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頑固親父と全く笑えない冗談【午後2時〜午後3時】
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カウントダウンは止まらない。ただ無機質な声で『点火まで残り2分と30秒です』と淡々と告げただけ。西宮の意図も分からない。ただ、これまで見せていた優しげな表情から一変した険しげな西宮の表情が、切羽詰まっていることを物語っていた。
「――後でちゃんと説明してよっ!」
晴美はそう言うと梯子をのぼり始めた。ガソリンに浸かっていたせいか妙に手が滑る。何度か梯子を掴み損ねながらも、梯子をのぼり続ける。ようやく蓋のところにたどり着いた。ハンドルに手をかけ引っ張ってみるが、これまた重たくて蓋が閉じてくれない。梯子に足を絡ませ、今度はハンドルに両手を伸ばして、全体重をかけて引っ張った。勢い良く蓋は閉まり、けれどもハンドルを握っていた両手が滑ってしまう。
「嬢ちゃん!」
足を梯子に絡ませていたのが功を奏した。うまい具合に内膝が梯子を挟み、両手を離して逆さまで宙ぶらりん。小学校の頃に鉄棒で遊んだことを思い出した。それと同時に逆さまになったことでスカートが全開でめくれていることにも気づく。火事場の馬鹿力と言わんばかりに、思い切り体を引き起こすと、その反動で梯子を掴んだ。西宮のほうは、なんだか気まずくて見ることができなかった。
「ハ、ハンドルを回してくれ――」
咳払い混じりに下から聞こえてきた西宮の声。その気まずさ全開の雰囲気からして、恐らくスカートの中身を見られてしまったと推測される。しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。西宮が下から懐中電灯で照らしてくれたハンドルに手を伸ばすと蓋を閉めた。
「し、閉めたわよ。これでどうするの?」
晴美が問うと同時に『点火まで残り1分と30秒です』とのアナウンスが入った。
「これでいい。後は点火を待つだけだ――」
西宮の言葉に頭の中で疑問符がわき上がる。いつしか呼吸が荒くなっていたことにようやく気づき、そう思った途端に乾いた咳が出た。ガソリンの匂いが凄い。それこそ、蓋を閉めてしまったからなおさらだ。
「はぁ? そんなことをしたらガソリンに引火して――」
「しないんだよ。俺の考えが正しければ。なんにせよ、後1分そこらすれば分かる。体勢的に厳しいかもしれんが、外に出る段取りも考えて、嬢ちゃんはそこにいろ。いいな?」
西宮に言われるままに梯子をのぼり、言われるがままに蓋を閉め、挙げ句の果てには逆さまになってスカートが全部まくれあがってしまうという悲劇まで起きた。ここまでのことをやったというのに、後は待てとの判断を下す西宮。
「――後でちゃんと説明してよっ!」
晴美はそう言うと梯子をのぼり始めた。ガソリンに浸かっていたせいか妙に手が滑る。何度か梯子を掴み損ねながらも、梯子をのぼり続ける。ようやく蓋のところにたどり着いた。ハンドルに手をかけ引っ張ってみるが、これまた重たくて蓋が閉じてくれない。梯子に足を絡ませ、今度はハンドルに両手を伸ばして、全体重をかけて引っ張った。勢い良く蓋は閉まり、けれどもハンドルを握っていた両手が滑ってしまう。
「嬢ちゃん!」
足を梯子に絡ませていたのが功を奏した。うまい具合に内膝が梯子を挟み、両手を離して逆さまで宙ぶらりん。小学校の頃に鉄棒で遊んだことを思い出した。それと同時に逆さまになったことでスカートが全開でめくれていることにも気づく。火事場の馬鹿力と言わんばかりに、思い切り体を引き起こすと、その反動で梯子を掴んだ。西宮のほうは、なんだか気まずくて見ることができなかった。
「ハ、ハンドルを回してくれ――」
咳払い混じりに下から聞こえてきた西宮の声。その気まずさ全開の雰囲気からして、恐らくスカートの中身を見られてしまったと推測される。しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。西宮が下から懐中電灯で照らしてくれたハンドルに手を伸ばすと蓋を閉めた。
「し、閉めたわよ。これでどうするの?」
晴美が問うと同時に『点火まで残り1分と30秒です』とのアナウンスが入った。
「これでいい。後は点火を待つだけだ――」
西宮の言葉に頭の中で疑問符がわき上がる。いつしか呼吸が荒くなっていたことにようやく気づき、そう思った途端に乾いた咳が出た。ガソリンの匂いが凄い。それこそ、蓋を閉めてしまったからなおさらだ。
「はぁ? そんなことをしたらガソリンに引火して――」
「しないんだよ。俺の考えが正しければ。なんにせよ、後1分そこらすれば分かる。体勢的に厳しいかもしれんが、外に出る段取りも考えて、嬢ちゃんはそこにいろ。いいな?」
西宮に言われるままに梯子をのぼり、言われるがままに蓋を閉め、挙げ句の果てには逆さまになってスカートが全部まくれあがってしまうという悲劇まで起きた。ここまでのことをやったというのに、後は待てとの判断を下す西宮。
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