7 / 10
赤い虎
七
しおりを挟む
「じいか。どうした?」
虎昌は決死の覚悟で会いにいったが、義信の声はあっけらかんとしていた。
「謀叛を企てておるようですな」
「ここでその話は止めろ」
「いえ、止めません。考えを改められるまで退きません」
虎昌は腰から鞘ごと刀を抜き取ると、義信の前に丁寧に置いた。
「今日は討ち死にする覚悟で来ました」
虎昌は一礼すると、失礼と言って立ち上がった。
「透波どもでていけ! 私は義信様と本気の話をしたいんじゃ」
虎昌が大喝すると、天井裏で物音がした。
おそらく潜んでいた透波が逃げて行ったのであろう。しかし、虎昌は「邪魔だといっとろう」と言って、襖を開け縁側の下に隠れていた男を引きずりだし、蹴飛ばした。
「失礼つかまつった。これで本音を話して頂ける」
虎昌は服装を正し平服した。
「本音だと? もう話したではないか。わしは自分の考えを曲げん」
「武田家を継げなくなりますぞ」
「何を言う。殺せば、必然的にわしが頭領になる」
「無理ですな。既に謀叛の計画は露見しております。御館様に楯突くなど到底無理な話なのです」
「露見しておるなら次の計画を立てるまでよ。じい。協力する気がないのなら去れ。邪魔だ」
「私に去れというのなら、その刀で私を斬れば良い。それ以外に私を退ける方法はないですぞ」
虎昌は視線を刀に移した。綺麗に装飾された鞘から皮一枚だけ刀身が出ており、怪しく光を放っている。
「斬れだと? 馬鹿馬鹿しい」
「甘い!」
虎昌は咆哮を上げた。どすの効いた低い声でたたみかける。
「その甘さが武田家を滅ぼすのです。それで武田家を継ごうなど笑止千万。義信様ではまとめられますまい。たとえ謀叛が成功したところで武田家が滅びるは必定」
「甘いか。はははは。甘いのはじいの方ではないか。わしを止めたいのなら、手段はいくらでもあるはずであろうに、あくまで話し合いに拘り、野放しにしておる。のう?」
虎昌は何も言い返せなかった。
義信は鞘を手に取ると、刀を抜き去った。
「斬れというのなら、じいがわしを斬れば良い。わしも命を賭けておるのだ」
義信は刀を高く上げてから畳に突き立てた。
光が揺れ、鏡のような白刃が聳えたつ。
刀身に映った自分と目が合い、虎昌はぎくりとした。血走った目の上で黒目がゆらゆらと揺れている。何に動揺しているというのだ。まさか覚悟が揺らいでいるとでもいうのか。
「勘違いしておるようだが、説得など無理だと思え。わしの決意は鋼より固い」
「なぜそこまで、後継者の道を断ってまで謀叛にこだわる……。武田家の未来を真剣に考えてくだされ!」
「武田家の未来などどうでもいいわ!」
虎昌は唖然とした。義信の悲痛にも似た言葉に、自分の全てを否定された感じがした。
「本音だ。武田家などどうでもいい。わしは、ただ一つ大切なもののために生きる。おつねのために生きる。女々しいか? 情けないと言いたければ言えばいい」
「……」
「じいにはないのか? 自分の命よりも大切なものがないのか?」
(……。ある)
虎昌は言葉を無くした。
何度、戦場に立っただろう。何人の命を奪っただろう。虎昌は人生の大半を戦に費やした血塗られた人生だった。
数多の首に支えられた戦歴を、華やかだといえばそうかもしれない。だが時折、奪い合いの螺旋に吐き気がするのだ。しかし、虎昌の誇りはその螺旋の中にしかない。
昨夜、虎昌は赤備えの具足を見て、己の人生を思い返した。本来あるべき姿に還ろうとの思いからだが、脳裏に出てくるのは、戦ではなく、光のような義信の姿ばかりだった。己の全ては戦場のなかにあるはずなのに、義信の姿ばかりが思い出されるのだ。
幼少期から自分の全てを叩きこんできた。義信の成長にその都度感動してきた。
かまきりに怯え、虫も殺せなかった子供が、川中島で武勇を知らしめるまでになった。
馬から桃のように転げ落ち、泣くのを必死に我慢していた義信は、今や虎昌を凌ぐまでになった。
義信は大きくなった。しかし、つつじの花をとってくれた義信は今も変わらないままなのだ。いや、虎昌が返させられなかっただけなのかもしれない。
優しさは甘さとなり、身を滅ぼす弱点になった。
しかし、それでも義信の甘さを嫌いになれない。
虎昌は義信と目を合わせた。武将然とした瞳の奥が潤んでいる。おつやが棲みついているのだ。
