。
鋼鉄製なのだろうか、重そうな音を立てて一気にシャッターが閉まった。

『ようこそ!移動都市タカギへ!』

見知らぬ女性はやっと俺の方を向いて話しかけてきた。
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