アストロノミー~星火燎原~

リオン・アルバーン

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10等星・悪魔VS半神半人

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しばらく歩いていると、鋭い鉄の音がした。
オリオンは足を止めて俺っちたちを見る。

「アグアたちはここに居ろ、羽白、空から見えるか?」

「任せとけ」

空からその先を見ると目を疑った。
傷だらけでも戦う参加者たち、そしてその参加者たちをレイピアで切り倒す男。
その男は俺っちを見た、そいつの表情にゾッとした。まだ戦い足りないとでも言いたそうな顔をしていた。
一度降りて、オリオンに別の道に行くことを進めようとした。

「オリオン、この先にヤバい奴がいる、遠回りをした方がいいぞ」

「何人やられた」

「はっ、何で」

「血の匂いがする、それにこの気配は...ルシファー・・・・・だ」

「やっぱり離れるべきじゃなかったな」

ブランディは溜息をついて先を歩く、アグアはいつものことでしょと言い着いて行く。

「どうする、俺っちたちは別ルートに行った方がいいんじゃねぇか」

「そうしたいが、行先が一緒だからな」

オリオンはここに居ろ、様子を見てくると言って、ブランディたちの後を追った。
だから俺っちたちから離れるなよ!と言いながら急いで追いかけた。

「ルシファーって悪魔王子の異名を持つんだろ」

「元々は天使だったが、神に叛逆して堕天使になったって聞いたぞ!」

「その話は昔で諸説がある、だが今のルシファーはまだ未熟だ」

他者を殺して力を蓄えているのだろうと言うオリオン。
それを聞いてさっきの光景を思い出す、彼奴等はルシファーの力になってしまったのだろう。
オリオンが突然の爆弾発言をする。

「もしこの中でルシファーに狙われるとしたら英理空だな」

「俺なのかっ!?」

「おいおいおい、何で英理空が狙われるんだよ!」

「彼奴は力を求めてる、その為に強力な力を持つ者を狙う」

特に半神半人が狙われやすいと言う、ちょっと待てそれだとオリオンもじゃねぇか。
お前、自分が半神半人だってこと忘れてるのか!?

「だとしたらお前もだろオリオン」

「私もそうだが、狙うならアテナの力だろうな」

戦いの女神の力を持つお前を殺せば、手に入ると思っているだろうと言うオリオン。
英理空は少し体を震わすが、俺っちとオリオンを見ていった。

「俺はアテナの息子だ、でも、関係のない者たちを助けられるのなら狙われたって構わない!」

「英理空...そうなると、俺っちたちが頑張らねぇとな」

「ああ、私の友人を傷つけることなどさせはしない」

「羽白、オリオン、済まない!」

謝る暇があるなら先に進むぞと言うオリオン、こういいつつも英理空の事を心配して言ったんだろうな。
俺っちはそんなこいつ等をサポートしてやらねぇとなと思っていた。

「!...」

「オリオン、どうしたんだ」

「居たぞ、悪魔組」

「なっ!!」

俺っちたちが見たのは、動物ような姿が半分ありつつ人の姿をした悪魔の姿。
さっき俺っちと目を合わせた男だけ人の姿で、先程の悪魔のような顔はどこにもなかった。

「彼奴、さっき1人で周りの奴を倒してた!」

「オリオン、もしかして彼奴が...」

「ルシファーだ、相当の力を持っているようだな」

オリオンが言うと、俺っちが不安になるんだが...
人の姿をした男はこっちを見て叫ぶ。

「さっきからコソコソと話をしているのは誰だ!」

「バレてねぇか、これ」

「当たり前だ、お前の気配が相手から駄々漏れになっている」

「それを先に言えよ!?」

「とりあえず!話し合いで解決をしてみよう!」

英理空が向かおうと歩き出した時、オリオンが腕を引き地面に尻もちをつく。
その瞬間、オリオンは何かに吹き飛ばされ、悪魔たちの所に姿が晒される。

「オリオン!?」

「っっ」

悪魔の2人がオリオンに武器を振り下ろしたが、持っていた棒で防いだ。
武器を振り払い、棒で悪魔の足と鳩尾を突いて膝を着かせた。
オリオンの目の前にルシファーが現れ、レイピアを振り下ろす。

