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98話
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そして翌週の土曜日、
『はい、というわけでテスト配るね』
『はい!!!!』
『はーい』
「はい」
日曜日に行われるコラボの為にテストを受けに通話に参加した。
今回一緒に居るのはテスト監督かつコラボ主である稲盛ばけると、受験者兼コラボ参加者である南一式さんと奏多さんだ。
一度で全員がテストを受けるわけではなく、数人一組でテストを受ける形式である。
これは不正防止が目的ではなく、事前に少しでもコラボ相手との接点を持たせておくための配慮なのだとか。
恐らく俺と一色さんに関わりがないから両方と関わりのある奏多さんを挟んで仲良くなってもらおうという意図だと思われる。
実際にはUNIONの事務所で会って会話したことはあるわけだが、そんな事情は知りようが無いし。
『まずは先に軽くテストの説明をするね。テスト教科は国語、数学、英語、化学、地理の計5科目で行います』
ん?化学と地理?
「理科社会じゃなくて化学と地理ですか?」
『うん。事前に参加者にアンケートを取って決めたんだ。ターバンさんから聞いてない?』
「何も。この時間にテストを受けろということしか」
『なるほど。じゃあ真の実力が試されるってわけだ。良いね』
真の実力って。そもそもこのテストのための対策なんて普通してこないよ。
まあ、質問したら偶然全員の高校の選択が被ったから折角だし絞ってやろうって話だろう。
『ってことで話を続けるね。それぞれのテスト時間なんだけど、国語80分、数学120分、英語80分、化学60分、地理60分ね』
……この時間ってもしかして共通テスト?
まさか、化学と地理って中学じゃなくて高校の範囲で来るやつ?
『数学と化学についてなんだけど、途中式などは直接解答用紙に書いてね。ネタにもなるし、部分点あげられたりするので』
『はい、答えさえあってれば途中式無くてもオッケーですか?』
テストの説明を聞いて色々不安に思っていると、一色さんがそんなことを聞いていた。
『そうだね。答えさえあってれば全部の問題に答えだけ入力しても大丈夫だよ』
『ありがとう!!』
『で、他の教科については特にないです。普通に答えていただければ普通に点数をあげるんで。説明は以上だけど、何か聞いておきたい事とかある?』
『ないかな』
『大丈夫だよ!!』
「大丈夫です」
『じゃあ2分後にテスト開始するね、スタート!!』
テスト内容にかなりの不安が生まれたところで、テストが始まってしまった。
1教科目は英語。
さて、どんな問題が……
「……」
ガッツリ高校レベルの英語が目の前に広がっていた。
えっと、『以下の英文を読み、その内容を70字~80字の日本語で要約せよ。句読点も時数に含める』ですか。ガッツリ記述だね。
んで、中身が……
『In the 2000s, we worried……』
『一色さん、音読しない!!』
読もうと思ったら何故か一色さんが音読しだした。やたらと良い発音で。
『あっ、ごめんごめん。口に出ちゃってた?』
『思いっきり出てたよ。気を付けてね』
『はい気を付けまーす』
なんて軽いノリで一色さんは謝った後しゃっくりをしていた。
もしかしてこの人酔ってる?ノイズだと思って無視してたけど、ちょいちょいカラカラ聞こえるし、なんか今日声でかいし。
……まあ多分そんなことは無いか。テストって聞いてるわけだし。そんなことよりも問題だ。
えっと……
うん、完全に大学の二次試験レベルの問題だわ。
こんなの普通高校2年生だと公言している人たちに解かせます?大体の人がこの時期解けないよ?
ってか樹よくこのテスト全教科受けたな。他の教科も絶対このノリだからしんどいでしょ。
⋯⋯いや、こいつの推しに対するエネルギーの高さは異常だしあり得るのかもしれない。
なんてことを考えている暇は無い。目の前の問題に集中しなければ。
『はい、というわけでテスト配るね』
『はい!!!!』
『はーい』
「はい」
日曜日に行われるコラボの為にテストを受けに通話に参加した。
今回一緒に居るのはテスト監督かつコラボ主である稲盛ばけると、受験者兼コラボ参加者である南一式さんと奏多さんだ。
一度で全員がテストを受けるわけではなく、数人一組でテストを受ける形式である。
これは不正防止が目的ではなく、事前に少しでもコラボ相手との接点を持たせておくための配慮なのだとか。
恐らく俺と一色さんに関わりがないから両方と関わりのある奏多さんを挟んで仲良くなってもらおうという意図だと思われる。
実際にはUNIONの事務所で会って会話したことはあるわけだが、そんな事情は知りようが無いし。
『まずは先に軽くテストの説明をするね。テスト教科は国語、数学、英語、化学、地理の計5科目で行います』
ん?化学と地理?
「理科社会じゃなくて化学と地理ですか?」
『うん。事前に参加者にアンケートを取って決めたんだ。ターバンさんから聞いてない?』
「何も。この時間にテストを受けろということしか」
『なるほど。じゃあ真の実力が試されるってわけだ。良いね』
真の実力って。そもそもこのテストのための対策なんて普通してこないよ。
まあ、質問したら偶然全員の高校の選択が被ったから折角だし絞ってやろうって話だろう。
『ってことで話を続けるね。それぞれのテスト時間なんだけど、国語80分、数学120分、英語80分、化学60分、地理60分ね』
……この時間ってもしかして共通テスト?
まさか、化学と地理って中学じゃなくて高校の範囲で来るやつ?
『数学と化学についてなんだけど、途中式などは直接解答用紙に書いてね。ネタにもなるし、部分点あげられたりするので』
『はい、答えさえあってれば途中式無くてもオッケーですか?』
テストの説明を聞いて色々不安に思っていると、一色さんがそんなことを聞いていた。
『そうだね。答えさえあってれば全部の問題に答えだけ入力しても大丈夫だよ』
『ありがとう!!』
『で、他の教科については特にないです。普通に答えていただければ普通に点数をあげるんで。説明は以上だけど、何か聞いておきたい事とかある?』
『ないかな』
『大丈夫だよ!!』
「大丈夫です」
『じゃあ2分後にテスト開始するね、スタート!!』
テスト内容にかなりの不安が生まれたところで、テストが始まってしまった。
1教科目は英語。
さて、どんな問題が……
「……」
ガッツリ高校レベルの英語が目の前に広がっていた。
えっと、『以下の英文を読み、その内容を70字~80字の日本語で要約せよ。句読点も時数に含める』ですか。ガッツリ記述だね。
んで、中身が……
『In the 2000s, we worried……』
『一色さん、音読しない!!』
読もうと思ったら何故か一色さんが音読しだした。やたらと良い発音で。
『あっ、ごめんごめん。口に出ちゃってた?』
『思いっきり出てたよ。気を付けてね』
『はい気を付けまーす』
なんて軽いノリで一色さんは謝った後しゃっくりをしていた。
もしかしてこの人酔ってる?ノイズだと思って無視してたけど、ちょいちょいカラカラ聞こえるし、なんか今日声でかいし。
……まあ多分そんなことは無いか。テストって聞いてるわけだし。そんなことよりも問題だ。
えっと……
うん、完全に大学の二次試験レベルの問題だわ。
こんなの普通高校2年生だと公言している人たちに解かせます?大体の人がこの時期解けないよ?
ってか樹よくこのテスト全教科受けたな。他の教科も絶対このノリだからしんどいでしょ。
⋯⋯いや、こいつの推しに対するエネルギーの高さは異常だしあり得るのかもしれない。
なんてことを考えている暇は無い。目の前の問題に集中しなければ。
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