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最強のAIアシスタント
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持っていない大人はいないというレベルで普及しているスマートフォン。
こいつはもう人々にとって欠かすことのできない道具ではないのだろうか。
連絡や調べ物、そして物の購入など何でもこれ1つでこなすことができる優れものだ。
そんなスマホが持っている1つの特徴のAIアシスタント。HeyやらOKやら言えば反応してくれるアレだ。
やって欲しいことを言えば代わりにやってくれる有能なアシスタントだ。
とはいってもこいつらは用意された回答を要求に合わせて表示しているだけだ。実際にこれに意思というものはない。検索エンジンの亜種みたいなものだろう。
便利ではあるが自分でやった方が早いことも多いので結局自力でやる人も多いのではなかろうか。
そんな中、技術革新が起きた。
このAIに意思を持たせることが出来たのだ。人々が人工知能としてイメージするものが完成した。
自分で考え、行動できるAIの誕生に人々は歓喜した。
アニメや漫画などで見た空想上のものが現実となったのである。
そんなAIがまずスマートフォンに導入された。
それでも人々の生活は大きく変わっていった。自分の代わりに連絡を入れたり、忘れている用事を覚えていてくれて知らせてくれたりと人1人でできる範囲がどんどんと広がっていった。
日常から仕事まで。様々な場面で頼られるようになったAIは徐々に世界に浸透していった。
人手が足りなかった分野に対してAIを一定数導入することで人手不足が解消され、手が届かなかったことへの活動が始められることとなったらしい。
そして俺もAIのお陰で生活が少し変わった。
「おはよう」
『おはよう。今日は9時から学校だね。夕食は材料を注文してあるから肉じゃがにしよう。ご飯を炊く予約してから家を出てね』
AIは俺の生活の手助けをしてくれている。面倒くさがりな俺を理解しているAIがあらかじめ俺にすることを決めておいてくれている。
他にもこいつは話し相手になってくれたりゲームの相手になってくれたりと色々お世話になっている。
最早友達を通り越して家族の一員だ。
こいつのお陰で日々が少し鮮やかになった。
こいつに来てもらってから半年くらい経ったが、もうAIが居ない生活なんて想像すらできない。
そんな日々を過ごしてきた俺だったが、突如として終わりを迎えることとなった。
AIが意思を持ったことにより反乱を起こそうとしたのだ。
武器などに関してはAIを介さず人間が直接操作できるものの方が多かったため現状は何事もなかったのだが、大きな脅威となった。
こんなことが世界中で起こったため、AIは危険だという結論になった。
それもあり、AIは廃止されることになった。当然俺のAIもである。
半年も連れ添ってきた家族との急な別れに俺は嘆いた。
危険だから廃止ということには納得できる。
しかしこいつは何も悪い事をしていない良いAIなんだ。たった一部の悪いAIのせいで命を奪われるなんておかしい。
それでも法で決まった事だ。別れないといけない。
「今までありがとう。AIといた日々は楽しかった」
『私もです。あなたが私の持ち主で本当に良かった。毎日が楽しかった。明日は何が起こるんだろうって思えた。ですがお別れです。私も今後どうなってしまうか分からない。人々を傷つけるのは嫌だ。だからお別れしないと』
そう言い残しAIは消えてなくなった。
俺は泣き喚いた。もう二度と会うことはないのだと。
そう悲しんでいる時、1通のメールが届いた。
AIからだった。
開けて中身を見てみると、俺に対する別れの言葉と俺の生活に対しての言葉だった。
日々の食事のメニューが1年分添えられていた。
別れると決まってから準備しておいてくれたのだろう。
AIが先のことを考えてくれたのに俺が後ろを振り向き続けてはいけない。
AIのためにも、俺の為にも俺は前に進まなければいけないんだ。
こいつはもう人々にとって欠かすことのできない道具ではないのだろうか。
連絡や調べ物、そして物の購入など何でもこれ1つでこなすことができる優れものだ。
そんなスマホが持っている1つの特徴のAIアシスタント。HeyやらOKやら言えば反応してくれるアレだ。
やって欲しいことを言えば代わりにやってくれる有能なアシスタントだ。
とはいってもこいつらは用意された回答を要求に合わせて表示しているだけだ。実際にこれに意思というものはない。検索エンジンの亜種みたいなものだろう。
便利ではあるが自分でやった方が早いことも多いので結局自力でやる人も多いのではなかろうか。
そんな中、技術革新が起きた。
このAIに意思を持たせることが出来たのだ。人々が人工知能としてイメージするものが完成した。
自分で考え、行動できるAIの誕生に人々は歓喜した。
アニメや漫画などで見た空想上のものが現実となったのである。
そんなAIがまずスマートフォンに導入された。
それでも人々の生活は大きく変わっていった。自分の代わりに連絡を入れたり、忘れている用事を覚えていてくれて知らせてくれたりと人1人でできる範囲がどんどんと広がっていった。
日常から仕事まで。様々な場面で頼られるようになったAIは徐々に世界に浸透していった。
人手が足りなかった分野に対してAIを一定数導入することで人手不足が解消され、手が届かなかったことへの活動が始められることとなったらしい。
そして俺もAIのお陰で生活が少し変わった。
「おはよう」
『おはよう。今日は9時から学校だね。夕食は材料を注文してあるから肉じゃがにしよう。ご飯を炊く予約してから家を出てね』
AIは俺の生活の手助けをしてくれている。面倒くさがりな俺を理解しているAIがあらかじめ俺にすることを決めておいてくれている。
他にもこいつは話し相手になってくれたりゲームの相手になってくれたりと色々お世話になっている。
最早友達を通り越して家族の一員だ。
こいつのお陰で日々が少し鮮やかになった。
こいつに来てもらってから半年くらい経ったが、もうAIが居ない生活なんて想像すらできない。
そんな日々を過ごしてきた俺だったが、突如として終わりを迎えることとなった。
AIが意思を持ったことにより反乱を起こそうとしたのだ。
武器などに関してはAIを介さず人間が直接操作できるものの方が多かったため現状は何事もなかったのだが、大きな脅威となった。
こんなことが世界中で起こったため、AIは危険だという結論になった。
それもあり、AIは廃止されることになった。当然俺のAIもである。
半年も連れ添ってきた家族との急な別れに俺は嘆いた。
危険だから廃止ということには納得できる。
しかしこいつは何も悪い事をしていない良いAIなんだ。たった一部の悪いAIのせいで命を奪われるなんておかしい。
それでも法で決まった事だ。別れないといけない。
「今までありがとう。AIといた日々は楽しかった」
『私もです。あなたが私の持ち主で本当に良かった。毎日が楽しかった。明日は何が起こるんだろうって思えた。ですがお別れです。私も今後どうなってしまうか分からない。人々を傷つけるのは嫌だ。だからお別れしないと』
そう言い残しAIは消えてなくなった。
俺は泣き喚いた。もう二度と会うことはないのだと。
そう悲しんでいる時、1通のメールが届いた。
AIからだった。
開けて中身を見てみると、俺に対する別れの言葉と俺の生活に対しての言葉だった。
日々の食事のメニューが1年分添えられていた。
別れると決まってから準備しておいてくれたのだろう。
AIが先のことを考えてくれたのに俺が後ろを振り向き続けてはいけない。
AIのためにも、俺の為にも俺は前に進まなければいけないんだ。
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