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9等星・悪魔と出会って
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あれから変な生物は出なくなった、だけど油断はできない。
途中で他の奴等に邪魔される可能性もある、しかもさっきのあのガキの言う通り
誰もがライバルを1人でも減らしたいと思っている。
「オリオン、俺っちたちをちゃんと頼れよ」
「ああ、分かっている」
「いいか、俺っちたちはダチなんだぞ」
少しは自分を大事にしろって言った途端、オリオンは走り出した。
なんで人が話してる時に!っと思ってその先を見ると、女が怪物に襲われていた。
犬の頭が3つ、あれは地獄の番犬・ケルベロスだ、オリオンは女の前に立ち、睨みつけていた。
「グルルルッ」
「...」
「グルル...キュウッ」
ケルベロスがキャンキャン!と怯えて逃げて行った、オリオンはただ睨んでいただけなのに...
女は涙目でオリオンを見ていた。
「大丈夫か?」
「はっ、はい、ありがとうございます」
「オリオン、お前、あのケルベロスを睨むだけで追い払うって何したんだよ」
「私にもよくわからん、昔から動物に怖がられる」
女を見ると、目の色は反転して頭にはユニコーンのような角が1本生えていた。
オリオンは溜息をつき、しゃがんで言った。
「悪魔がどうして地獄の番犬に襲われるんだ」
「確かに、こんな所に地獄の番犬がって...悪魔ッッ!?」
「悪魔ってあの!」
俺っちと英理空が驚いていると、女もなんで分かったんですか!?と聞く。
オリオンは女の手首を掴む、手の甲には何やら魔法円がが描かれていた。
「これは悪魔を召喚するための魔法円だ、普段は手袋で隠していただろ」
片方だけしか手袋をしていないと言うオリオン。
一瞬でこの女が悪魔だって当てた、流石すぎる。
さりげなく魔法円が描かれていた手に包帯を巻く。
「今持ち合わせがこれしかないが、許してくれ」
「あの、私なんかに使ってはもったいないです」
「大したことじゃない、それにお前は手袋をしていない事がバレてはまずいだろ」
「!!」
キュッとリボンにして結び、立ち上がる。
女はありがとうございますと言い立とうとした、しかしふらつきオリオンが支える。
「ごめんなさい、足に力が入らなくて」
「...少し我慢しろ」
オリオンは女を姫抱きした、それに驚き小さく悲鳴を出す。
その拍子に首にしがみつく。
「あのっ、重くないですか?」
「いや、軽いくらいだ」
「お前は漫画のイケメンか!」
それにツッコむと、先を急ごうと言い歩き出すオリオン。
俺っちたちは少し不安になりながら着いて行った。
いつの間にか女は眠っていた、警戒心の無さに本当に悪魔なのかと疑う。
少し歩くと遺跡のような所に着く、あちらこちらに柱などが朽ちて崩れていた。
足元には石ころが転がって、時々蹴とばしてしまう。
英理空は落ち着きがなく、左右を見てそわそわしていた。
「英理空、少しは落ち着けよ」
「だってさっきから変な視線がするんだ!」
「視線?」
「なんか睨まれて痛いんだ!」
「英理空の言う通りだ、さっきからこちらに敵意をむき出しにしている」
俺っちはその視線や敵意は全く感じられなかった、半神半人の2人には感じるらしい。
オリオンは目の前の岩場を見る、誰も立っていないはずだった。
突然、蜃気楼のように人が現れた始めた。
「どういうことだ!?」
「恐らく悪魔の能力だ、幻影を見せる能力だろう」
そこの女がそうだろと言うと、嬉しそうに笑う女。
こいつ等も悪魔かよ、少し身構えていると女の姿が人魚になり、オリオンの目の前に来る。
「うふふっ、私の能力を見破るなんて素敵」
「それはどうも」
「アグア、話は後にしろ」
「ブランディ、久々に女の子と話すのを邪魔しないで頂戴」
私の可愛い後輩を助けてくれてありがとうと言い、両手を前に出すアグアと呼ばれる女。
オリオンは抱えていた女を渡し、アグアは仲間の元に戻って行った。
「あら、手袋が取れてる」
「またロンたちに怒られるな」
俺の予備を付けておいてやれと言い、腰のポーチから手袋を取り出してアグアに渡す。
ブランディと呼ばれる男は俺っちたちの前に来て、頭を掻きながら言った。
「うちの後輩が迷惑をかけた、俺は悪魔学園の4年生・ブランディだ」
「私も同じ4年生のアグア・カリエンテ、よろしくね」
「星河一天学園の1年・オリオン、よろしく」
「1年の烏野羽白っす」
「同じく星河一天学園の1年・五角英理空だ!よろしくお願いします!」
あら、1年生だったのねと言うアグア、ブランディも意外と礼儀正しくて驚いたと言う。
悪魔学園の後輩ってそんなにヤバい奴等しかいないのか...