「大切なのはじいも同じだ。実の父以上に、じいのことを父だと思っている。お願いだ。わしに着いてこい」
虎昌は一筋の涙と一緒に
「承知」
と溢した。
虎昌にも命より大切なものがある。
義信を実の子以上に、子供のように思っているのだ。
この命、義信のために燃やし尽くそう。
「良かった。じいがおれば百人力だ」
義信は満足げに頷いた。義信の顔を見ていると、虎昌の何かが吹っ切れ、頭が回転し始めた。
虎昌が謀叛に加担したことは一度ある。
信玄が父信虎を追放した時である。
その時は、家臣たちの心が信虎から離れており、みな信玄に味方した。そのため、追放という形で怪我人もなく紳士的に解決した。
しかし、此度の場合は無理だろう。磐石は揺るぎなく、家臣達は信玄を神のように崇めてさえいる。謀叛を成功させるには、義信の言う通り、殺害以外に選択肢は無さそうだ。
ではどのような方法を取れば良いか。
虎昌はその答えを知っていた。
信玄の警備は厳重であり、近づくことさえ容易でなく、甲斐中に張り巡らされた情報網をくぐり抜けることは困難を極める。
一見、信玄を殺すなど無理に思えるが、警戒を弛めざるをえない場所があることを虎昌は知っていた。
隠し湯である。
信玄は元々、労咳を患っており、その治療に隠し湯を使用し、その間、影武者を用意していた。労咳を患っていることは、重臣しか知らない秘中であり、隠し湯の場所は更に秘中である。義信でさえ知らない。
だがあいにく、武田家の宿老である虎昌はその二つを知っていた。
「策を立てました。一度しか言いません。よく聞いてください」
「流石だ。聞かせてもらおう」
「機を待ち、隠し湯を襲撃する。御館様の唯一の穴を攻めましょう」
義信が唾を飲む音が聞こえ、「なるほどな」と腕を組んで唸った。
「隠し湯の場所を知る人間は少ない。場所を隠すため、警備も厳重にはできません。そこを少数精鋭の部隊で襲撃します」
「少数精鋭か」
「はい。私の赤備えに勝る精鋭部隊はいないでしょう」
「機とはいつだ」
「次の合戦です。今から支度をしたところで、容易に露見しましょう。合戦の準備であれば怪しまれることはないでしょう」
「なるほど」
「そして、風の如く早さで、隠し湯を目指します。我らの早さについてこれる部隊などないでしょう。機を待つあいだは林の如く静かに、山のように動じず」
「風林火山か。皮肉だな」
「それしか方法はないでしょう。ただ一つ」
虎昌は一息ついた。
「ただ一つ。お願いがあります。義信様には、どっしりと居館に構えていて欲しいのです。戦場で戦うのは我らのような家臣の仕事。大将として後ろで構えていてほしいのです」
「虎昌。わしは自分だけが安全な所にいるなどやりたくない。やるならわしが先陣を切る」
「なりません。次の武田家の頭首は義信様になるのです。頭首となるのなら、自分の命の重みを考えてもらわねばなりません。どうかご承知ください」
虎昌は目で義信を征しようとした。背後に猛虎の幻影を見た義信は怯んだ。
「やむをえん。そうしよう」
「ありがとうございます」
虎昌は畳から刀を抜くと、ゆっくり鞘に納めた。金属の擦れる悲鳴のような音が、静寂の空間に響き、虎昌の耳で木霊した。
もう後には戻れない。
虎昌の指は震えている。
それが武者震いなのか恐怖なのか、虎昌自身でさえわからなかった。
虎昌は決死の覚悟で会いにいったが、義信の声はあっけらかんとしていた。
「謀叛を企てておるようですな」
「ここでその話は止めろ」
「いえ、止めません。考えを改められるまで退きません」
虎昌は腰から鞘ごと刀を抜き取ると、義信の前に丁寧に置いた。
「今日は討ち死にする覚悟で来ました」
虎昌は一礼すると、失礼と言って立ち上がった。
「透波どもでていけ! 私は義信様と本気の話をしたいんじゃ」
虎昌が大喝すると、天井裏で物音がした。
おそらく潜んでいた透波が逃げて行ったのであろう。しかし、虎昌は「邪魔だといっとろう」と言って、襖を開け縁側の下に隠れていた男を引きずりだし、蹴飛ばした。
「失礼つかまつった。これで本音を話して頂ける」
虎昌は服装を正し平服した。
「本音だと? もう話したではないか。わしは自分の考えを曲げん」
「武田家を継げなくなりますぞ」
「何を言う。殺せば、必然的にわしが頭領になる」
