アストロノミー~星火燎原~

リオン・アルバーン

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22等星・トーナメントと待女の恋バナ

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オリオンが向かった先には古代劇場があった。
周りには参加者たちが集まって話し合っていた。
その中央には紙とペン、そして謎の箱が置かれていた。

「なんだありゃ」

「箱?」

「あれは恐らく…」

「トーナメント表を作るのよ」

オリオンを後ろから抱き締める女…いや、確か男だった。
パーティーの時に今と同じことをしていた___

「アルテミス!」

「正解っ!覚えていてくれたのね」

「忘れてたらぶっ叩かれそうだったからな」

あら、ありがとう、忘れていたらそうするつもりだったわとニッコリして言うアルテミス。
やっぱり神はやべぇ奴ばっかりだなと思った、その横でオリオンは聞いた。

「トーナメント表って何のことだ?」

「それはね!」

「やっぱりオリオンと居たな、アルテミス」

月桂冠を頭に付けた赤とオレンジのグラデーションヘアの男。
その隣にアルテミスにそっくりな青とオレンジのグラデーションヘアの女が立っていた。

「オリオン、久し振り」

「久し振りだな、エオス、アポロン」

女の方はエオスと呼ばれ、オリオンに近付き抱き締めた。
その後ろで姉さん何やってんだ!と怒る男。

「アポロンが怒るから離れろ」

「いいじゃない…ねぇ、いつになったら私の元に居てくれるの?」

エオスはオリオンの顔を手で優しく包んで聞く。
その手を掴んでオリオンは答えた。

「お前の所には行けない」

「どうして?私に不満があるの?」

アポロンが無理矢理2人を引き剥がす。
オリオンは助かったと言うと、お前の為じゃないと指差して返すアポロン。

「もう、エオスお姉ちゃんが居ると説明できないわ!」

あっちで説明してあげると言ってオリオンを抱えて行くアルテミス。
俺っちが勝手に連れて行くな!と言って、英理空と共に追いかける。
その後ろでエオスは私のオリオンを...とブツブツ言っていた。
アポロンは全くと言って溜息をついた。

_______

アルテミスが箱の前に行くと、待女が紙とペンを渡してきた。
オリオンとアルテミスはそれを受け取る。

「ここにチーム名、それと自分たちの名前を書くの」

「何人まで書けるんだ?」

「3人よ!エオス、アポロン、そして私」

オリオンはもう決まったの?と言うアルテミス。
ああ、もう決まっていると返すと、後ろから羽白と英理空が来て、オリオンは2人を見て言った。

「烏野羽白、五角英理空、そして私のチームだ」

「はっ?チーム?」

「何の話だ?」

オリオンが説明をしているのを横で見るアルテミス。
前より明るくなったね、安心したわと心の中で思い微笑む。

「アルテミス、これはどうするんだ」

「終わったのね、一緒に箱に入れましょ!」

そう言って手を握ろうとするアルテミス、それより先オリオンの手を掴む羽白と英理空。
アルテミスがそれを見て驚く顔をする、オリオンは不思議に思い聞いた。

「羽白、英理空、どうした?」

「わりぃ、ちょっと手が寒くてな」

「俺はオリオンの手が冷たそうだから握った!」

そうか、丁度手が冷えていたから助かると言い握り返す。
羽白はアルテミスを見て聞いた。

「それで箱ってどこにあるんだ」

「あら、私はオリオンと行きたいんだけど」

ちょっと空気読めよお前等って思いながら睨むアルテミス。
お前こそいい加減にしろと思い睨む羽白。
それを余所にオリオンは英理空と話していた。

「な~に、睨み合ってんだよ烏君と女神君」

声のする方を見ると、俺っちの嫌いな彼奴が立っていた。
その横には木綿先輩たちが居た。

「河童野郎!」

「あら、妖夜行学園の」

「お前等なぁ、早く紙を出しに行けよ」

木綿、オリオンと一緒に行けるか?と言う河童野郎。
勝手に行くなと俺っちが言えば、良いじゃねぇかと笑う。

「お前等、そこに立つと邪魔だ」

声のする方を見ると、河童野郎と嫌な雰囲気になっていた。

「悪魔王子!」

「あら、悪魔学園の」

「おっ、悪魔君じゃん」

「俺の名前は悪魔ではない」

ギリアムだと名乗る悪魔王子、女の方はオリオンに近付く。
な~んでこんなにライバルが集まるんだよとツッコんだ。

「オリオンは私のよ」

「神様って本当に自己中だな」

「俺はオリオンと話がある、邪魔するな」

目の前でバチバチしている、当の本人はと言うと、隣で他の奴等と話していた。
するとオリオンは俺っちと英理空の手を離して紙を出しに行った。

「ありがとうございます。星座チームのオリオン様、烏野羽白様、五角英理空様ですね」

「ああ」

「トーナメント表が発表されるのは1週間後ですので、こちらの宿でお体をお休め下さい」

待女はオリオンに地図を渡す、それを受け取り戻ってくる。
そして、俺っちたちを見て一言___

「お前等、何してるんだ?」

「「今気付く!?」」

オリオンは済まない、他の奴等と話をしていてと返す。
もうオリオンったら~と言い抱き着こうとするアルテミスを躱す。

「それじゃあ、宿に行くぞ」

「なんで避けるの!」

「疲れているんだろ、少し休め」

お前等もと言い、オリオンは俺っちたちに行くぞと言い歩いて行った。
だから先に行くんじゃねぇ!と叫び追いかけた。
そして残された河太郎たち。

「もう、オリオンにはお見通しなのね」

「流石オイラの花嫁」

「私の婚約者よ」

バチバチと火花を散らしている2人を見てギリアムが溜息をついて言った。

「お前たちはオリオンの言っている意味が分からなかったのか?」

「あら、私を心配してくれんじゃなくて」

「そうではない、トーナメント表が発表されるのは1週間後だ」

この期間で楽しく話し合うなんてことするわけないだろと言うギリアム。
アルテミスはそういうことねと肩を落として言った。
まぁ、オリンピアに参加した時点でそうだろと腕を組んで言った河太郎。

「そんじゃオイラたちも宿に行くか」

トーナメントで当たっても恨みっこなしだぜと言い手を振って、木綿達と宿に向かった。
ギリアムはお前等と戦うことになっても俺には関係ないと言い、アスカルと行ってしまった。
アルテミスが1人になり、ポツリと呟いた。

「今回は面倒な奴等ばっかりだな…絶対にオリオンは誰にも渡さない」

低い声で言い、アポロンたちの元に向かうアルテミス。
それを見て聞いていた待女たちは紙を持って何かを書いていた。

「やっぱりアルテミス様よね」

「私は妖夜行学園の九千坊様が良いと思う」

私はギリアム様が良いと思うというメカクレの待女。
その隣の眼鏡の待女は確実に英理空様よという、アキレウス様を忘れては困るわと言い合う先輩の待女たち。
それに何の話し合いですかと聞く新人の待女、貴女は初めてだものねと言い説明し始めた。

「参加者の中で誰がオリオン様と結ばれるか」

「あのオリオン様のですか」

「新人ちゃんは誰だと思う?」

「わっ、私ですか!」

そう言われてもすぐに浮かばないと思っていると、ある人物を思い出した。
度々オリオン様と一緒に居るあの烏さん。

「さっきオリオン様と一緒に居た烏様」

「あ~っ、烏野羽白様ね、理由は?」

「えっと、いつもオリオン様の傍に居るから…」

新人ちゃん可愛い!と抱き着く先輩の待女。
早くゼウス様たちの所に行きますよと言う眼鏡の待女。
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