「私たち、仲間とはぐれちゃって、ブランディったら方向音痴なのに」
「おい、アグアが右と言ったから曲がって迷ったのだろう」
「確かに、ここは同じ風景しか続かない場所だしな!」
「...おそらく、この先の遺跡に出口があるはずだ」
本当か!と驚くブランディ、この辺りは別の意味で違和感があると言うオリオン。
言われてみれば、この辺りは不思議と力がみなぎるというか、軽くなる。
「行先は全員一緒だ、だったら手を貸し合った方がいいだろう」
「そうだな、俺たちだけでは流石に行けるはずもない」
「ましてや怪我人が居るからなおさらだ」
オリオンは言われなくとも、人助けはするつもりだと返した。
こいつ等は悪魔だけどなと思いながら、関わっちまった以上は仕方ねぇ。
「恩に着る、オリオン」
「でも私たちが裏切るって想像はしないの?」
「ああ、だとしても普通の事だから気にするな」
「お前の基準の普通ってなんだ!?」
とりあえず、危ないと思ったらすぐに逃げろと真顔で言うオリオン。
もしもーし、俺っちのツッコミ聞いてたのか!?
悪魔の人達もびっくりしてるぞ、どうすんだよ!
「君たち、疑うことってしないか」
「疑って何になる、時間の無駄だ」
私が先頭に立つ、羽白と英理空は後ろをと言うオリオン。
こいつの考えはよくわからない、ただ1つ分かるのは、人を疑わない事。
俺っちの時や英理空の時ですら疑うなんてしなかった...
神が嫌いで平等って言うわけでもねぇけど、それでもこいつなりの人の信じ方だと思う。
アブねぇ奴に引っ掛からないように、俺っちが見てやらねぇとな!
途中で他の奴等に邪魔される可能性もある、しかもさっきのあのガキの言う通り
誰もがライバルを1人でも減らしたいと思っている。
「オリオン、俺っちたちをちゃんと頼れよ」
「ああ、分かっている」
「いいか、俺っちたちはダチなんだぞ」
少しは自分を大事にしろって言った途端、オリオンは走り出した。
なんで人が話してる時に!っと思ってその先を見ると、女が怪物に襲われていた。
犬の頭が3つ、あれは地獄の番犬・ケルベロスだ、オリオンは女の前に立ち、睨みつけていた。
「グルルルッ」
「...」
「グルル...キュウッ」
ケルベロスがキャンキャン!と怯えて逃げて行った、オリオンはただ睨んでいただけなのに...
女は涙目でオリオンを見ていた。
「大丈夫か?」
「はっ、はい、ありがとうございます」
「オリオン、お前、あのケルベロスを睨むだけで追い払うって何したんだよ」
「私にもよくわからん、昔から動物に怖がられる」
女を見ると、目の色は反転して頭にはユニコーンのような角が1本生えていた。
オリオンは溜息をつき、しゃがんで言った。
「悪魔がどうして地獄の番犬に襲われるんだ」
「確かに、こんな所に地獄の番犬がって...悪魔ッッ!?」
「悪魔ってあの!」
俺っちと英理空が驚いていると、女もなんで分かったんですか!?と聞く。
オリオンは女の手首を掴む、手の甲には何やら魔法円がが描かれていた。
「これは悪魔を召喚するための魔法円だ、普段は手袋で隠していただろ」
片方だけしか手袋をしていないと言うオリオン。
一瞬でこの女が悪魔だって当てた、流石すぎる。
さりげなく魔法円が描かれていた手に包帯を巻く。
「今持ち合わせがこれしかないが、許してくれ」
「あの、私なんかに使ってはもったいないです」
「大したことじゃない、それにお前は手袋をしていない事がバレてはまずいだろ」
「!!」
キュッとリボンにして結び、立ち上がる。
女はありがとうございますと言い立とうとした、しかしふらつきオリオンが支える。
「ごめんなさい、足に力が入らなくて」
「...少し我慢しろ」
オリオンは女を姫抱きした、それに驚き小さく悲鳴を出す。
その拍子に首にしがみつく。
「あのっ、重くないですか?」
「いや、軽いくらいだ」
「お前は漫画のイケメンか!」
