学校迷宮と若返りドーナツ

クリヤ

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(26)ゾンビが、増える?

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 「えっと、それじゃあ、この風船の山から爆弾を探すってこと?」
 「たぶん、そうだろう」
 「ホントにぃ?」

 ボクはさ、こう思ってたんだ。
 ゾンビの板が10枚なんだから、10個の水風船を作ればいいってね。
 な~んだ、10個くらいなら簡単じゃん! ってね。
 だけど!
 カゴいっぱいの水風船って、いったいなん個なの?
 これ、全部に水を入れる?
 ムリじゃない?
 ……あ! そうだ!

 「ねぇ、じーちゃん! 水を入れる前にさ。
  風船をビヨーンって、引っ張ればいいんじゃない?」
 「絵を先に見るんだな?」
 「うん! 爆弾の絵を探すね!」

 あれ? おかしいな?
 風船をビヨーンって、引っ張っても絵が見えない。
 なんで? どうして?

 「ユウスケ、こりゃ、ダメだ。伸ばしても、絵が出てこない」
 「水を入れないと、絵が出てこないのかな?」
 「そうかもしれないなぁ」
 「うわ、めんどくさいね」

 あ、でもさ。
 爆弾じゃないと、ゾンビが倒せないってホントかな?

 「ねぇ、じーちゃん!
  とりあえず、投げてみない?」
 「そうだなぁ。じーちゃんが間違ってるってこともあるしな」

 ボクは、ゾンビに向かって、りんごの絵の水風船を投げつけた!
 ヒュー、ビシャ!
 見事、命中!
 って、喜んでる場合じゃない。
 ゾンビは、まったく倒れない。
 それなのに!

 ガターン! バン!
 さっき聞いた、おっきな音が、またした。
 そう思ったら、ゾンビの板がもう1枚増えた!
 ぎゃー! 倒そうとしたら、増えるなんてヒドい!

 「ユウスケ、これはまずいな」
 「うん、そうだね」
 「間違った風船を投げると、ゾンビは増えるのかもな」
 「ヒドいよね」
 「うん。やっぱり、1個ずつ水を入れるしかないか」
 「めんどくさいけど、しょうがない。ボク、がんばるよ」

 それから、ボクとじーちゃんは、すっごくすっごく、がんばった!
 カゴいっぱいの水風船に、次から次へと水を入れまくった!
 水風船には、いろんな絵が出てきたよ。
 クレヨン、ノート、傘、マグカップ、時計、ハーモニカ。
 ほかにも、たっくさん。

 まぁ、でも意外なことにね。
 爆弾の絵の水風船も、かなりたくさんあったんだ。
 やっぱり、この【迷宮】って親切なのか不親切なのか、わからない。

 「よぉし! これで、全部だ。よくがんばったな」
 「うん。大変だったね」
 「でも、この【迷宮】ってとこは、不思議だな」
 「うん、すっごく便利だよね」
 「これだけは、【迷宮】を出ても続いたらいいのになぁ」
 「ふふ、そうだね」

 あのね。
 風船に水を入れてる時にさ、不思議なことが起こったんだよ!
 水風船は、口をむすばないと、あっという間にバッシャンでしょ?
 それで、ママにも怒られるんだけど。
 だけどね、この【迷宮】は違ったんだよ。
 バッシャン!
 水がかかった!
 って、思った時には、もうかわいてるんだ。
 すっごく便利!
 いつもこうなら、学校も水風船禁止にならないのにね。

 さて、水風船爆弾はたっぷり、そろった。
 次は、とうとうゾンビ退治だ。
 きっと、すぐに倒してみせる!
 体力測定でやったハンドボール投げ。
 ボク、クラスでもいいほうだったんだ。
 ふふ。ちょっとだけ、じまんしちゃった。
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