「無理ですな。既に謀叛の計画は露見しております。御館様に楯突くなど到底無理な話なのです」
「露見しておるなら次の計画を立てるまでよ。じい。協力する気がないのなら去れ。邪魔だ」
「私に去れというのなら、その刀で私を斬れば良い。それ以外に私を退ける方法はないですぞ」
虎昌は視線を刀に移した。綺麗に装飾された鞘から皮一枚だけ刀身が出ており、怪しく光を放っている。
「斬れだと? 馬鹿馬鹿しい」
「甘い!」
虎昌は咆哮を上げた。どすの効いた低い声でたたみかける。
「その甘さが武田家を滅ぼすのです。それで武田家を継ごうなど笑止千万。義信様ではまとめられますまい。たとえ謀叛が成功したところで武田家が滅びるは必定」
「甘いか。はははは。甘いのはじいの方ではないか。わしを止めたいのなら、手段はいくらでもあるはずであろうに、あくまで話し合いに拘り、野放しにしておる。のう?」
虎昌は何も言い返せなかった。
義信は鞘を手に取ると、刀を抜き去った。
「斬れというのなら、じいがわしを斬れば良い。わしも命を賭けておるのだ」
義信は刀を高く上げてから畳に突き立てた。
光が揺れ、鏡のような白刃が聳えたつ。
刀身に映った自分と目が合い、虎昌はぎくりとした。血走った目の上で黒目がゆらゆらと揺れている。何に動揺しているというのだ。まさか覚悟が揺らいでいるとでもいうのか。
「勘違いしておるようだが、説得など無理だと思え。わしの決意は鋼より固い」
「なぜそこまで、後継者の道を断ってまで謀叛にこだわる……。武田家の未来を真剣に考えてくだされ!」
「武田家の未来などどうでもいいわ!」
虎昌は唖然とした。義信の悲痛にも似た言葉に、自分の全てを否定された感じがした。
「本音だ。武田家などどうでもいい。わしは、ただ一つ大切なもののために生きる。おつねのために生きる。女々しいか? 情けないと言いたければ言えばいい」
「……」
「じいにはないのか? 自分の命よりも大切なものがないのか?」
(……。ある)
虎昌は言葉を無くした。
何度、戦場に立っただろう。何人の命を奪っただろう。虎昌は人生の大半を戦に費やした血塗られた人生だった。
数多の首に支えられた戦歴を、華やかだといえばそうかもしれない。だが時折、奪い合いの螺旋に吐き気がするのだ。しかし、虎昌の誇りはその螺旋の中にしかない。
昨夜、虎昌は赤備えの具足を見て、己の人生を思い返した。本来あるべき姿に還ろうとの思いからだが、脳裏に出てくるのは、戦ではなく、光のような義信の姿ばかりだった。己の全ては戦場のなかにあるはずなのに、義信の姿ばかりが思い出されるのだ。
幼少期から自分の全てを叩きこんできた。義信の成長にその都度感動してきた。
かまきりに怯え、虫も殺せなかった子供が、川中島で武勇を知らしめるまでになった。
馬から桃のように転げ落ち、泣くのを必死に我慢していた義信は、今や虎昌を凌ぐまでになった。
義信は大きくなった。しかし、つつじの花をとってくれた義信は今も変わらないままなのだ。いや、虎昌が返させられなかっただけなのかもしれない。
優しさは甘さとなり、身を滅ぼす弱点になった。
しかし、それでも義信の甘さを嫌いになれない。
虎昌は義信と目を合わせた。武将然とした瞳の奥が潤んでいる。おつやが棲みついているのだ。
「大切なのはじいも同じだ。実の父以上に、じいのことを父だと思っている。お願いだ。わしに着いてこい」
虎昌は一筋の涙と一緒に
「承知」
と溢した。
虎昌にも命より大切なものがある。
義信を実の子以上に、子供のように思っているのだ。
この命、義信のために燃やし尽くそう。
「良かった。じいがおれば百人力だ」
義信は満足げに頷いた。義信の顔を見ていると、虎昌の何かが吹っ切れ、頭が回転し始めた。
虎昌が謀叛に加担したことは一度ある。
信玄が父信虎を追放した時である。
その時は、家臣たちの心が信虎から離れており、みな信玄に味方した。そのため、追放という形で怪我人もなく紳士的に解決した。
しかし、此度の場合は無理だろう。磐石は揺るぎなく、家臣達は信玄を神のように崇めてさえいる。謀叛を成功させるには、義信の言う通り、殺害以外に選択肢は無さそうだ。
ではどのような方法を取れば良いか。
虎昌はその答えを知っていた。
