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6章
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よろず屋ななつ星の打ち合わせスペースはなんとなく厳粛な雰囲気が流れていた。
大屋、すずらん、すいせん、みみずく、上座には琉実菜と藤原太史が座っていた。
琉実菜と太史の間には拳一つ分空いている。
「初めまして。私、藤原太史と申します」
太史は仕事用の名刺をよろず屋ななつ星のスタッフ一人一人に渡す。
「改めまして、私、よろず屋ななつ星所長、大屋春子と申します」
代表で大屋が名刺を渡した。
他にすずらんが名刺を持っているが、基本的身バレダメ、絶対が鉄の掟。基本的に名刺を使う機会が少ない。本名の“川端理沙”では出していない。
会社内で”すずらん”や”すいせん”とみんなが仕事用の名前にしているのはそのためだ。
案件毎で人前に出る時になったら偽名にしている。
藤原太史は四十代なのに、短い髪にあちこち白髪が目立ち始めているし、柔和な顔立ちで優しそう目元に丸ふちのシルバーのメガネ。どこか疲れ切ったような雰囲気だった。
律儀に黒スーツで、まるで営業に行くような格好だった。
「今回お時間を頂きありがとうございます」
立ち上がって丁寧に頭をさげる太史。
「さあさあ、どうぞ、お座り下さい。そんな畏まらなくても結構です」
「は、はい……ではお言葉に甘えて失礼します」
まるで面接に来た学生のような丁寧ぶりだ。
「早速本題に入ります。先日提出して頂いたDNA鑑定の結果が来ましたのでお呼び致しました。こちらが書類です」
大屋は大きい封筒を太史に渡す。
「開けていいですか」と太史は息を飲むかのように、丁寧に封筒を開ける。横で瑠実菜が真剣に見る。
封筒の中身が見えていく度に全身緊張が走る。
よろず屋ななつ星のメンバーが静かに見守る。
視線は太史に注がれていた。
「……良かったです」
太史は胸を撫で下ろして琉実菜に書類を見せる。
「ほ、本当に?!」
――二人の親子関係を証明する旨が書かれていた。
「ごめんな……ずっと会えなくて。自分のエゴで……」
太史の手が震えて、ポツポツと出てくる大粒の涙によって書類が濡れていく。
「ほ、本当にお父さんがいたんだ……!」
琉実菜はハンカチで目元を抑える。
この隣にいる男性が自分の父親なんだと思うと同時になんとなく実感が湧かない。
何十年も会ってなかったし、話した事がなかった。
ずっと高木琉実菜として生きてきて、自分は高木家と血縁関係があると思っていた。占部瀬里香とは姉妹だと思っていた。
両親や祖父母だと思ってた人とは遠戚ではあるが、家族ではなかった。
「お前は捨てられた」と言っていたことが正しかった。冗談だと思っていたから。
でも心の中でどこか自分と高木家は違うなと思っていた。
親戚からの姉と私との態度。
同級生や保護者や先生からの当たりの強さ。
誰かが広めたのだろう。可能性としては姉だと思う。
姉は「出来損ないの妹を持っている姉」としてアピールしていたから。
それで周りの同情を買って男性にちやほやされていたから。
両親も「里親として問題児を育ててる」アピールしていたから、余計だった。
マイナスイメージがずっと付き纏っていた。
たまにもし私を捨てた両親がいたとしたら、どんな人なのか考えていた。
今、隣にいる男性と血縁関係が認められた。
ようやく自分の存在を歓迎してくれる家族が現れた。
そして大切に思ってくれる異性ができた。
「本当にななつ星さんの皆様には感謝しております。身勝手な理由で琉実菜と会えなかったことに……」
「私に血の繋がった家族がいたのはびっくりしました」
「琉実菜、本当に今までごめんな。お父さんが身勝手なことをしたんだから。許してとは言わない。でも、お父さんはお前の味方であるのは本当だし、もう少し今までのことを聞きたい。この間、大屋さんから聞いたけど改めて、話を聞きたい」
「はい、お、おとうさ……ん」
まだ「お父さん」と呼ぶのは戸惑っている琉実菜。
「改めて今回の経緯を説明させて頂きます」
大屋主導で情報漏洩しない程度に太史に説明する。
「占部浩平と日奈子が再婚したのは風の噂で聞いてました。ある意味バチがあたったのかもしれませんね。皮肉にも占部の不倫相手が琉実菜の姉……凄いですね。色々と……」
「セリバーテルですか……ネットで今騒がれてる所ですよね……先日うちの部下がそのアプリで出会った人が美人局で、慰謝料請求が来たと話が有りまして……」
よろず屋ななつ星の顔つきが凍る。
「差し支えなければ、その方のお名前をお聞かせねがえませんか?」
