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(6)図書室の試練
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今度は初めから、身構えて進む。
試練は、どこにあるんだろう?
よく考えたら、図書室に黒板はないんだよね。
「おい! ユウスケ、あれ、見てみろ!」
じーちゃんが、突然、大きな声でボクを呼ぶ。
なにか変わったものでも見つけたのかな?
図書室の貸し出しカウンターの上に、それはあった。
ど~ん! って言葉がピッタリな感じで。
大きな大きな本。
それが、開かれて置かれてる。
ボクが両腕をいっぱいに広げても、届かない。
高さだって、1年生の背くらいはありそう。
落ちないのが不思議だ。
下からのぞいて見ると、革の表紙つき。
魔導書みたいで、ちょっとカッコいい!
ふたりで本をのぞき込む。
ベージュ色の紙には、何も書かれていない。
ページも全然めくれない。
パンパカパーン! パンパンパン! パンパカパーン!
理科室の時と同じ、大きな音が響く。
「じーちゃん、これって……」
「うん。次の試練ってやつだな」
カッコいい本にみとれていたいけど、そうもいかないみたい。
さっきまで、何も書かれていなかった本に文字が浮かび上がる。
☆学校迷宮の挑戦者へ☆
ここは、第ニの関門。図書室の試練。
これをクリアできなければ、先へは進めない。
先へ進めない挑戦者は、永遠に迷宮をさまようことになる。
【図書室の試練】
ペアのふたりの思い出の本を探し出せ。
見つけられたら、その1ページ目をノートに書き写せ。
使えるのは、ボールペンのみ。
本を間違えた時。
字を写し間違えた時。
どちらも失敗になる。
挑戦するのは、ペアのどちらかでも良い。
魔導書みたいなカッコいい本に浮かんだのは、やっぱり試練。
しかも、今度はふたつのことをクリアしなきゃいけない。
だけど、ボクには理科室の時より簡単に思える。
だって、ボクらの思い出の本っていったらアレでしょ!
「じーちゃん?」
「う~ん、うむむ……」
じーちゃんのほうを見ると、腕組みをしてうなっている。
「どうしたの?」
「思い出の本って言われてもなぁ……」
「え? じーちゃんには、分かんないってこと?」
「ユウスケは、本が好きだろ?」
「うん」
「だから、オレはいいと思う本を山ほど買ったよな」
「そうだね」
そうなんだ。
じーちゃんは、おやつも買ってくれるけど。
同じくらい、本をたくさん買ってくれた。
ママが置き場所に困って、ちょっと怒るくらいにね。
「置き場所に困るなら、捨てるか売ればいい」
ママに文句を言われたじーちゃんは、スパッとそう言った。
「だけど、もらったものは捨てづらいじゃない!」
「特に、本なんて、捨てるのは心が痛むのよ」
そう言ったママに、じーちゃんは笑って言った。
「そいつは、ただの紙だ。オレがユウスケにやりたいのは紙じゃない」
「そこに書かれた物語り、そして知識そのものなんだよ」
じーちゃんの言葉に、急にハッとした顔をしたママ。
次の日から、古い本をガンガン捨て出した。
もちろん、ボクに一冊ずつ聞いてね。
幼稚園の頃に買ってもらった絵本なんかは、今は読んでないし。
大好きだった本ほど、何度も開いて背表紙がガタガタだ。
ボクは、最後に絵本たちをもう一度だけ読んで、お別れをした。
絵本とのお別れは、大人への始まりって感じがした。
だけど、ボクにはどうしても捨てられない本があった。
『うらしまたろう』
じーちゃんが、ボクの希望を聞いて買ってくれた初めての本。
幼稚園の先生が、読み聞かせしてくれた大好きなお話。
竜宮城がキラキラキレイで、お魚のダンスが楽しそう。
その本が大好きすぎて、家に持って帰るとダダをこねた。
すると、じーちゃんが次の日に、新しい本を持って家に現れた!
ボクだけのものになった『うらしまたろう』は、もっと輝いて見えた。
「ボクの宝物の本、ドロボウに盗まれたちゃったらどうしよう!」
そう心配するボクに、じーちゃんはやっぱり笑って言ったんだ。
「オレにまかせろ! 魔法をかけておく!」
そう言って本を開いて、何も書いていないところにペンでササっと書く。
それは、アニメで見た魔法陣みたいなかたちでカッコよかった。
その横に、漢字がたくさんの文も書いてくれた。
「大きくなったら、読んでくれ」
そう言ってね。
試練は、どこにあるんだろう?
