BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】

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 真子の様子を見て、すぐに真子の状態を察してくれたのであろう。女性は真子を床へと寝かせると、足元の方に回り込む。体の限界をとうに過ぎていたのか、全く体が動かないのが情けない。

「どう? これで楽になるはずだけど」

 その言葉と共に、真子の爪先が頭の方へと押し上げられた。すると、これまでの痛みが嘘であったかのように引く。

「あ……大分楽です」

 こむら返りの典型的な処置を施してくれたのであろう。ただ、元に戻すと再びこむら返りを起こしそうになる状態だから、やはりかなり足を酷使してしまったようだ。

「私は瀬戸晴美。貴女は?」

 足のマッサージを続ける女性は、窓の外をちょくちょくと気にしながらも自分の名前を名乗る。多分、あのナタ女がどうなったのか気になって仕方がないのであろう。危ないところを助けてもらった身としては、どうか誰も怪我をすることなく、ナタ女の一件が収束することを願いたい。

「私は野沢 真子です。本当に……助かりました。あの人達が来てくれなかったら、多分私は殺されていたから」

 ここまで走り続けたことによる疲労が一度に出てしまったのであろう。真子はそう答えながらも、思考がまどろみ始めたことをひしひしと感じていた。むろん、こうして他のプレイヤーに会えたことが最大の原因といえよう。これまでは緊張感が張り詰めていたおかげで、体の限界を超えても走ることが出来た。そのシワ寄せが、安堵すると共に出てしまったのだと思われる。晴美のマッサージも相まり、体全体が休息を求めているかのように重くなる。例えるならば、眠りに入る直前のような感覚。心地好く体が重くなり、頭が考えることを止める。

「それにしてもびっくりしたわ。窓の外を見たら貴女が……」

 晴美が何かを言っているが、突然のまどろみに何を言っているのか聞き取れない。

 ――眠い。とにもかくにも眠い。物凄く眠い。まぶたが重くなり、それに抵抗などできなかった。辛うじて晴美に対して取れた反応は、目を閉じて相槌を打つかのように小さく頷くことだけだった。

 ――少しくらい休んでもいいよね。真子は自らに問うと、まどろみの中へと沈み始めた。

「……美。救急箱持って来た……。早く手当……」

 どうやら、救急箱を取りに向かってくれた女性が戻って来たようだったが、もう確かめる気力もなかった。

 落ちる。落ちる。全てがまどろみの中に――。まるで、現実から逃避するかの如く。落ちて行く。落ちて行く。落ちて行く。
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