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ナイトメアループ
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僕が気がつくとそこは段ボールだらけの部屋だった。
ここは一体どこなんだろう?
スイングドアの窓から入り込んでくる光を求め、スイングドアから外に出る。
「男子トイレ……?」
そこはどこかのディスカウントショップ内のトイレのようだった。
何故ここに至るまでの記憶がないのだろうか。
一度状況を整理してみよう。
僕は十四歳。そう、中学二年生。
最後の記憶は自分の部屋で寝たという事。
つまりこれは夢である可能性が高い。
なのに何故だろうか。
妙にリアルだ。
この男子トイレの壁、地面のタイル、手洗い場の鏡に映る鏡写しの男子トイレの風景。
運動靴を履いた足にかかる自分の体重。
手を握ったり開いたりする感覚。
あまりにも夢だとは思えない。
ふと気づくとコツコツと足音が聞こえる。
三秒ほど経過すると、男子トイレの入り口から一人の男が入ってきた。
僕は驚愕した。
その男が右手に握っていたのはナイフだった。
男はニヤリと笑うと目を見開きナイフを振りかぶって突っ込んできた。
「うああああっ!?」
僕は咄嗟に男の手首を両手で掴んだ。
だが勢いに押され、仰向けに倒れ込んだ。
ズブッと鈍い感覚が腹に響き、数秒遅れて激しい痛みが僕を襲った。
「ぐあっ……! ああああああああああああああああっ!!」
ナイフが引き抜かれ、体内の血がドロっと外へ排出される。
引き抜かれたナイフは再び腹部の別の場所へ差し込まれ、抜かれる。
何度も何度も何度も何度も男は僕の体をナイフで突き刺した。
痛い、痛い、痛い。
僕が何したって言うんだ。
何でこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
答えを得られぬ果てしない疑問が頭を駆け巡っては痛みに遮られる。
やがて痛みに疲れ、体はその感覚を薄める。
ああ、僕は……僕は……。
──「死ぬ」。
途切れたはずの意識が回復し、僕は辺りを見回す。
よく「知っている」スイングドアが見えた。
まさか。
僕がスイングドアから外に出ると、そこはやはり男子トイレだった。
僕は死んだはずじゃなかったのか?
それともあの体験は夢だったのか?
これから何が起こるのか?
そんな疑問に一つの答えが出される。
コツコツと足音が聞こえ「知っている」男が現れた。
あいつだ。
右手にナイフを持ったその男はニヤリと笑った。
僕は全てを悟った。
一体何度同じ経験を繰り返しただろうか。
僕はあの男に何度も殺された。
そしてその度に蘇った。
最初は痛みと苦しみと恐怖が支配していたが、今は違う。
何故お前は僕を殺す?
僕がお前に何をした?
こんな理不尽許せない。
僕は怒りに満ちていた。
また男が現れ、ナイフを振りかぶって襲いかかってくる。
もう何度も見た。
もう何度も味わった。
お前の攻撃はもう、見切った。
僕は男のナイフを左手腕で受け止める。
左腕にナイフが貫通し、痛みが僕を襲う。
だが、そんな痛みも僕の怒りには敵わない。
僕は左腕を下に引っ張る。
ナイフを持った男の体勢はそれに合わせて前屈みになる。
僕は男の顔面に強烈な拳を叩き込んだ。
男はナイフから手を離し、倒れ込んだ。
「次はお前なんだよ」
僕は左腕からナイフを抜き取り、男の腹部に刺し込んだ。
ここは一体どこなんだろう?
スイングドアの窓から入り込んでくる光を求め、スイングドアから外に出る。
「男子トイレ……?」
そこはどこかのディスカウントショップ内のトイレのようだった。
何故ここに至るまでの記憶がないのだろうか。
一度状況を整理してみよう。
僕は十四歳。そう、中学二年生。
最後の記憶は自分の部屋で寝たという事。
つまりこれは夢である可能性が高い。
なのに何故だろうか。
妙にリアルだ。
この男子トイレの壁、地面のタイル、手洗い場の鏡に映る鏡写しの男子トイレの風景。
運動靴を履いた足にかかる自分の体重。
手を握ったり開いたりする感覚。
あまりにも夢だとは思えない。
ふと気づくとコツコツと足音が聞こえる。
三秒ほど経過すると、男子トイレの入り口から一人の男が入ってきた。
僕は驚愕した。
その男が右手に握っていたのはナイフだった。
男はニヤリと笑うと目を見開きナイフを振りかぶって突っ込んできた。
「うああああっ!?」
僕は咄嗟に男の手首を両手で掴んだ。
だが勢いに押され、仰向けに倒れ込んだ。
ズブッと鈍い感覚が腹に響き、数秒遅れて激しい痛みが僕を襲った。
「ぐあっ……! ああああああああああああああああっ!!」
ナイフが引き抜かれ、体内の血がドロっと外へ排出される。
引き抜かれたナイフは再び腹部の別の場所へ差し込まれ、抜かれる。
何度も何度も何度も何度も男は僕の体をナイフで突き刺した。
痛い、痛い、痛い。
僕が何したって言うんだ。
何でこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
答えを得られぬ果てしない疑問が頭を駆け巡っては痛みに遮られる。
やがて痛みに疲れ、体はその感覚を薄める。
ああ、僕は……僕は……。
──「死ぬ」。
途切れたはずの意識が回復し、僕は辺りを見回す。
よく「知っている」スイングドアが見えた。
まさか。
僕がスイングドアから外に出ると、そこはやはり男子トイレだった。
僕は死んだはずじゃなかったのか?
それともあの体験は夢だったのか?
これから何が起こるのか?
そんな疑問に一つの答えが出される。
コツコツと足音が聞こえ「知っている」男が現れた。
あいつだ。
右手にナイフを持ったその男はニヤリと笑った。
僕は全てを悟った。
一体何度同じ経験を繰り返しただろうか。
僕はあの男に何度も殺された。
そしてその度に蘇った。
最初は痛みと苦しみと恐怖が支配していたが、今は違う。
何故お前は僕を殺す?
僕がお前に何をした?
こんな理不尽許せない。
僕は怒りに満ちていた。
また男が現れ、ナイフを振りかぶって襲いかかってくる。
もう何度も見た。
もう何度も味わった。
お前の攻撃はもう、見切った。
僕は男のナイフを左手腕で受け止める。
左腕にナイフが貫通し、痛みが僕を襲う。
だが、そんな痛みも僕の怒りには敵わない。
僕は左腕を下に引っ張る。
ナイフを持った男の体勢はそれに合わせて前屈みになる。
僕は男の顔面に強烈な拳を叩き込んだ。
男はナイフから手を離し、倒れ込んだ。
「次はお前なんだよ」
僕は左腕からナイフを抜き取り、男の腹部に刺し込んだ。
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