それにツッコむと、先を急ごうと言い歩き出すオリオン。
俺っちたちは少し不安になりながら着いて行った。
いつの間にか女は眠っていた、警戒心の無さに本当に悪魔なのかと疑う。
少し歩くと遺跡のような所に着く、あちらこちらに柱などが朽ちて崩れていた。
足元には石ころが転がって、時々蹴とばしてしまう。
英理空は落ち着きがなく、左右を見てそわそわしていた。
「英理空、少しは落ち着けよ」
「だってさっきから変な視線がするんだ!」
「視線?」
「なんか睨まれて痛いんだ!」
「英理空の言う通りだ、さっきからこちらに敵意をむき出しにしている」
俺っちはその視線や敵意は全く感じられなかった、半神半人の2人には感じるらしい。
オリオンは目の前の岩場を見る、誰も立っていないはずだった。
突然、蜃気楼のように人が現れた始めた。
「どういうことだ!?」
「恐らく悪魔の能力だ、幻影を見せる能力だろう」
そこの女がそうだろと言うと、嬉しそうに笑う女。
こいつ等も悪魔かよ、少し身構えていると女の姿が人魚になり、オリオンの目の前に来る。
「うふふっ、私の能力を見破るなんて素敵」
「それはどうも」
「アグア、話は後にしろ」
「ブランディ、久々に女の子と話すのを邪魔しないで頂戴」
私の可愛い後輩を助けてくれてありがとうと言い、両手を前に出すアグアと呼ばれる女。
オリオンは抱えていた女を渡し、アグアは仲間の元に戻って行った。
「あら、手袋が取れてる」
「またロンたちに怒られるな」
俺の予備を付けておいてやれと言い、腰のポーチから手袋を取り出してアグアに渡す。
ブランディと呼ばれる男は俺っちたちの前に来て、頭を掻きながら言った。
「うちの後輩が迷惑をかけた、俺は悪魔学園の4年生・ブランディだ」
「私も同じ4年生のアグア・カリエンテ、よろしくね」
「星河一天学園の1年・オリオン、よろしく」
「1年の烏野羽白っす」
「同じく星河一天学園の1年・五角英理空だ!よろしくお願いします!」
あら、1年生だったのねと言うアグア、ブランディも意外と礼儀正しくて驚いたと言う。
悪魔学園の後輩ってそんなにヤバい奴等しかいないのか...
「私たち、仲間とはぐれちゃって、ブランディったら方向音痴なのに」
「おい、アグアが右と言ったから曲がって迷ったのだろう」
「確かに、ここは同じ風景しか続かない場所だしな!」
「...おそらく、この先の遺跡に出口があるはずだ」
本当か!と驚くブランディ、この辺りは別の意味で違和感があると言うオリオン。
言われてみれば、この辺りは不思議と力がみなぎるというか、軽くなる。
「行先は全員一緒だ、だったら手を貸し合った方がいいだろう」
「そうだな、俺たちだけでは流石に行けるはずもない」
「ましてや怪我人が居るからなおさらだ」
オリオンは言われなくとも、人助けはするつもりだと返した。
こいつ等は悪魔だけどなと思いながら、関わっちまった以上は仕方ねぇ。
「恩に着る、オリオン」
「でも私たちが裏切るって想像はしないの?」
「ああ、だとしても普通の事だから気にするな」
「お前の基準の普通ってなんだ!?」
とりあえず、危ないと思ったらすぐに逃げろと真顔で言うオリオン。
もしもーし、俺っちのツッコミ聞いてたのか!?
悪魔の人達もびっくりしてるぞ、どうすんだよ!
「君たち、疑うことってしないか」
「疑って何になる、時間の無駄だ」
私が先頭に立つ、羽白と英理空は後ろをと言うオリオン。
こいつの考えはよくわからない、ただ1つ分かるのは、人を疑わない事。
俺っちの時や英理空の時ですら疑うなんてしなかった...
神が嫌いで平等って言うわけでもねぇけど、それでもこいつなりの人の信じ方だと思う。
アブねぇ奴に引っ掛からないように、俺っちが見てやらねぇとな!
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