よく考えたら、図書室に黒板はないんだよね。
「おい! ユウスケ、あれ、見てみろ!」
じーちゃんが、突然、大きな声でボクを呼ぶ。
なにか変わったものでも見つけたのかな?
図書室の貸し出しカウンターの上に、それはあった。
ど~ん! って言葉がピッタリな感じで。
大きな大きな本。
それが、開かれて置かれてる。
ボクが両腕をいっぱいに広げても、届かない。
高さだって、1年生の背くらいはありそう。
落ちないのが不思議だ。
下からのぞいて見ると、革の表紙つき。
魔導書みたいで、ちょっとカッコいい!
ふたりで本をのぞき込む。
ベージュ色の紙には、何も書かれていない。
ページも全然めくれない。
パンパカパーン! パンパンパン! パンパカパーン!
理科室の時と同じ、大きな音が響く。
「じーちゃん、これって……」
「うん。次の試練ってやつだな」
カッコいい本にみとれていたいけど、そうもいかないみたい。
さっきまで、何も書かれていなかった本に文字が浮かび上がる。
☆学校迷宮の挑戦者へ☆
ここは、第ニの関門。図書室の試練。
これをクリアできなければ、先へは進めない。
先へ進めない挑戦者は、永遠に迷宮をさまようことになる。
【図書室の試練】
ペアのふたりの思い出の本を探し出せ。
見つけられたら、その1ページ目をノートに書き写せ。
使えるのは、ボールペンのみ。
本を間違えた時。
字を写し間違えた時。
どちらも失敗になる。
挑戦するのは、ペアのどちらかでも良い。
魔導書みたいなカッコいい本に浮かんだのは、やっぱり試練。
しかも、今度はふたつのことをクリアしなきゃいけない。
だけど、ボクには理科室の時より簡単に思える。
だって、ボクらの思い出の本っていったらアレでしょ!
「じーちゃん?」
「う~ん、うむむ……」
じーちゃんのほうを見ると、腕組みをしてうなっている。
「どうしたの?」
「思い出の本って言われてもなぁ……」
「え? じーちゃんには、分かんないってこと?」
「ユウスケは、本が好きだろ?」
「うん」
「だから、オレはいいと思う本を山ほど買ったよな」
「そうだね」
そうなんだ。
じーちゃんは、おやつも買ってくれるけど。
同じくらい、本をたくさん買ってくれた。
ママが置き場所に困って、ちょっと怒るくらいにね。
「置き場所に困るなら、捨てるか売ればいい」
ママに文句を言われたじーちゃんは、スパッとそう言った。
「だけど、もらったものは捨てづらいじゃない!」
「特に、本なんて、捨てるのは心が痛むのよ」
そう言ったママに、じーちゃんは笑って言った。
「そいつは、ただの紙だ。オレがユウスケにやりたいのは紙じゃない」
「そこに書かれた物語り、そして知識そのものなんだよ」
じーちゃんの言葉に、急にハッとした顔をしたママ。
次の日から、古い本をガンガン捨て出した。
もちろん、ボクに一冊ずつ聞いてね。
幼稚園の頃に買ってもらった絵本なんかは、今は読んでないし。
大好きだった本ほど、何度も開いて背表紙がガタガタだ。
ボクは、最後に絵本たちをもう一度だけ読んで、お別れをした。
絵本とのお別れは、大人への始まりって感じがした。
だけど、ボクにはどうしても捨てられない本があった。
『うらしまたろう』
じーちゃんが、ボクの希望を聞いて買ってくれた初めての本。
幼稚園の先生が、読み聞かせしてくれた大好きなお話。
竜宮城がキラキラキレイで、お魚のダンスが楽しそう。
その本が大好きすぎて、家に持って帰るとダダをこねた。
すると、じーちゃんが次の日に、新しい本を持って家に現れた!
ボクだけのものになった『うらしまたろう』は、もっと輝いて見えた。
「ボクの宝物の本、ドロボウに盗まれたちゃったらどうしよう!」
そう心配するボクに、じーちゃんはやっぱり笑って言ったんだ。
「オレにまかせろ! 魔法をかけておく!」
そう言って本を開いて、何も書いていないところにペンでササっと書く。
それは、アニメで見た魔法陣みたいなかたちでカッコよかった。
その横に、漢字がたくさんの文も書いてくれた。
「大きくなったら、読んでくれ」
そう言ってね。
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