BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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闇の中からの強行突破【午後6時〜午後7時】

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「申しわけないが、現状の君を見る限り、このまま野放しにしておくわけにはいかないみたいだ。可能な限り私は平和的に解決したい。不本意ではあるが拘束させてもらうよ」

 スーツ姿が言うと、迷彩服が姿を消す。拘束されたまま無様な姿を晒していると、しばらくして迷彩服が戻ってきた。

「とりあえずカーテンを切って作ったものだが――」

 それはカーテンを繋ぎ合わせて作られた簡易式のロープだった。それを受け取りながらスーツ姿が口を開く。

「浜野からハサミを借りておいて良かったな」

 どうやらまだ仲間がいるようだ。もっとも、そいつの姿は見当たらないようだが。察するに、ハサミはその浜野とやらに与えられた物資なのだろう。

「まぁ、本人がどうしても外に残ると言い張ったんだ。物資くらい拝借させてもらって当然だ」

 ロープが比嘉の頭上へと差し出される。金髪か関西弁に手渡されたのであろう。これ以上、じたばたとしても仕方がないと悟った比嘉は、観念してお縄となる。体と腕を一緒に縛り上げられた。

「大人しくしてくれれば、悪いようにはしない。君が他の参加者と違う考えを持っているのは仕方がないにせよ、さっきも言った通り私は平和的な解決策を模索したいんだ。できるのであれば従って欲しい」

 その偽善者ぶった言葉に反吐が出そうになった。口で平和だなんだと言うやつに限って何もしていなかったりする。ただ綺麗事を並べて自分に酔いたいだけだ。

「もし断る――と言ったら?」

 どうせ負けることは決まったのだ。ここはあえて意地悪なことを言ってやる。何を言っても綺麗事が返ってくるだけである。

「仕方ないが、鍵でもかかる部屋でも探して、そこに監禁するしかないな。他の参加者に危害を加える恐れがある以上、それくらいのことはしなければならない」

 てっきり綺麗事を並べ立てるかと思いきや、さらりと監禁という言葉を出してくるスーツ姿。続けてとんでもないことを言い出す。

「もしそれが叶わないのであれば――理想の場所が見つからないのなら、両足を折りでもして身動きができないようにすればいい」

「どこが平和的なんだよ――それ」

 思わず吹き出してしまった。スーツ姿の提案が平和的かどうかぐらい比嘉にだって分かる。

「私はあくまでも平和的な解決を望むだけだ。可能な限り平和的にやりたいだけで、場合によっては非平和的な手段を選択しなければならないこともある」

 今度は鼻で笑ってやる。綺麗事ばかり並べ立てると思ったら――良い意味で期待外れだ。

「さて、ここで君に選択権を与えよう。私達に従うか。それとも私達を拒むか。好きなほうを選んでくれ」

 そんな比嘉に対し、スーツ姿が暗闇の中でかすかに笑ったような気がしたのは、きっと気のせいではなかったのであろう――。
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