ガキィンッッ

オリオンが棒で防いだその瞬間___
周りの空気が一気に変わった、雷に打たれたように体がビリビリする。
鳥肌が立つくらい、やばいことが分かる。

「ほぉっ、中々やるな」

「私1人に対して、お前程の奴が相手をする必要があるのか?」

「ああ、お前の仲間を殺すのにな」

「っっ!」

俺っちと英理空がオリオンの元に行こうとした時、大男に首を掴まれた。
油断したっ!狙いは英理空こいつ、それでわざとオリオンに攻撃を仕掛けてこっちを殺そうと!
大男は無言で手の力を強める。

「このっ...ぐっ...」

「息が...」

「...」

オリオンが俺っちたちを呼ぶ、ルシファーはそれを狙って切りつける。
間一髪避けたが、オリオンの腹から血が垂れる。
ルシファーはレイピアに付いた血を舐めて、一瞬驚いた顔をしてオリオンを見て口角を上げる。

「半神半人か、ならお前から殺して後の奴等を始末する」

「...そうか、だったら」

ハンデをくれてやろうと言い、棒を俺っちたちの方に物凄い勢いで投げる。
それが大男の腹を貫き、木に刺さる。
力が弱まり、俺っちは急いで英理空を掴みそこから離れる。

「これでどうだ」

「なっ!!」

「セルベッサ!?」

悪魔の仲間が大男の元に向かう、オリオンはルシファーを睨み言った。

「仲間をこれ以上傷つけられるのが嫌なら、無駄な争いはするな」

「貴様ッ!」

「ここでお前を倒すことはできる、だが私はお前を相手にしている暇はない」

先を急いでいると言い歩き出す、それがルシファーの癪に障った。
ルシファーがオリオンの背中にレイピアを振り下ろす。

「貴様ごときにっ、指図される覚えはない!!」

「...」

ガキィンッ

さっき助けた女が、ルシファーのレイピアを受け止めていた。
驚いてレイピアを下ろし女を怒鳴る。

「何故止めるっ、アスカル!」

「私を助けて下さった方を殺さないで下さい、ギリアム様」

「ギリアム?」

オリオンはルシファーを見て、少し考えた後、驚いた顔をする。

「そうか、ギリアムだったか!」

「気安く呼ぶな、俺はお前を知らん」

「昔、ケルベロスに襲われそうだった悪魔王子」

「何故それを知っている!!」

顔を赤くして言うギリアム、仲間の悪魔がギリアム様を気安く呼ぶんじゃない!と言う。
俺っちと英理空は知り合いなのかと聞けば、オリオンは平然と答えた。

「こいつ、悪魔界で最初に仲良くなった私の友人だ」

「「...嘘だろ!?」」

「いや待て、オリオンは確か男だった」

「...私は女だ」

その言葉に石のように固まるギリアム、オリオンは溜息をつきあの格好だったからなと言う。
オリオン、それよりお前も気付かなかったんかいとツッコむ。

「そうだな、昔よりかは男前になったんじゃないか?」

「貴様っ、よくも俺を騙したな!」

「いや、オリオンは騙してないぞ、間違えたそっちがわりぃ」

「まあまあ、とりあえず、知り合いってわかってよかったじゃないか」

ブランディは間に入って言う、オリオンに耳打ちで止めてやれなくて済まないと謝る。
お前が止められる力がないのは分かっている、仕方がないと言う。

「オリオン、また怪我したな」

「そうだな、大したことじゃないから安心しろ」

「安心できるかぁ!!」

俺っちの声が意外と響いた瞬間だった。
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