信玄の警備は厳重であり、近づくことさえ容易でなく、甲斐中に張り巡らされた情報網をくぐり抜けることは困難を極める。
一見、信玄を殺すなど無理に思えるが、警戒を弛めざるをえない場所があることを虎昌は知っていた。
隠し湯である。
信玄は元々、労咳を患っており、その治療に隠し湯を使用し、その間、影武者を用意していた。労咳を患っていることは、重臣しか知らない秘中であり、隠し湯の場所は更に秘中である。義信でさえ知らない。
だがあいにく、武田家の宿老である虎昌はその二つを知っていた。
「策を立てました。一度しか言いません。よく聞いてください」
「流石だ。聞かせてもらおう」
「機を待ち、隠し湯を襲撃する。御館様の唯一の穴を攻めましょう」
義信が唾を飲む音が聞こえ、「なるほどな」と腕を組んで唸った。
「隠し湯の場所を知る人間は少ない。場所を隠すため、警備も厳重にはできません。そこを少数精鋭の部隊で襲撃します」
「少数精鋭か」
「はい。私の赤備えに勝る精鋭部隊はいないでしょう」
「機とはいつだ」
「次の合戦です。今から支度をしたところで、容易に露見しましょう。合戦の準備であれば怪しまれることはないでしょう」
「なるほど」
「そして、風の如く早さで、隠し湯を目指します。我らの早さについてこれる部隊などないでしょう。機を待つあいだは林の如く静かに、山のように動じず」
「風林火山か。皮肉だな」
「それしか方法はないでしょう。ただ一つ」
虎昌は一息ついた。
「ただ一つ。お願いがあります。義信様には、どっしりと居館に構えていて欲しいのです。戦場で戦うのは我らのような家臣の仕事。大将として後ろで構えていてほしいのです」
「虎昌。わしは自分だけが安全な所にいるなどやりたくない。やるならわしが先陣を切る」
「なりません。次の武田家の頭首は義信様になるのです。頭首となるのなら、自分の命の重みを考えてもらわねばなりません。どうかご承知ください」
虎昌は目で義信を征しようとした。背後に猛虎の幻影を見た義信は怯んだ。
「やむをえん。そうしよう」
「ありがとうございます」
虎昌は畳から刀を抜くと、ゆっくり鞘に納めた。金属の擦れる悲鳴のような音が、静寂の空間に響き、虎昌の耳で木霊した。
もう後には戻れない。
虎昌の指は震えている。
それが武者震いなのか恐怖なのか、虎昌自身でさえわからなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【時代小説】 黄昏夫婦
蔵屋
歴史・時代
江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。
そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。
秋田藩での仕事は勘定方である。
仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。
ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。
そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。
娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助
蔵屋
歴史・時代
わたしは、以前、甲斐国を観光旅行したことがある。
何故、甲斐国なのか?
それは、日本を象徴する富士山があるからだ。
さて、今回のわたしが小説の題材にした『甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助』はこの甲斐国で殆どの戦国乱世の時代を生き抜いた。そして越後の雄•上杉謙信との死闘は武田信玄、山本勘助にとっては人生そのものであったことだろう。
そんな彼らにわたしはスポットライトを当て読者の皆さんに彼らの素顔を知って頂く為に物語として執筆したものである。
なお、この小説の執筆に当たり『甲陽軍鑑』を参考にしていることを申し述べておく。
それでは、わたしが執筆した小説を最後までお楽しみ下さい。
読者の皆さんの人生において、お役に立てれば幸いです。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる