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108話
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『そりゃそうでしょ』
『正直ただ怖いだけだよ』
『そんなあ……』
自分の狙いが外れたようで一色はかなり落ち込んでいるようだった。
冷静に考えればこうなることくらい分かるだろうに。
『はいはいはい、色々ツッコみたいところは分かるけど、主役を忘れないであげてください』
このままずっと一色の話で終わってしまいそうだと察したばけるが強引に流れを切ってきた。
『主役?』
『そっか。一応最Vaka決定戦だったっけ』
今回は頭が良い奴らばかりを集めていたから忘れていたが、一応この配信シリーズの目的は一番頭が悪いVtuberを決めることだったな。
『ってことで最Vakaとなってしまった奏多さんの点数を発表します。どうぞ!!!』
『え?』
「は?」
『マジ!?!?』
『そうきたかあ』
結果を見た一同は奏多の予想外の点数に驚いていた。
奏多の点数はこうだった。
数学14点
理科21点
国語30点
英語45点
4教科とも全て点数が終わっていたのである。
英語で全員の解答を公表した時に基本間違っていなかったから最下位でもある程度は取れていると思っていたが、全くそんなことは無かった。
『大学受験を一切経験したことない人に大学受験並みの問題を出さないでよ!!!!』
皆が驚いている中、奏多は音割れしそうなレベルの大声で文句を言った。
『そう言うけどヤイバ君とながめちゃんも大学受験は経験したことないよ?同じ条件だよ?』
『現役高校生はノーカンに決まってるよね!?』
『そうかな?』
『そうだよ!!!』
『まあ、呼ばれて出ることを選んだうえで最下位を取った事は確定だから。今後は最Vakaの一人としてこのVの荒波を生きていってね』
『理不尽だ……』
この言い方的に奏多は今回の最Vaka決定戦にこれだけ勉強が出来る奴らばかりが集まっているとは思っていなかったんだろうな。
実際、修士と俺たち以外は大学受験の問題に対応できるイメージは無いし、一色やシリウスは世間的に馬鹿というイメージの方が強いらしいし。
『ってことで最下位を取った感想をどうぞ!!!』
『最悪だよ!知的でクールなイメージを大事に配信活動をやってきたっていうのに!!!!!』
「どこがだよ」
奏多が血迷ってあまりにも現実とかけ離れた事を言っていたので思わず突っ込んでしまった。
『顔を見て声を聞けばそれ以外無いって分かるよね?』
『それ以外は馬鹿としか言えないだろ』
初めてリアルで顔を合わせた際に腕相撲を挑んできたり、VALPEXのカスタムで散々いきった挙句俺にボコされたりしている奴をどう知的と捉えれば良いんだよ。
『ったく分かってないなあ』
『分かっているから言ってるんだよ』
九重ヤイバとして交流を始めてからだけではなく、一視聴者として配信を見ていた時ですら馬鹿としか思っていなかったからな。
一応VALPEXをやっている時は頭がよく見えるときが辛うじてあったがな。
『ぐっ……でもこの回に呼ばれているってことは頭いい枠として扱われているってことだから……』
『いや、そんなことないよ。奏多君とシュカちゃんは頭悪い枠として呼んだから』
『僕ってバカだったのか……』
奏多が知的だと世間に思われている根拠をことごとく潰され、絞りだした最後の希望だったものの、容赦なくばけるに潰されて落ち込んでいた。
『私馬鹿枠だったの!?』
そして唐突に流れ弾を食らったシュカもダメージを受けていた。
『当然でしょ』
『酷くない!?』
勝手に馬鹿のレッテルを貼られていたことに怒りを隠せないシュカ。どうやら馬鹿とみられることがかなり嫌らしい。
『だってあんなに絵が上手い人が勉強も出来るなんておかしいじゃん?滅茶苦茶上手い絵が描けるのなら学力を犠牲にしていてよ』
『いやあ、勉強も絵も両方できる天才なんて滅多にいないよね。ごめんごめん。なんでも出来ちゃって』
配信上なのに喧嘩になりそうな程不穏な空気が流れていたが、ばけるの弁明を聞いたシュカはすっかり気をよくしていた。
気持ちは分かるが、チョロすぎないかこいつ?
『正直ただ怖いだけだよ』
『そんなあ……』
自分の狙いが外れたようで一色はかなり落ち込んでいるようだった。
冷静に考えればこうなることくらい分かるだろうに。
『はいはいはい、色々ツッコみたいところは分かるけど、主役を忘れないであげてください』
このままずっと一色の話で終わってしまいそうだと察したばけるが強引に流れを切ってきた。
『主役?』
『そっか。一応最Vaka決定戦だったっけ』
今回は頭が良い奴らばかりを集めていたから忘れていたが、一応この配信シリーズの目的は一番頭が悪いVtuberを決めることだったな。
『ってことで最Vakaとなってしまった奏多さんの点数を発表します。どうぞ!!!』
『え?』
「は?」
『マジ!?!?』
『そうきたかあ』
結果を見た一同は奏多の予想外の点数に驚いていた。
奏多の点数はこうだった。
数学14点
理科21点
国語30点
英語45点
4教科とも全て点数が終わっていたのである。
英語で全員の解答を公表した時に基本間違っていなかったから最下位でもある程度は取れていると思っていたが、全くそんなことは無かった。
『大学受験を一切経験したことない人に大学受験並みの問題を出さないでよ!!!!』
皆が驚いている中、奏多は音割れしそうなレベルの大声で文句を言った。
『そう言うけどヤイバ君とながめちゃんも大学受験は経験したことないよ?同じ条件だよ?』
『現役高校生はノーカンに決まってるよね!?』
『そうかな?』
『そうだよ!!!』
『まあ、呼ばれて出ることを選んだうえで最下位を取った事は確定だから。今後は最Vakaの一人としてこのVの荒波を生きていってね』
『理不尽だ……』
この言い方的に奏多は今回の最Vaka決定戦にこれだけ勉強が出来る奴らばかりが集まっているとは思っていなかったんだろうな。
実際、修士と俺たち以外は大学受験の問題に対応できるイメージは無いし、一色やシリウスは世間的に馬鹿というイメージの方が強いらしいし。
『ってことで最下位を取った感想をどうぞ!!!』
『最悪だよ!知的でクールなイメージを大事に配信活動をやってきたっていうのに!!!!!』
「どこがだよ」
奏多が血迷ってあまりにも現実とかけ離れた事を言っていたので思わず突っ込んでしまった。
『顔を見て声を聞けばそれ以外無いって分かるよね?』
『それ以外は馬鹿としか言えないだろ』
初めてリアルで顔を合わせた際に腕相撲を挑んできたり、VALPEXのカスタムで散々いきった挙句俺にボコされたりしている奴をどう知的と捉えれば良いんだよ。
『ったく分かってないなあ』
『分かっているから言ってるんだよ』
九重ヤイバとして交流を始めてからだけではなく、一視聴者として配信を見ていた時ですら馬鹿としか思っていなかったからな。
一応VALPEXをやっている時は頭がよく見えるときが辛うじてあったがな。
『ぐっ……でもこの回に呼ばれているってことは頭いい枠として扱われているってことだから……』
『いや、そんなことないよ。奏多君とシュカちゃんは頭悪い枠として呼んだから』
『僕ってバカだったのか……』
奏多が知的だと世間に思われている根拠をことごとく潰され、絞りだした最後の希望だったものの、容赦なくばけるに潰されて落ち込んでいた。
『私馬鹿枠だったの!?』
そして唐突に流れ弾を食らったシュカもダメージを受けていた。
『当然でしょ』
『酷くない!?』
勝手に馬鹿のレッテルを貼られていたことに怒りを隠せないシュカ。どうやら馬鹿とみられることがかなり嫌らしい。
『だってあんなに絵が上手い人が勉強も出来るなんておかしいじゃん?滅茶苦茶上手い絵が描けるのなら学力を犠牲にしていてよ』
『いやあ、勉強も絵も両方できる天才なんて滅多にいないよね。ごめんごめん。なんでも出来ちゃって』
配信上なのに喧嘩になりそうな程不穏な空気が流れていたが、ばけるの弁明を聞いたシュカはすっかり気をよくしていた。
気持ちは分かるが、チョロすぎないかこいつ?
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