すずらんが身を乗り出して尋ねる。
「瀬川です。瀬川淳平。彼がいきなり給料前倒しにして欲しいと相談に来たんです。彼はギャンブルや遊んでばっかりのタイプではありませんから。堅実なタイプです。仕事も真面目で、私の後は彼にしたいなと密かに思ってたぐらいですから」
よろず屋ななつ星のメンバーが顔を見合わせてるが、太史は話を続ける。
「私は部下のプライベートに必要以上に立ち入らないようにしてました。彼がいきなり相談したいと来たもんで……彼が自分から言ってくるとなるとただごとじゃないなと思いました。上を巻き込んで、話を聞いたら慰謝料請求されている。早く帰さないと訴えると。既婚者と知らずに付き合っていたと……それで美人局じゃないかって……」
――俺、騙されてたんですね。結婚を考えてたんですけどね……。
瀬川の落胆ぶりに太史は何も言えず、しばらく休むように言った。
「その女性の写真を一度見せて頂いたんですが、綺麗な方でした」
すずらんがみみずくすいせんに「あの写真持ってきて」と耳打ちする。
「もしかして、この女性ですか?」
すいせんが持ってきた資料を太史に見せる。
「ああ、こんな感じの方でした」
本当世間って狭いなーとつくづく思うすずらん。
「今まで琉実菜をいじめてた挙句、私の大切な部下を騙すなんて……」
太史は手で額を当てながら大きなため息をついた。
「瀬川さん、ここに相談きたんですよ。で、真相解明と制裁して欲しいと」
「で、僕が瀬川さんの相手と思われる女性に接触しようと思ったら、全くの別人で、それが琉実菜さんだったんです。彼女から美人局の話を聞きました」
「どこで繋がってるか分からないですね。でも、よろず屋ななつ星さんがいなければ、私は琉実菜に会えなかったでしょう。部下の無念も晴らすことが出来なかったでしょう。セリバーテルの悪事や占部瀬里香と浩平と藤原日奈子の関係が表沙汰にならなかったでしょう」
太史から乾いた笑いが出た。
目の前の男性の部下が瀬川淳平で、美人局に遭ってたのは偶然なんだろう。
上司としてでもこの無念を晴らしてほしいだろう。
「藤原さん、安心してください。セリバーテルの悪事は表沙汰になってますし、占部瀬里香と浩平の行動も公開処刑されています。そして、美人局の被害者が他にもいらっしゃるので、その方達で警察に被害届及びセリバーテルに訴えを出すとの事なので大丈夫ですよ」
「そうなんですね。良かったです」
太史から安堵の表情が出て、琉実菜も一安心した。
大屋、すずらん、すいせん、みみずく、上座には琉実菜と藤原太史が座っていた。
琉実菜と太史の間には拳一つ分空いている。
「初めまして。私、藤原太史と申します」
太史は仕事用の名刺をよろず屋ななつ星のスタッフ一人一人に渡す。
「改めまして、私、よろず屋ななつ星所長、大屋春子と申します」
代表で大屋が名刺を渡した。
他にすずらんが名刺を持っているが、基本的身バレダメ、絶対が鉄の掟。基本的に名刺を使う機会が少ない。本名の“川端理沙”では出していない。
会社内で”すずらん”や”すいせん”とみんなが仕事用の名前にしているのはそのためだ。
案件毎で人前に出る時になったら偽名にしている。
藤原太史は四十代なのに、短い髪にあちこち白髪が目立ち始めているし、柔和な顔立ちで優しそう目元に丸ふちのシルバーのメガネ。どこか疲れ切ったような雰囲気だった。
律儀に黒スーツで、まるで営業に行くような格好だった。
「今回お時間を頂きありがとうございます」
立ち上がって丁寧に頭をさげる太史。
「さあさあ、どうぞ、お座り下さい。そんな畏まらなくても結構です」
「は、はい……ではお言葉に甘えて失礼します」
まるで面接に来た学生のような丁寧ぶりだ。
「早速本題に入ります。先日提出して頂いたDNA鑑定の結果が来ましたのでお呼び致しました。こちらが書類です」
大屋は大きい封筒を太史に渡す。
「開けていいですか」と太史は息を飲むかのように、丁寧に封筒を開ける。横で瑠実菜が真剣に見る。
封筒の中身が見えていく度に全身緊張が走る。
よろず屋ななつ星のメンバーが静かに見守る。
視線は太史に注がれていた。
「……良かったです」
太史は胸を撫で下ろして琉実菜に書類を見せる。
「ほ、本当に?!」
――二人の親子関係を証明する旨が書かれていた。
「ごめんな……ずっと会えなくて。自分のエゴで……」
太史の手が震えて、ポツポツと出てくる大粒の涙によって書類が濡れていく。
「ほ、本当にお父さんがいたんだ……!」
琉実菜はハンカチで目元を抑える。
この隣にいる男性が自分の父親なんだと思うと同時になんとなく実感が湧かない。
何十年も会ってなかったし、話した事がなかった。
