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宮垣という名の街【開始〜午後1時】
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水落は確信したかのごとく大きく頷いた。しかし、春日とて何の根拠もなくショルダーバックを実験に用いたわけではない。少なくとも、それなりの大きさと重さがある物質で動作を確認したほうがいいと考えたからだ。一方、水落が罠の動作確認に利用したのは、水が半分ほど入ったペットボトルだ。重さもなければ大きさもない。それで動作確認とするのは根拠が脆弱な気がした。
「待った。今ので罠が作動しないと考えるのは危険だ。もしかすると一定の重量があって始めて作動する罠なのかもしれないし、これだけで安全と決めつけるのはやめたほうがいい」
とにかく、罠が何をきっかけにして作動するのか確定していない以上、一度や二度の試験が成功したからといって、むやみに結果を迎合すべきではない。しかし、水落は春日の制止を聞かずに玄関へ向かって足を踏み出す。
「春日さん、気持ちは分かるけど、ありとあらゆる可能性を試していたらキリがない。それに、俺だって馬鹿じゃないから、それなりに根拠がある。ここが安全だっていう根拠がな。それは――」
水落が問題の場所……ちょうど春日のショルダーバックが焼かれた辺りまで歩みを進めた。思わず目をそらしてしまいそうになるが、ぐっと堪えて水落のことを直視した。
「ここにいた【トラッペ君】はもういないってことだ――」
何も起きなかった。問題の場所へと水落が足を踏み入れても、それこそ公民館の扉へと手をかけても、罠は作動しなかった。どうやら水落の推測が正しかったようだ。ただ、なんだかんだで緊張はしていたようで、水落は「あー、寿命が縮んだわ」と漏らし、糸が切れたかのようにへたり込んでしまった。
「さっきも言ったが、若さゆえの無謀な行動は控えたほうがいい」
安堵の溜め息と一緒に吐き出した春日の言葉に、しかし水落は苦笑いを浮かべた。
「だから、一応根拠があるってば。ここにあったはずの【トラッペ君】は、罠に巻き込まれて存在そのものを消したんだろ? これこそが、ここの罠は二度作動しないと思った根拠だよ」
水落の言葉を聞いて、春日はようやく合点がいった。ルールにおいて罠が仕掛けられている場所には【トラッペ君】が設置されることになっている。しかしながら、ここの【トラッペ君】は罠に巻き込まれる形で、その姿を完全に消してしまった。いいや、そもそも【トラッペ君】は罠に巻き込まれたのではなく、最初から罠の作動範囲の中にいたのだ。すなわち【トラッペ君】が燃えてしまったのは偶然ではなかったのだ。
「待った。今ので罠が作動しないと考えるのは危険だ。もしかすると一定の重量があって始めて作動する罠なのかもしれないし、これだけで安全と決めつけるのはやめたほうがいい」
とにかく、罠が何をきっかけにして作動するのか確定していない以上、一度や二度の試験が成功したからといって、むやみに結果を迎合すべきではない。しかし、水落は春日の制止を聞かずに玄関へ向かって足を踏み出す。
「春日さん、気持ちは分かるけど、ありとあらゆる可能性を試していたらキリがない。それに、俺だって馬鹿じゃないから、それなりに根拠がある。ここが安全だっていう根拠がな。それは――」
水落が問題の場所……ちょうど春日のショルダーバックが焼かれた辺りまで歩みを進めた。思わず目をそらしてしまいそうになるが、ぐっと堪えて水落のことを直視した。
「ここにいた【トラッペ君】はもういないってことだ――」
何も起きなかった。問題の場所へと水落が足を踏み入れても、それこそ公民館の扉へと手をかけても、罠は作動しなかった。どうやら水落の推測が正しかったようだ。ただ、なんだかんだで緊張はしていたようで、水落は「あー、寿命が縮んだわ」と漏らし、糸が切れたかのようにへたり込んでしまった。
「さっきも言ったが、若さゆえの無謀な行動は控えたほうがいい」
安堵の溜め息と一緒に吐き出した春日の言葉に、しかし水落は苦笑いを浮かべた。
「だから、一応根拠があるってば。ここにあったはずの【トラッペ君】は、罠に巻き込まれて存在そのものを消したんだろ? これこそが、ここの罠は二度作動しないと思った根拠だよ」
水落の言葉を聞いて、春日はようやく合点がいった。ルールにおいて罠が仕掛けられている場所には【トラッペ君】が設置されることになっている。しかしながら、ここの【トラッペ君】は罠に巻き込まれる形で、その姿を完全に消してしまった。いいや、そもそも【トラッペ君】は罠に巻き込まれたのではなく、最初から罠の作動範囲の中にいたのだ。すなわち【トラッペ君】が燃えてしまったのは偶然ではなかったのだ。
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