BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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闇の中からの強行突破【午後6時〜午後7時】

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 迷彩服の背後ということは、すなわち女共は廊下にいる。教室の中に潜伏しているはずの女共がなぜ廊下にいるのか。教室の出入り口にはバリケードが施されていたし、簡単に出入りはできなかったはずだ。

「本当はここにあんたを閉じ込めてやるつもりだったんだけど、急遽予定を変更させてもらったわ――」

 あの高飛車な女の言葉を聞いて、比嘉はようやく気づいた。どうやら、まんまと陽動されてしまったようだ。

 この教室のバリケードは、最初から女共が籠城するために作られたものではなかった。恐らく、ある程度のバリケードを作り上げた上で、女共は教室の外に出る算段になっていたのだろう。すなわち閉じ込もるためのものではなく、閉じ込めるためのバリケードだったのだ。

「くっくっくっくっ――。つまり、あのモールス信号も俺をおびき寄せる罠だったってことか」

 向けられた銃口に対して、比嘉はわざとらしく両手を挙げて見せる。ただし、バタフライナイフは手から離さない。

「学校の外に見えた彼らにコンタクトを取れる可能性がある上に、私達がこの教室にいるって、あんたに誤認させることができるからね」

 高飛車な女の姿が迷彩服の背後に見えた。その隣には、どうやらスーツ姿の男もいるらしい。

 まんまと騙されたのだ。あのモールス信号には、外にいた連中にコンタクトを取るという目的以外に、あたかもこの教室に潜伏していると比嘉に思い込ませる効果があった。すなわち、この教室でバリケードをある程度作成した後、わざとらしくモールス信号を送った女共は、まだ未完成だったバリケードの隙間から廊下に出たのだ。そして、外からバリケードを作り上げ、恐らく他の教室に潜伏したのである。

「抵抗をしなければ悪いようにはしない。武器になりそうなものを全て捨てて投降するんだ」

 銃口を向けた迷彩服は、すっかり勝ったつもりでいるのだろうか。しかし、比嘉はまだ負けたつもりはない。むしろ、これくらいのハンデがあったほうが楽しめるとさえ思った。

「――この暗闇の中で俺のことを狙えるのか? そもそも、そいつは本物なのかねぇ? どこかの誰かさんの拳銃も偽物だったわけだし」

 ライフル銃は偽物である可能性が高い。仮に本物だったとしても、この暗闇の中で闇雲に発砲することはしないだろう。ここは強気に出ても問題ない。

 あちらはライフル銃でこちらをねじ伏せることができると思い込んでいる。しかし、あくまでも脅しのレベル。普通の人は人を簡単には殺せないだろうし、迷彩服も引き金を絞る気なんてないのだろう。すなわち、本物であろうが偽物であろうが、撃たれる可能性は極めて低い。
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