アストロノミー~超新星と呼ばれた十三星座~

リオン・アルバーン

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Ø等星・再会

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桜の木を眺めながら、校門を潜る黒髪の学生。

「やっぱり凄いな、星河一天学園」

俺は今日からこの学園に通う高校生、蛇好愛救じゃこうあすく
ここは、優秀な人材を輩出しているエリート校。

偏差値は能力さえあれば低く、誰だって入れる。
例え能力がなくとも入れるが、偏差値はぐんと上がる。

俺は能力を持っているが全然駄目で、その分沢山勉強して合格した。

あの日の約束を果たす為に、絶対に医者になってみせる!!

桜の花弁が風で舞い上がる。
その時、雪を欺くような白髪の女の子が歩いていた。

まさかと思いつつ、その子に駆け寄る。

「あの、もしかして──」

俺が声を掛けると振り返るその子は、笑顔で俺に言った。

「久しぶりだね、愛救君」

「未央ちゃん、どうしてここに...」

彼女は俺が中学生の時にお隣に引っ越してきた、雪星未央。
幼い時から体が弱く、学校にも行けず友達もいなかった。
俺はそんな彼女が気になり、家に帰る前はいつも顔を出して学校の話を沢山したり勉強も教えた。

「私もここに通うんだよ」

「驚いたな、体は大丈夫?」

「今は薬飲んで何とかなってるから大丈夫だよ」

それはよかったと一安心する。
俺一つ気になり、聞いてみた。

「未央ちゃんはどっちの入試を──」

「そうだ!愛救君、学校探検しよう」

「えっ、構わないけど」

彼女は嬉しそうに俺の手を握り、校内に入る。


──────


中に入って辺りを見渡すと、埃一つ落ちておらずピカピカだった。
俺が産まれる前からあるのに、どこも劣化していなかった。

「広すぎて迷子になりそうだな」

「凄い、学校ってこんなに広いんだね」

子供のようにはしゃぎ、廊下をスキップする未央。
気を付けないと転ぶよと愛救が言った瞬間。
目の前にいた人に気付かずぶつかって倒れる彼女。

「いってぇな、どこ見て歩いてんだてめぇ!!」

狼男のグレーのリーゼント頭が揺れる。

「ごっ、ごめんなさい」

涙目で謝り、立とうとするが腰が抜けて立てなかった未央。

「ごめんで済むと思っているのか!?」

狼男は爪を出していた。
俺は慌てて彼女の間に入る。

「彼女はちゃんと謝罪しました、手を出すのは違うと思います。」

「愛救君...」

「ヒーローぶりやがって、女に手を出さない代わりに俺と来い」

円形劇場アンフィテアトルムで勝負しようぜと言い、俺の首根っこを掴み引きずる。

「愛救君!!」

「大丈夫だよ、すぐ戻るから」

不安そうな彼女に笑顔で手を振るが、本当は俺も不安だった。
この狼男に何をされるか分からない、仲間がいてリンチされるかもしれないからだ。
でも後悔はしない、人を救う医者になる為。

「あの、円形劇場って何ですか?」

「あ゛、知らねーのかよ。この学園じゃ有名なんだぜ、能力自慢の為に作られた闘技場があるんだ。」

そこでお前をボコボコにすると笑って言う狼男。
気付けば大きな門が目の前にあり、タッチパネルが出てきた。

「おい、自分の星を書きやがれ」

「うっ、分かった」


俺をタッチパネルの前に出し急かす。
自分の星を書くと、認識しましたと機械の声が流れる。

「次は俺だな」

狼男は俺の後ろから手を伸ばし、星を書く。
また同じように声が流れた時、ゆっくりと門は開いた。

「開いた...!」

「まだ闘技場に着いてねぇぞ」

再び俺の首根っこを掴み、闘技場内に連れて行く。
中は何もなく、戦うにはもってこいの場所だ。
狼男は俺をその場に投げ捨て、受け身もできずに地面に叩きつけられた。

「うぅっ!!」

「立てよ、もう勝負は始まってんだぜ」

狼男は爪を立て、俺に近付く。
俺が立ち上がり、後ろを振り返ると。

「おらぁ!!」

「っっ、うあああああっ!!」

気付いた時には狼男が鋭い爪を振り下ろし、俺は咄嗟に腕を前に出し攻撃を受けた。
その瞬間、左腕に激しい痛みが走り、その場に倒れた。

「い゛、痛いっ」

ドクドクと血が流れ、手が真っ赤になっていた。俺はそれを見て、体が震える。

死ぬかもしれない。何もできず、能力もちゃんと使えないで。約束も守れないまま。

「じゃあな、ヒーローさんよ」

再び俺に爪を振り下ろす狼男。
俺は目をつぶって、死を覚悟した。

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