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わがまま姫とそれが不愉快な仲間達【午後1時〜午後2時】
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【午後1時40分 比嘉涼 宮垣小学校】
ほとんどが木造で作られた空間。古ぼけた黒板に、やけに座り心地の悪い椅子。そんな教室らしき場所で目を覚ました彼は、机の上に足を乗せ、ぼんやりと外を眺めていた。
記憶があるのは、コンビニの前で朝まで仲間とたむろした挙げ句、ようやく解散という流れとなり、仲間と別れた直後のことだったと思う。なにがどうなったのかなんて全く覚えていないし、気がついたらこの教室らしき場所にいた――というのが今の時点で分かっていることだった。
彼――比嘉涼は、俗にいう半グレ集団のヘッド的な存在だった。暴走族――という呼び方を発端に、チーマーだとか半グレ集団だとか名前ばかりが変わってきたが、簡単に言ってしまえば、ならず者が集まって結成された集団。比嘉はそれを束ねる立場だった。
仕事なんてものはしていない。金なんてものは働かずとも手に入ることを知っているからだ。具体的にどんな手段を用いるのかまでは明かせないが、比嘉は今まで金に困ったことはなかった。
「あ、あのぉ。そろそろ動きませんかぁ?」
同じ教室内にいながら、比嘉からかなり離れた席に座っていた二人組の片割れが口を開く。比嘉は二人組のほうへと振り向くと「あ?」とだけ返してやった。比嘉からすれば普通に返事をしただけのつもりだったのだが、二人組は「ひっ!」とわざわざ声を上げる。そのリアクションがウザかった。
二人組は双子の兄弟らしかった。同じ顔がふたつ並んでいるのだから、言われずとも双子だと分かっただろう。二人とも坊ちゃん刈りで、二人で体型の管理までしているのか、全く同じように太っている。しかも、眼鏡まで同じだ。兄のほうが苗場健太で弟が苗場康太。兄のほうが校舎の二階、弟のほうが校舎の一階、そして比嘉自身は教室がスタート地点だと設定されていたようで、三人が合流するのは必然のようなものだった。
「動きたきゃ勝手に動けよ。俺はもう少し様子を見る。確かめてぇこともあるからな」
震え上がる苗場兄弟に言ってやる。すると、比嘉に怯えるような様子を見せながら、改めて兄だか弟だか分からないが、片割れのほうが口を開いた。
「で、でも、こういう時は団体行動するのがセオリーっていうか。ゾンビ映画でも勝手な行動をした奴に死亡フラグが立つというか――」
苗場兄弟は明らかに比嘉のことを頼っており、比嘉はそれが分かっているからなおさらに動きたくない。自分のために動くのであれば仕方ないのかもしれないが、どうして自分が他の人間に指図されなければならないのか。苗場兄弟とは【固有ヒント】の共有を済ませてあるし、はっきり言って二人はもう用なしだった。
ほとんどが木造で作られた空間。古ぼけた黒板に、やけに座り心地の悪い椅子。そんな教室らしき場所で目を覚ました彼は、机の上に足を乗せ、ぼんやりと外を眺めていた。
記憶があるのは、コンビニの前で朝まで仲間とたむろした挙げ句、ようやく解散という流れとなり、仲間と別れた直後のことだったと思う。なにがどうなったのかなんて全く覚えていないし、気がついたらこの教室らしき場所にいた――というのが今の時点で分かっていることだった。
彼――比嘉涼は、俗にいう半グレ集団のヘッド的な存在だった。暴走族――という呼び方を発端に、チーマーだとか半グレ集団だとか名前ばかりが変わってきたが、簡単に言ってしまえば、ならず者が集まって結成された集団。比嘉はそれを束ねる立場だった。
仕事なんてものはしていない。金なんてものは働かずとも手に入ることを知っているからだ。具体的にどんな手段を用いるのかまでは明かせないが、比嘉は今まで金に困ったことはなかった。
「あ、あのぉ。そろそろ動きませんかぁ?」
同じ教室内にいながら、比嘉からかなり離れた席に座っていた二人組の片割れが口を開く。比嘉は二人組のほうへと振り向くと「あ?」とだけ返してやった。比嘉からすれば普通に返事をしただけのつもりだったのだが、二人組は「ひっ!」とわざわざ声を上げる。そのリアクションがウザかった。
二人組は双子の兄弟らしかった。同じ顔がふたつ並んでいるのだから、言われずとも双子だと分かっただろう。二人とも坊ちゃん刈りで、二人で体型の管理までしているのか、全く同じように太っている。しかも、眼鏡まで同じだ。兄のほうが苗場健太で弟が苗場康太。兄のほうが校舎の二階、弟のほうが校舎の一階、そして比嘉自身は教室がスタート地点だと設定されていたようで、三人が合流するのは必然のようなものだった。
「動きたきゃ勝手に動けよ。俺はもう少し様子を見る。確かめてぇこともあるからな」
震え上がる苗場兄弟に言ってやる。すると、比嘉に怯えるような様子を見せながら、改めて兄だか弟だか分からないが、片割れのほうが口を開いた。
「で、でも、こういう時は団体行動するのがセオリーっていうか。ゾンビ映画でも勝手な行動をした奴に死亡フラグが立つというか――」
苗場兄弟は明らかに比嘉のことを頼っており、比嘉はそれが分かっているからなおさらに動きたくない。自分のために動くのであれば仕方ないのかもしれないが、どうして自分が他の人間に指図されなければならないのか。苗場兄弟とは【固有ヒント】の共有を済ませてあるし、はっきり言って二人はもう用なしだった。
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