ずっと高木琉実菜として生きてきて、自分は高木家と血縁関係があると思っていた。占部瀬里香とは姉妹だと思っていた。
両親や祖父母だと思ってた人とは遠戚ではあるが、家族ではなかった。
「お前は捨てられた」と言っていたことが正しかった。冗談だと思っていたから。
でも心の中でどこか自分と高木家は違うなと思っていた。
親戚からの姉と私との態度。
同級生や保護者や先生からの当たりの強さ。
誰かが広めたのだろう。可能性としては姉だと思う。
姉は「出来損ないの妹を持っている姉」としてアピールしていたから。
それで周りの同情を買って男性にちやほやされていたから。
両親も「里親として問題児を育ててる」アピールしていたから、余計だった。
マイナスイメージがずっと付き纏っていた。
たまにもし私を捨てた両親がいたとしたら、どんな人なのか考えていた。
今、隣にいる男性と血縁関係が認められた。
ようやく自分の存在を歓迎してくれる家族が現れた。
そして大切に思ってくれる異性ができた。
「本当にななつ星さんの皆様には感謝しております。身勝手な理由で琉実菜と会えなかったことに……」
「私に血の繋がった家族がいたのはびっくりしました」
「琉実菜、本当に今までごめんな。お父さんが身勝手なことをしたんだから。許してとは言わない。でも、お父さんはお前の味方であるのは本当だし、もう少し今までのことを聞きたい。この間、大屋さんから聞いたけど改めて、話を聞きたい」
「はい、お、おとうさ……ん」
まだ「お父さん」と呼ぶのは戸惑っている琉実菜。
「改めて今回の経緯を説明させて頂きます」
大屋主導で情報漏洩しない程度に太史に説明する。
「占部浩平と日奈子が再婚したのは風の噂で聞いてました。ある意味バチがあたったのかもしれませんね。皮肉にも占部の不倫相手が琉実菜の姉……凄いですね。色々と……」
「セリバーテルですか……ネットで今騒がれてる所ですよね……先日うちの部下がそのアプリで出会った人が美人局で、慰謝料請求が来たと話が有りまして……」
よろず屋ななつ星の顔つきが凍る。
「差し支えなければ、その方のお名前をお聞かせねがえませんか?」
すずらんが身を乗り出して尋ねる。
「瀬川です。瀬川淳平。彼がいきなり給料前倒しにして欲しいと相談に来たんです。彼はギャンブルや遊んでばっかりのタイプではありませんから。堅実なタイプです。仕事も真面目で、私の後は彼にしたいなと密かに思ってたぐらいですから」
よろず屋ななつ星のメンバーが顔を見合わせてるが、太史は話を続ける。
「私は部下のプライベートに必要以上に立ち入らないようにしてました。彼がいきなり相談したいと来たもんで……彼が自分から言ってくるとなるとただごとじゃないなと思いました。上を巻き込んで、話を聞いたら慰謝料請求されている。早く帰さないと訴えると。既婚者と知らずに付き合っていたと……それで美人局じゃないかって……」
――俺、騙されてたんですね。結婚を考えてたんですけどね……。
瀬川の落胆ぶりに太史は何も言えず、しばらく休むように言った。
「その女性の写真を一度見せて頂いたんですが、綺麗な方でした」
すずらんがみみずくすいせんに「あの写真持ってきて」と耳打ちする。
「もしかして、この女性ですか?」
すいせんが持ってきた資料を太史に見せる。
「ああ、こんな感じの方でした」
本当世間って狭いなーとつくづく思うすずらん。
「今まで琉実菜をいじめてた挙句、私の大切な部下を騙すなんて……」
太史は手で額を当てながら大きなため息をついた。
「瀬川さん、ここに相談きたんですよ。で、真相解明と制裁して欲しいと」
「で、僕が瀬川さんの相手と思われる女性に接触しようと思ったら、全くの別人で、それが琉実菜さんだったんです。彼女から美人局の話を聞きました」
「どこで繋がってるか分からないですね。でも、よろず屋ななつ星さんがいなければ、私は琉実菜に会えなかったでしょう。部下の無念も晴らすことが出来なかったでしょう。セリバーテルの悪事や占部瀬里香と浩平と藤原日奈子の関係が表沙汰にならなかったでしょう」
太史から乾いた笑いが出た。
目の前の男性の部下が瀬川淳平で、美人局に遭ってたのは偶然なんだろう。
上司としてでもこの無念を晴らしてほしいだろう。
「藤原さん、安心してください。セリバーテルの悪事は表沙汰になってますし、占部瀬里香と浩平の行動も公開処刑されています。そして、美人局の被害者が他にもいらっしゃるので、その方達で警察に被害届及びセリバーテルに訴えを出すとの事なので大丈夫ですよ」
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