123 / 178
第二話 Q&A【事件編】
68
しおりを挟む
「どうやら、そっちのお盛んなワンちゃんのせいで、うちの犬も発情しちまったのかもしれねぇな」
銀山と取り巻き連中の乱闘。どちらが勝つのかなんて見るまでもなかった。そういった点では、坂田は銀山のことを信頼していた。
「おいおい、もうちょっと躾けておけよ。やり合うにしても作法ってもんがあるだろ? 作法ってもんが」
男2人を片手ずつで軽々と持ち上げる銀山。それをそのまま金髪の男のほうへと放り投げる。さすがの坂田でも真似できない、銀山の馬鹿力。あっという間に勝負はついてしまった。
「お前のところの犬は室内飼いなんだろうが、生憎とこいつは手のつけようがない野良犬でなぁ。油断すると飼い主の手まで噛もうとするんだ」
坂田の言葉に「そうそう、虎視眈々と狙ってんだ――って、俺を犬呼ばわりかよ!」と、面白くもなんともない返しをしてくる銀山。しかし、辺りが微妙な空気になったのが面白くて、坂田は笑いを堪えるので精一杯だった。
「さて、悪いが主導権はこっちが握らせてもらったぜ。どうする? こいつの馬鹿力で落とされるか、それとも素直に知っていることを吐くか……」
坂田が言い終わる前に、金髪の男が動いた。こちらが反応するよりも――なによりも、本人である銀山が動くよりも早く、金髪の男は銀山のほうへと向かい、そして、銀山の体をすり抜けた。本当にすり抜けたわけではないのだろう。ただ、坂田の目にはそう映ったのである。
「主導権は……どっちが握ったって?」
金髪の男が坂田に問うと同時に、銀山が片膝をついた。両腕の関節が外れてしまっているらしく、両腕が肩からだらりと垂れていた。
「お前、なにしやがった?」
銀山の言葉に、金髪の男は笑いながら飴玉をくわえる。スティックの先に飴玉がついているタイプのもの。確かロリポップといったか。
「どんなに強いやつでも、絶対に鍛えられない部分がある。それがどこか知ってるか? 関節だよ、関節。だから、そいつをちょっと外してやったのさ」
目にも止まらぬ速さで、銀山の関節を外したというのか。とても信じられたものではないが、しかし実際に銀山は一瞬で関節を外されてしまった。
「へぇ、面白い特技を持ってるなぁ。こいつは、お話し合いじゃ分かり合えそうにねぇか」
この男には聞きたいことが山ほどある。いいや、聞かねばならないことが多すぎる。もし、こいつらが事件に関与していたとしたら、それはそれで面倒なことになるだろう。なんにせよ、まずは相手の口を割らなければ話にならない。
銀山と取り巻き連中の乱闘。どちらが勝つのかなんて見るまでもなかった。そういった点では、坂田は銀山のことを信頼していた。
「おいおい、もうちょっと躾けておけよ。やり合うにしても作法ってもんがあるだろ? 作法ってもんが」
男2人を片手ずつで軽々と持ち上げる銀山。それをそのまま金髪の男のほうへと放り投げる。さすがの坂田でも真似できない、銀山の馬鹿力。あっという間に勝負はついてしまった。
「お前のところの犬は室内飼いなんだろうが、生憎とこいつは手のつけようがない野良犬でなぁ。油断すると飼い主の手まで噛もうとするんだ」
坂田の言葉に「そうそう、虎視眈々と狙ってんだ――って、俺を犬呼ばわりかよ!」と、面白くもなんともない返しをしてくる銀山。しかし、辺りが微妙な空気になったのが面白くて、坂田は笑いを堪えるので精一杯だった。
「さて、悪いが主導権はこっちが握らせてもらったぜ。どうする? こいつの馬鹿力で落とされるか、それとも素直に知っていることを吐くか……」
坂田が言い終わる前に、金髪の男が動いた。こちらが反応するよりも――なによりも、本人である銀山が動くよりも早く、金髪の男は銀山のほうへと向かい、そして、銀山の体をすり抜けた。本当にすり抜けたわけではないのだろう。ただ、坂田の目にはそう映ったのである。
「主導権は……どっちが握ったって?」
金髪の男が坂田に問うと同時に、銀山が片膝をついた。両腕の関節が外れてしまっているらしく、両腕が肩からだらりと垂れていた。
「お前、なにしやがった?」
銀山の言葉に、金髪の男は笑いながら飴玉をくわえる。スティックの先に飴玉がついているタイプのもの。確かロリポップといったか。
「どんなに強いやつでも、絶対に鍛えられない部分がある。それがどこか知ってるか? 関節だよ、関節。だから、そいつをちょっと外してやったのさ」
目にも止まらぬ速さで、銀山の関節を外したというのか。とても信じられたものではないが、しかし実際に銀山は一瞬で関節を外されてしまった。
「へぇ、面白い特技を持ってるなぁ。こいつは、お話し合いじゃ分かり合えそうにねぇか」
この男には聞きたいことが山ほどある。いいや、聞かねばならないことが多すぎる。もし、こいつらが事件に関与していたとしたら、それはそれで面倒なことになるだろう。なんにせよ、まずは相手の口を割らなければ話にならない。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【最新版】 日月神示
蔵屋
ミステリー
私は思想と言論の自由のもと、此処に岡本天明氏が最高級神霊の神憑りにあい神の意志により自動書記さされた日月神示の内容を編集し今回『【最新版】日月神示』として小説を執筆致しました。
この日月神示は第二次世界大戦中に自動書記されたものであるにも関らず今尚斬新なものであり、その多くは現代社会の通説、また、価値観と著しく異なるものだからです。
この日月神示を読み解いていきますと
次のようなことがわかったのです。
即ち『悪は滅び善は必ず栄えるのだ』と。
そして既に始まっている三千世界の大洗濯によりこの世の最後の審判でこの世の偽悪醜に満ちた世界を綺麗にする浄化作用により罪深き者は滅びる一方でひたすら善一筋で質素に生きた人は幸せな人生を歩んでいる、ということも分かったのです。
さて、最近日月神示の予言本に不安を抱いている方もあると思うがまったく心配いらない。
何故なら日月神示では「取り越し苦労や過ぎ越し苦労はするな!」
「今に生きよ!」
「善一筋で生きよ!」
「身魂磨きをせよ!」
「人間の正しい生き方」
「人間の正しい食生活」
「人間の正しい夫婦のあり方」
「身も心も神さまからお借りしているのじゃから夜になって寝る前に神さまに一旦お返しするのじゃ。そうしたら身と心をどのようにしたらよいか、分かるじゃろ!」
たったのこれだけを守れば良いということだ。
根拠のない書籍や情報源等に惑わされてはダメだ。
日月神示も出口王仁三郎もそのようなことは一切言っていない。
これらの書籍や情報源は「日月神示」が警告する「臣民を惑わすものが出てくるから気をつけよ!」
という言葉に注目して欲しい。
今回、私は読者の皆さんに間違った解釈をされている日月神示を分かりやすく解説していくことにしました。
どうか、最後までお読み下さい。
日月神示の予言については、私が執筆中の「神典日月神示の真実」をお読み下さい。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる