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2章
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みみずくとゆあはお城の正門に着いていた。
「こうやって見ると大きいですね! ほら!」
正門で手足を大きく広げるゆあの姿に、みみずくはシャッターチャンスを逃す訳がない。
「あー何勝手に撮ってるんですかー! とーさつですよ!」
七つ星城に来たのは小学校の社会見学以来だ。
「相変わらず人が多いなー」と思わず呟く。なんたって観光スポットだから。
向かいは職業支援所だったが、去年七つ星駅近くにできたオフィスビルに移転した。
「うわぁー、大きいですねー。転びそう」
「そうですね。逆に足場良かったらあっさり敵に攻められてこんな状態になってませんよ。難攻不落って言われてるだけ理由はあるのですから」
みみずくはゆあ手を握りしめて天守閣に向かう。
初夏ということもあり、心地よい風が吹いている。
七つ星城は昔々北条さんとやらが作ったもので、七つ星駅の西口には、北条さんが馬に乗った銅像が建てられている。
お城の歴史や刀などを真剣に見ていくみみずくに対して、少し退屈なそうなゆあ。
「あっ、ごめんなさい。退屈だった?」
「いえ、そうではないんです……ゆうきさんが楽しそうだったら私は嬉しいです」
「悪いね。天守閣向かおう。足場もっと悪くなるから気をつけて」
「うん!」
天守閣に上ると市内や城の周辺や海が見える。
「すっごーい! 見てみて! 海だよ!」
今日は天気が雲一つない日が幸いしていた。
サクラの時期になるとお城の近くで満開の桜が咲き誇るため、花見客で賑わう。
ゆあのはしゃぎ方は子どものようだった。
大人っぽい見た目だがどこか無邪気な子どもの要素がある。
そんな姿にみみずくが恋に落ちるのは無理もなかった。
天守閣を登りきった後は、城内にある変身体験が出来るお店に向かった。
ゆあが「お姫様の格好をしたい」と言ったからだ。本人としては一緒に武士の格好をみみずくにして欲しかったそうだが、みみずくは断った。
変身終えるまでみみずくは店の前で待っていた。
「どうですか? 私、似合ってます?」
変身終えたゆあがやってきた。気恥ずかしそうにアピールする。顔がが少し赤くなっている。
笠のようなものを被り、花柄をベースにした赤の打掛けのようなものを着ていた。
みみずくはゴクリと唾を飲む。
や、ヤバい! めっちゃ可愛い! この気恥ずかしそうな仕草が最高だ! 写真にしたい! こ・れ・は!
胸がいい感じに強調されてるし。そういや結構巨乳だったような……。
こんなことだったら、一眼レフカメラ持ってこれば良かったと今さらながら後悔する。そっちの方がキレイに撮れる。
「ここで撮って貰えますか?」
ゆあは店員さんに近くの木の下で撮ってもらうことをお願いした。
「えっ? 俺も?」
「当たり前ですよー! ほらほら!」
ゆあに促されて、みみずくは隣にならぶ。
ランチと同じく、みみずくのスマホでも撮りませんかと言われお願いする。
店員にスマホを返されたみみずくは、写真を確認する。
「うーん……この……」
みみずくは眉をしかめる。
現代人であるみみずくが戦国時代にタイムスリップして、お姫様に会って記念撮影しました感が強い。
武士に「お主何奴! うちの娘に手を出すな!」と言われて、殺されるやつだ。
タイムスリップものなら、主人公が現代の料理や医学の知識が認められて生き延びるけど、残念ながらそんな器用な人間じゃない。手先は器用なのは自信あるが。
そもそもネット環境すらない昔の時代なんて嫌だ。
「そろそろ着替えてきますねー」
ゆあがお店に戻って衣装を返却しに行った。
「次は温泉に行きたいんです。ほら七つ星城通る途中にあった大きな温泉施設」
七つ星城のお堀近くを歩いてる最中に言われたみみずくは「お、温泉?!」と調子外れの声で返す。
「はい」
満面の笑みでこたえるゆあ。
たしかに足場の悪い所を歩き回って疲れたのだろう。でも初対面で初っ端から温泉行きましょってハードル高くないか?
ゆあが言っている温泉施設とは、七つ星城に向かう途中にある所にある『しらさぎの湯 七つ星駅店』のことである。二つ星町にも系列のお店がある。
「さすがに初対面で温泉は……」
みみずくが断ろうとしたものの「だめですか? 残念ですね……私の浴衣姿が見れますのに……」と上目遣いでアピールされる。
ゆあの浴衣姿か……見たい!
