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114話
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と動画の本題に入ろうとした直前で辺見は動画を止めた。
いやまあここからの展開は大体わかるけど。
『聞いて分かる通りですね、そのまま水晶ながめの声だったよな?この動画の水晶ながめは18歳だ。この名義にて今も活動は続けているが、一番再生数が回っている10年前の動画を再生させてもらった。つまるところはこいつは今28歳だ』
と辺見は自信満々に語るが、どこからどう見てもどう聞いても葵とは別人である。
年齢や背景の住居については当然すぎる話なので置いておいたとしても、違う点はしっかりある。
確かに声は似ているとは思うが、葵の声のトーンはもう少し高い。
それになにより葵は【私は世界で女子高生の次に人気な女子大生】とは言わない。
女子大生、女子高生にブランドが存在することは当然知っているが、葵はそれを自称すると価値が落ちると考えているので動画でそんなことは絶対に言わない。
配信でそんな話は当然しないので視聴者は絶対に知らないが。
まあ、そんなことしなくても声で別人だって分かるよな……?
『マジモンじゃん』
『絶対デマだろと思ってたけど本当だった』
『実年齢と設定の年齢が違うってのはVtuberの大半がそうだから良いが、私設定じゃなくてマジの現役高校生です!!って言って視聴者釣ってたのは擁護できんな』
『これ普通にデマじゃね……?』
『デマって思うやつは水晶ながめが高校生じゃないって事実を受け入れられないだけだろ』
と思ったが、大半が柴犬が水晶ながめだと思い込んでいた。
そして二人が別人だと気づいた人も、周囲の意見に呑まれて柴犬が水晶ながめだと信じるようになっていった。
「ファンだろ……?」
それからの配信はただただ水晶ながめを柴犬だと信じ、年齢詐称をした水晶ながめを視聴者と辺見が叩く時間が続いた。
「なるほどな……」
とりあえず、燃えた原因は大体分かった。
何もしなくてもゆめなまは大きい事務所なので法的手段を取るなどして鎮火してくれることは間違いないのだが、それだと時間がかかってしまう。
それでは今落ち込んでいる葵にとって意味はない。
じゃあ他に出来ることは何か。俺や他のVtuberがデマをデマだと断言することだ。
しかし、大半の視聴者がデマを信じ切っている中で水晶ながめに近い人がデマだといったところで信じてくれるのか、という問題がある。
どう考えても仲が良い人間が庇っているだけとしか思われないだろうな。
Vtuberはその性質上、自身の真の年齢を証明する方法なんて無いに等しいからな。
「まあ、それでも水晶ながめは同い年だって言い続ける以外に無いんだよね」
正攻法で解決するとしたら。
一応最終手段はあるのだが、葵と俺の関係性が変わりかねないし、別の問題が発生してしまう。
「とりあえず配信を始めるか」
ここで色々と考えてみたところで一切解決しない。とりあえず否定してやることにしよう。
そう思い配信の準備を始めたタイミングでぐるぐるターバンとアスカからそれぞれ連絡が来た。
ぐるぐるターバンからは、
『あの話、完全なデマで間違いないよな?あの子がそんな嘘をつくわけないよな?』
と来ていた。とりあえず『本当なわけないだろ』とだけ返しておいた。
アスカからは『配信の直前だけど、少し話していい?』と来ていた。
どう考えても水晶ながめの事に違いないので、俺は視聴者に少しだけ遅れることを伝えてからアスカに『大丈夫』と返した。
いやまあここからの展開は大体わかるけど。
『聞いて分かる通りですね、そのまま水晶ながめの声だったよな?この動画の水晶ながめは18歳だ。この名義にて今も活動は続けているが、一番再生数が回っている10年前の動画を再生させてもらった。つまるところはこいつは今28歳だ』
と辺見は自信満々に語るが、どこからどう見てもどう聞いても葵とは別人である。
年齢や背景の住居については当然すぎる話なので置いておいたとしても、違う点はしっかりある。
確かに声は似ているとは思うが、葵の声のトーンはもう少し高い。
それになにより葵は【私は世界で女子高生の次に人気な女子大生】とは言わない。
女子大生、女子高生にブランドが存在することは当然知っているが、葵はそれを自称すると価値が落ちると考えているので動画でそんなことは絶対に言わない。
配信でそんな話は当然しないので視聴者は絶対に知らないが。
まあ、そんなことしなくても声で別人だって分かるよな……?
『マジモンじゃん』
『絶対デマだろと思ってたけど本当だった』
『実年齢と設定の年齢が違うってのはVtuberの大半がそうだから良いが、私設定じゃなくてマジの現役高校生です!!って言って視聴者釣ってたのは擁護できんな』
『これ普通にデマじゃね……?』
『デマって思うやつは水晶ながめが高校生じゃないって事実を受け入れられないだけだろ』
と思ったが、大半が柴犬が水晶ながめだと思い込んでいた。
そして二人が別人だと気づいた人も、周囲の意見に呑まれて柴犬が水晶ながめだと信じるようになっていった。
「ファンだろ……?」
それからの配信はただただ水晶ながめを柴犬だと信じ、年齢詐称をした水晶ながめを視聴者と辺見が叩く時間が続いた。
「なるほどな……」
とりあえず、燃えた原因は大体分かった。
何もしなくてもゆめなまは大きい事務所なので法的手段を取るなどして鎮火してくれることは間違いないのだが、それだと時間がかかってしまう。
それでは今落ち込んでいる葵にとって意味はない。
じゃあ他に出来ることは何か。俺や他のVtuberがデマをデマだと断言することだ。
しかし、大半の視聴者がデマを信じ切っている中で水晶ながめに近い人がデマだといったところで信じてくれるのか、という問題がある。
どう考えても仲が良い人間が庇っているだけとしか思われないだろうな。
Vtuberはその性質上、自身の真の年齢を証明する方法なんて無いに等しいからな。
「まあ、それでも水晶ながめは同い年だって言い続ける以外に無いんだよね」
正攻法で解決するとしたら。
一応最終手段はあるのだが、葵と俺の関係性が変わりかねないし、別の問題が発生してしまう。
「とりあえず配信を始めるか」
ここで色々と考えてみたところで一切解決しない。とりあえず否定してやることにしよう。
そう思い配信の準備を始めたタイミングでぐるぐるターバンとアスカからそれぞれ連絡が来た。
ぐるぐるターバンからは、
『あの話、完全なデマで間違いないよな?あの子がそんな嘘をつくわけないよな?』
と来ていた。とりあえず『本当なわけないだろ』とだけ返しておいた。
アスカからは『配信の直前だけど、少し話していい?』と来ていた。
どう考えても水晶ながめの事に違いないので、俺は視聴者に少しだけ遅れることを伝えてからアスカに『大丈夫』と返した。
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