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駆けよペーパードライバー【午後3時〜午後4時】
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足元で心地の良い摩擦が生じる。それと共にタイヤの焼けるような匂いがした。しかし、一度は地面陥没に巻き込まれつつあった軽トラックが体勢を立て直し、斜めになってしまった地面を一気に駆けのぼる。
「サン・ラー・タン!」
何が起きているかさっぱりといった様子の深田をよそに、彼なりのタイミングの取り方を真似てかけ声を出す片岡。軽トラックは斜面を抜け出し、またギアが繋がったことで加速する。ようやく、片岡達を飲み込もうとしていた地面陥没から距離を取ることができた。再度、かけ声と一緒にギアチェンジ。いよいよオーバートップギアに入り、軽トラックが持ち得る最大のパフォーマンスを引き出した。
「すぐるさん! 後はこのまま逃げ切ってください!」
「――任せとけっ!」
アーケード街の出口はすぐそこまで迫っている。まだ安心はできないが、地面陥没から少し離れることはできた。とっさの機転もあったが、免許を持っているはずの深田よりも、なぜか片岡のほうが車に詳しかったことが命拾いに繋がったようだ。
地面陥没に巻き込まれそうになった際、後輪が空回りをしていることに気づいた片岡は、自身の乗っている軽トラックが後輪駆動であることを知った。つまり、四輪のうち実際に稼働するのは後輪のみ。それが空回りしてしまったら、もはや残された前輪だけではどうにもならない。そこで片岡は探したのだ。軽トラックならば、二輪駆動から四輪駆動に切り替えるボタンがあるのではないかと。
二輪駆動は前輪のみ、もしくは後輪のみが稼働することによって走る。一方、四輪駆動は文字のごとく、四輪全てが稼働する。雪道を走ることが当たり前の雪国や、急な坂道の多い山間部などでは、二輪駆動車よりも四輪駆動車のほうが重宝される。中でも軽トラックというものは、あらかじめ荷物を積んで走ることを前提としているため、四輪駆動のものが多い。ただ、ずっと四輪駆動だと燃費が悪くなるため、状況に応じて二輪駆動と四輪駆動を切り替えられるものが出回っている。片岡が押したボタンは、まさしく二輪駆動から四輪駆動へと切り替えるボタンだったのだ。あまりにもリアルを追求したがゆえに、すぐにゲームセンターから消えてしまったマニアックなレースゲームに感謝したい。
四輪駆動へと切り替わった軽トラックは、まだ接地していた前輪タイヤを稼働させ、そして窮地を乗り切った。ギアもオーバートップまで繋ぐことができたし、下手なことをしなければ切り抜けることができるだろう。
「サン・ラー・タン!」
何が起きているかさっぱりといった様子の深田をよそに、彼なりのタイミングの取り方を真似てかけ声を出す片岡。軽トラックは斜面を抜け出し、またギアが繋がったことで加速する。ようやく、片岡達を飲み込もうとしていた地面陥没から距離を取ることができた。再度、かけ声と一緒にギアチェンジ。いよいよオーバートップギアに入り、軽トラックが持ち得る最大のパフォーマンスを引き出した。
「すぐるさん! 後はこのまま逃げ切ってください!」
「――任せとけっ!」
アーケード街の出口はすぐそこまで迫っている。まだ安心はできないが、地面陥没から少し離れることはできた。とっさの機転もあったが、免許を持っているはずの深田よりも、なぜか片岡のほうが車に詳しかったことが命拾いに繋がったようだ。
地面陥没に巻き込まれそうになった際、後輪が空回りをしていることに気づいた片岡は、自身の乗っている軽トラックが後輪駆動であることを知った。つまり、四輪のうち実際に稼働するのは後輪のみ。それが空回りしてしまったら、もはや残された前輪だけではどうにもならない。そこで片岡は探したのだ。軽トラックならば、二輪駆動から四輪駆動に切り替えるボタンがあるのではないかと。
二輪駆動は前輪のみ、もしくは後輪のみが稼働することによって走る。一方、四輪駆動は文字のごとく、四輪全てが稼働する。雪道を走ることが当たり前の雪国や、急な坂道の多い山間部などでは、二輪駆動車よりも四輪駆動車のほうが重宝される。中でも軽トラックというものは、あらかじめ荷物を積んで走ることを前提としているため、四輪駆動のものが多い。ただ、ずっと四輪駆動だと燃費が悪くなるため、状況に応じて二輪駆動と四輪駆動を切り替えられるものが出回っている。片岡が押したボタンは、まさしく二輪駆動から四輪駆動へと切り替えるボタンだったのだ。あまりにもリアルを追求したがゆえに、すぐにゲームセンターから消えてしまったマニアックなレースゲームに感謝したい。
四輪駆動へと切り替わった軽トラックは、まだ接地していた前輪タイヤを稼働させ、そして窮地を乗り切った。ギアもオーバートップまで繋ぐことができたし、下手なことをしなければ切り抜けることができるだろう。
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