この高校は戦闘が好きらしい

僧侶A

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戦闘狂

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 僕は両親の都合でこの高校に転校することになった。

 話によると県内屈指の高校らしい。

 正直そこにはあまり興味はないんだけどね。

 そして僕が高校に足を踏み入れた時、火で出来た矢が足元に飛んできた。

「お前が転校生か!とりあえず勝負だ!」

 面倒なことになったね。

「なんで僕が君と勝負をしなければならない」

「それはお前と戦ったことがないからだ!」 

 これは話が通じなさそうだ。さっさと職員室に向かおう。

「無視して行こうなんてそうはいかないぞ」

 僕の行き先を阻むように前に立った。どうやら逃してくれないらしい。

 仕方ないなあ。

「なに!?俺に一切気づかせることなく通り抜けただと!?!?」

 周囲はどよめいていた。どうやら彼はそこそこに強かったらしい。

「ま、待て!勝負をしていない!」

「無駄な勝負はしたくないかな」

 こういうのはスルーに限るね。

 無視して校内に入り職員室に向かった。

「これからよろしくお願いします。先生」

「ああ、よろしく頼む。にしてもうちの奴が迷惑をかけたな。あいつは強いんだが誰彼構わず勝負を挑むもんでな⋯⋯」

「いずれ勝負を受けてあげないといけないってことですね」

「申し訳ないがそうなるな」

「仕方ないですね」

 僕は担任と共に教室に向かった。

「今日から転校してきました。文月暁人です。よろしくお願いします」

 殆どのクラスメイトが僕のことを品定めするようなめでみている。

 何もないタイミングでこの高校に転校できた生徒ってことである程度注目されてるみたいだね。

 こういう視線を隠そうとすらしてないのは少しやりにくいけど。

 そのまま用意された席に座らされて、初めてのホームルームを終えた。

 すると、みんな僕のもとにやってきた。

「どこからやってきたの?」

「どうやって編入したの?」

「どのくらい強いの?」

 様々な質問が一斉に飛んできた。

 それに一つ一つ対応するだけで今日の休み時間の全てが潰れた。

 嬉しいことではあるけどね。

 放課後は何もせずそのまま帰ろうとしたんだけどそうはいかなかった。

 今朝の人を含むかなりの人から戦闘を申し込まれたんだ。

 まさか彼だけではなかったとはね。

 これに関しては避けようがなかった。

 さっさと負ければ早く帰れるんだろうけどそんなのは僕のプライドが許さないよね。

 ということで本気を出した。

 エネルギーで生み出した羽で高速飛翔し、足を強化して攻撃するいつもの戦法で全員薙ぎ倒した。

 かなり単純だけどこれが一番強いんだよね。

 快勝して気持ちのいいままその日は帰った。

 明日からは挑んでくる人が減るだろうと思ったんだけど、そうはいかなかった。

 噂を聞きつけた人が集まったのと、昨日負けた人がリベンジに来てより人が増えた。

 みんな戦闘狂らしい。相手してるとさらに増えるようだ。

 窓から僕は飛んで逃げた。
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