BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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宮垣という名の街【開始〜午後1時】

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「なんにせよ、これで拠点は確保だ。中に罠が仕掛けられていないといいんだけど」

 水落はそう言うと立ち上がろうとする。しかし、本人は強がっているだけで、罠の作動したポイントに飛び込むのは、相当に恐ろしかったらしい。腰から砕けるようにして、水落は改めてへたり込む。

「――時として、結果というものは偶然によってもたらされたりする。今回の場合は君の命が失われていたかもしれないから感心はできないが、一歩前進できたのも事実。良くも悪くも君がいなければ、私はこの場で立ち往生したままだっただろう」

 春日は恐る恐ると水落のそばに歩み寄ると、罠が作動しないことを確認しつつ水落に手を差し伸べた。かすかに笑みを浮かべつつ春日の手を握る水落。

「それって、褒められてるってことでいいよな? 遠回しにけなされたりしてない?」

 水落につられて春日も笑みを浮かべる。掴んだ水落の手を勢いよく引っ張り上げた。

「都合の良いように解釈してくれて構わない。ただ、私にとっては間違いなくプラスになったとだけ伝えておこう」

 春日の手を借りて立ち上がった水落は、なんとか立つことができた自分に安堵したのか、大きく溜め息を漏らしつつ「そりゃ結構なことで」と呟いた。

「さて、中に罠が仕掛けられているのかどうかは不明だが、早速調べてみよう」

 春日と水落の二人の姿が、玄関のガラスに映り込んでいる。この公民館が拠点として使えるようになれば、かなりゲームは楽になるはずだ――春日がガラス張りの扉に手をかけた時のことだった。

「――動くなっ!」

 ふと頭上から声がした。それにつられて見上げると、二階の窓――ちょうど玄関の真上にある窓から体を乗り出している人影が確認できた。迷彩柄の長袖に迷彩柄のヘルメット。そして、構えたライフル銃らしきものの銃口は、春日達のほうへと向けられていた。

「両手を挙げて、そのまま手は頭の上にっ!」

 二階の窓からライフル銃らしき物騒なものを構え、明らかに春日達に対して警戒心をむき出しにしている迷彩服。最初から公民館の中に潜んでいたらしい。

「やれやれ、一難去ってまた一難ってやつか」

 両手を挙げつつ呟き落とした水落の言葉に、同じく春日は両手を挙げつつ漏らした。

「心配いらない。このような行動を取る参加者が出るのは想定済みだよ。むしろ、なんの警戒もなく私に近寄って来た君のほうが想定外だったくらいだ」

 突如として突きつけられた銃口。身動きの取れない春日と水落。そして、銃を構えた迷彩服。――これが春日と水落の出会いであり、また彼らと池田翼いけだつばさ陸士長との出会いだったのである。
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