でも今回は仕事だ。自分の感情と仕事での感情を切り離さないといけない。
「やっぱりだめですか?」
ゆあがみみずくの方へさらに近寄って上目遣いでアピールした。
「こうやって見ると大きいですね! ほら!」
正門で手足を大きく広げるゆあの姿に、みみずくはシャッターチャンスを逃す訳がない。
「あー何勝手に撮ってるんですかー! とーさつですよ!」
七つ星城に来たのは小学校の社会見学以来だ。
「相変わらず人が多いなー」と思わず呟く。なんたって観光スポットだから。
向かいは職業支援所だったが、去年七つ星駅近くにできたオフィスビルに移転した。
「うわぁー、大きいですねー。転びそう」
「そうですね。逆に足場良かったらあっさり敵に攻められてこんな状態になってませんよ。難攻不落って言われてるだけ理由はあるのですから」
みみずくはゆあ手を握りしめて天守閣に向かう。
初夏ということもあり、心地よい風が吹いている。
七つ星城は昔々北条さんとやらが作ったもので、七つ星駅の西口には、北条さんが馬に乗った銅像が建てられている。
お城の歴史や刀などを真剣に見ていくみみずくに対して、少し退屈なそうなゆあ。
「あっ、ごめんなさい。退屈だった?」
「いえ、そうではないんです……ゆうきさんが楽しそうだったら私は嬉しいです」
「悪いね。天守閣向かおう。足場もっと悪くなるから気をつけて」
「うん!」
天守閣に上ると市内や城の周辺や海が見える。
「すっごーい! 見てみて! 海だよ!」
今日は天気が雲一つない日が幸いしていた。
サクラの時期になるとお城の近くで満開の桜が咲き誇るため、花見客で賑わう。
ゆあのはしゃぎ方は子どものようだった。
大人っぽい見た目だがどこか無邪気な子どもの要素がある。
そんな姿にみみずくが恋に落ちるのは無理もなかった。
天守閣を登りきった後は、城内にある変身体験が出来るお店に向かった。
ゆあが「お姫様の格好をしたい」と言ったからだ。本人としては一緒に武士の格好をみみずくにして欲しかったそうだが、みみずくは断った。
変身終えるまでみみずくは店の前で待っていた。
「どうですか? 私、似合ってます?」
変身終えたゆあがやってきた。気恥ずかしそうにアピールする。顔がが少し赤くなっている。
笠のようなものを被り、花柄をベースにした赤の打掛けのようなものを着ていた。
みみずくはゴクリと唾を飲む。
や、ヤバい! めっちゃ可愛い! この気恥ずかしそうな仕草が最高だ! 写真にしたい! こ・れ・は!
胸がいい感じに強調されてるし。そういや結構巨乳だったような……。
こんなことだったら、一眼レフカメラ持ってこれば良かったと今さらながら後悔する。そっちの方がキレイに撮れる。
「ここで撮って貰えますか?」
ゆあは店員さんに近くの木の下で撮ってもらうことをお願いした。
「えっ? 俺も?」
「当たり前ですよー! ほらほら!」
ゆあに促されて、みみずくは隣にならぶ。
ランチと同じく、みみずくのスマホでも撮りませんかと言われお願いする。
店員にスマホを返されたみみずくは、写真を確認する。
「うーん……この……」
みみずくは眉をしかめる。
現代人であるみみずくが戦国時代にタイムスリップして、お姫様に会って記念撮影しました感が強い。
武士に「お主何奴! うちの娘に手を出すな!」と言われて、殺されるやつだ。
タイムスリップものなら、主人公が現代の料理や医学の知識が認められて生き延びるけど、残念ながらそんな器用な人間じゃない。手先は器用なのは自信あるが。
そもそもネット環境すらない昔の時代なんて嫌だ。
「そろそろ着替えてきますねー」
ゆあがお店に戻って衣装を返却しに行った。
「次は温泉に行きたいんです。ほら七つ星城通る途中にあった大きな温泉施設」
七つ星城のお堀近くを歩いてる最中に言われたみみずくは「お、温泉?!」と調子外れの声で返す。
「はい」
満面の笑みでこたえるゆあ。
たしかに足場の悪い所を歩き回って疲れたのだろう。でも初対面で初っ端から温泉行きましょってハードル高くないか?
ゆあが言っている温泉施設とは、七つ星城に向かう途中にある所にある『しらさぎの湯 七つ星駅店』のことである。二つ星町にも系列のお店がある。
「さすがに初対面で温泉は……」
みみずくが断ろうとしたものの「だめですか? 残念ですね……私の浴衣姿が見れますのに……」と上目遣いでアピールされる。
ゆあの浴衣姿か……見たい!
でも今回は仕事だ。自分の感情と仕事での感情を切り離さないといけない。
「やっぱりだめですか?」
ゆあがみみずくの方へさらに近寄って上目遣いでアピールした。
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