アイアムイラストレーター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

僧侶A

文字の大きさ
13 / 53

13話

しおりを挟む
 それからも絵を描く傍らで配信を続け、チャンネル登録者数が5万人、ツリッターのフォロワー数が1万人を超えた頃、

『初めまして、コラボしませんか?』

 というお誘いがツリッターのDMに来たという通知がスマホに来ていた。

「誰だろうか……?」

 実はコラボ依頼が来るのは初めての出来事である。

 理由は次葉曰く一人での配信しかしていないことと、次葉と『メルヘンソード』以外の関わりが無いため、見る分には楽しいが接するにはハードルが高いと感じている人が多いことが原因だろうとのこと。

 だからコラボ依頼が来るにしてもチャンネル登録者数が10万を超えて、大手OurTuberがコラボしたがるような数字に至ってから来ることになるだろう、という次葉の予想に反して、その半分のタイミングでやってきた。

 確認のためDMの画面からその人のプロフィール画面に飛んだ。

「なるほど。名前はサキ、フォロワー数は7万人か。見た感じゲーム実況者だろうか?」

 実態を確かめるためチャンネルに飛んだ。

 チャンネル名は『サキちゃんねる』。かわいらしいアイコンとヘッダーで、登録者数は10万人か。思っていたよりも早い段階で凄い所から来たな。

「時間もあるし、アーカイブを見てみるか」

 昨日の夜、最新の生放送のアーカイブが上がっていたので軽く見てみることにした。

「なるほど。そういう人間か」


「しかし、どうして私なんだ……?」

 正直OurTubeには私よりも相性がいい人も、登録者数が多い相手もいくらでも居るだろうに。

 一旦、『本当に私なのか?』とだけ書いて返信した。

 すると、それから10秒と経たず『はい!』と返信が来た。

『別に私は構わないが、理由を聞かせていただきたい。そのため、一度通話をさせていただきたい』

 私はそれに対してこう返した。すると、『じゃあ今日やりましょう!』と返ってきた。

 というわけでその日の夜に早速通話を繋ぐことになった。

『はじめまして。サキって言います。優斗さんと話せるなんて光栄です!』

「ああ、ありがとう」

 繋いだ瞬間、サキは元気よく挨拶してきた。

『私、最初の歌ってみたを聞いた瞬間から優斗さんの大ファンなんです!』

「そうなのか」

『あっ、ちゃんと絵も見てますよ!私は絵に詳しくないですけど、凄いなって思ってずっと見てます!』


 それからサキは私のファンだと言い、様々な方向から褒めたたえてきた。

『それからそれから、』

「もう良い」

『まだ言い足りないんですけど!』

 私が制止すると、不満そうな声で訴えかけてくる。

「気持ちは十分わかった。何が目的だ?」

 しかし、これは止めなければならない。というのも、サキのこれまでの言葉の大半は本心ではないからだ。

『目的、ですか?』

 私にバレているとは思っていないらしく、すっとぼけるサキ。

「私に何かしてほしいことがあるからあんなにわざとらしく褒めたたえてきたのだろう?」

『いや、そんなことは……』

「別に構わない。犯罪に関わっていない限り、コラボに応じることを約束する。その代わり本心を話してくれ。証拠として録音してもらっても構わない」

『だから……』

「私は、何がどうであっても人を貶す行為はしない。だから、ここで何を言おうとも、配信上に出すことはしない」

 サキの事を疑っているのではなく、本心を知ったうえで気持ちよくコラボがしたいだけなのだ。

『言いましたね。もしばらしたらセクハラされたって言って炎上させますからね』

「ああ、問題ない。甘んじて受け入れよう」

 かなり重めのリスクだが、言わないのだから問題は無い。

『今は私の方が登録者数もフォロワーも多いですが、今の伸びと才能を見る感じ今後絶対伸びていくことが確定的だから、まだ私が優位を取れる段階でコラボをすることで楽に注目を浴びたかったんですよ』

 サキは先ほどまでと変わらず元気な声で、真っ黒な発言をしてのけた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

処理中です...