アストロノミー~星火燎原~

リオン・アルバーン

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8等星・行先不明

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地に足を着けて、オリオンを抱えると気を失っていた。
どんな奴と戦ってこんな怪我負ったのか分からねぇ...
今は先に進んでこいつがこれ以上無理しないように、英理空と俺っちで何とかしてやんねぇと!

「アキレウス、オリオンを助けてくれてさんきゅ」

「ああ、それじゃあ俺は行くぜ」

オリオンには無理すんなって言っとけと歩きながらいい、その場を去るアキレウス。
正直、彼奴が居なければオリオンがどうなっていたかと想像はしたくないな。
英理空の元に行くと、驚いた表情をしていた。

「オリオン!すまない、俺が...」

「謝るくらいなら次に行くぞ、俺っちたちがしっかりしねぇと」

「そうだな、行こう!」

いざっ、第2の難関へと言い歩いていけば、第1をクリアした奴らが集まっていた。
何かと思っていると、看板が書いてあり、前に行き読む。

「このドア、1度開閉すると行先が変わるから注意だと」

「むむっ、どうする?」

「デルポイに向かえば第3の試練に辿り着くだってよ」

「よしっ!先頭に行ってみよう!」

俺っちたちが先頭に来たら、他の奴は我先に行こうとはしなかった。
なんだよ、こいつ等ビビってんのかよ。

「行くぞ、英理空」

「おうっ!」

俺っちはドアを開けると、周りには茨があちこち生き物のように蠢いていた。
正直想定外すぎる、1度閉じれば場所は変わるし、オリオンが安全な場所を通ることができる。
どうするか考えていると、俺っちたちより小さい奴が怒鳴った。

「なんだよ、早く行って脱落しろよ」

「んだと!!」

やめろアーサー、全くお前は相変わらず礼儀がなっていない!と言う男。
僕だけじゃなくて他の奴もそう思ってるさと、両手を頭に置いて笑っていう。
こんのガキっ、マジでムカつくと睨みつけていると腕の中でモゾモゾと動く人物。

「うるさいぞ貴様ら、そこで突っ立てるくせに偉そうに言うな」

「オリオン!」

先程まで気を失っていたはずのオリオンが、俺っちの腕を叩き下ろせと言う。
流石に足を怪我してるから下ろせなかった。

「全く、大体そこでうじうじしてヤジを飛ばす暇があるのなら譲ってやってもいいぞ」

しかし折角の第2の難関の入り口だと言い、俺っちの腕から下りて英理空と俺っちの腕を掴む。
何か嫌な予感と思いつつ、オリオンを見る。

「譲ってくれて感謝する、だが油断していると、私たちに負ける・・・ぞ」

そう言って不敵な笑みを浮かべて俺っちたちをドアの方へ引っ張る。
ドアを潜ると突然、閉まり消える。

「おっまえ、わざと煽っただろ」

「さぁな、それより先に急ぐぞ」

「オリオン!怪我は大丈夫なのか!」

「大したことはない、お前は平気か」

突然穴ができて目を回してしまった!と言う英理空に、無事でよかったと言うオリオン。
俺っちはオリオンを抱えようとしたが、断られてしまった。

「ここは悪魔界に似たところがあるな、油断せずに気を引き締めろ」

「おいおい、その口ぶりじゃ行ったことあるのか」

オリオンは少し考えてから、何度かと答えた。
だよな~、今更だけどもう驚かねぇ。

「危険な植物を実際に見たくて来たことはある」

「お前、その好奇心をどうにか抑えられねぇか?」

「調べないと気が済まないタチでな」

好奇心は災いの元と聞いたことがあるが、もしかしたらこいつがその厄を引き寄せたりしてなと考えていると
足に何かが絡まり、勢いよく引っ張られて宙ぶらりんになる。

「うおっ、なんだよこれ!」

「ああ、食人茨だ」

そっか~、食人茨かと言ってから、能力を使って茨を切り刻んで着地する。
すぐさまオリオンの元に行き、両肩を掴み揺さぶる。

「頼むから先に言ってくれ...このままだと俺っちたち第2の難関で死ぬぞ!?」

「わかった」

見ろっ、英理空なんて今にも襲われそうだぞと指差して言えば
オリオンは冷静に、笑茨わらいばらだと平然と言う。
英理空、今助けるぞといい、すぐに救出した。

「あの植物ずっと笑っていたぞ!」

「お前ははしゃぐな!」

俺っちはオリオンを抱えて、英理空を引きずって歩き出した。
もう怖いわ、冷静過ぎる奴と明るい馬鹿が居て!

「羽白」

「なんだ?」

「1つ言い忘れたが、悪魔界には大量の魔物もいたな」

周りからシュルルッと何か威嚇するような声?が聞こえてくる。
ゆっくり振り返ると、木々に翼を生やした蛇が舌をチラつかせていた。
オリオンがとにかく走れと言い、俺っちから下りて、木の棒を拾う。

「シャーっ!」

その生物は俺っちたちに向かって飛んでくる。
オリオンは木の棒で叩き落とし、俺っちは羽を飛ばして、英理空は能力を使い尻尾で落とす。

「多過ぎだろっ、埒が明かねぇ」

「このままだと他の魔物が来るかもしれないな」

先を急ぐぞと言った時、俺っちの首に蛇が乗ってきたがオリオンがすぐに払い落としてくれた。
オリオンは懐から白い球を投げると、地面で割れて白煙が周囲を覆う。
その隙に、俺っちたちは走って逃げた。

森を抜けたところで息を整える、英理空は地面に突っ伏していた。
オリオンは息切れなし、後ろを確認して木の棒を捨てて腰から水色の棒を出す。

「はぁっはぁっ、おい、オリオン」

「少し休んでいろ、また来るかもしれない」

「...おう、その棒はどうしたんだ」

「ああ、これか」

参加者は能力だけでなく、武器の持ち込みも良いとされていると言われた。
俺っち、それに関しては初めて聞いたと言えば、まぁ基本は能力を使う奴が多いから、武器を持ち込む奴は数少ないといった。

「確かにそうだけどよぉ、俺っちたちに聞かないか?」

「武器を使ったことはあるか」

ないけどと目を逸らして言うと、尚更武器を持ってこなくて正解だと言われた。
理由を聞けば、オリオンは使い慣れてもいない物を持ってきても、怪我をするだけだと答えた。

「確かにそうだけどよぉ、お前ばっかりに任せられねぇだろ」

「平気だ、お前等を傷つけられるのが嫌だ」

こいつ、本当に人の心配ばかり...
俺っちたちは足手まといじゃねぇかって不安になっちまう。

「そろそろ行こう、動けるか?」

「行けるぜ」

「俺も行ける!」

突っ伏していた英理空は体を起こして言った、オリオンは前を歩き、俺っちは隣、英理空は後ろ側に歩く。

第2の試練・デルポイへ向かえ
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