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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】
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空気を切り裂く音が聞こえたような気がした。それに合わせて、春日が上体をのけ反らせると、ゆっくりとスローモーションであるかのように、春日の体があったはずの場所をナタが通過する。春日自身でも信じられないが、どうやら火事場の馬鹿力は名前の通り馬鹿力であるようだ。思っている以上に体が動いてくれる。反射能力も格段に上がっている。なかば駄目元のつもりであったが、これならば――なんとかなってしまうのではないか。
春日は上体を起こすと、気配を感じた方向へとデッキブラシを薙ぎ払った。――確かな手応え。今度ばかりは、確実に魔物の姿を捉えたようだ。
「私はみんなを救いたいだけっ! 救いたいだけなのにぃぃぃぃぃっ!」
デッキブラシの一撃程度では、当然ながら致命傷にはいたらない。魔物の喚き声が先程より低いトーンで暗闇から返ってきた。
――デッキブラシでは駄目だ。話にならない。どれだけ当たりどころが良くても、決して致命傷は与えられないだろう。一方、あちらは一撃で致命傷となるナタを持っている。こちらの方がリーチという面では有利だとしても、それも気休め程度だということだ。
なにか致命傷を与えられるような武器でもあればいいのだが、そんなものが都合良く転がっているほど世の中は甘くない。
校舎から漏れる明かりのおかげでうっすらと辺りは明るいが、決して視界良好とはいえない。それに加えて、相手が一撃即死も可能な武器を有している一方、こちらは致命傷にはいたらないデッキブラシだけが頼りだ。もはや、本物の銃に対して、玩具の銃で対抗しているようなもの。今は勘が冴えているおかげで対等にやり合えてはいるが、長い目で見ると明らかに不利になるだろう。
春日は模索する――何か良い手はないものか。
「春日さんっ! こっちだ!」
ふと、背後から声が飛んでくる。反射的に声のしたほうへと視線を移した。すると、煌々と電気に照らされている正面玄関で、水落が手を降っている姿を見つけた。
――その手があったか。春日は水落の意図を一発で見抜くと、正面玄関に向かって地面を蹴った。
「逃げても無駄、無駄、無駄、無駄ぁぁぁぁぁっ!」
春日が踵を返すと同時に、再び魔物のナタが視界に入る。春日は体勢を低くしてそれをやり過ごすと、デッキブラシをナタ女に向かって投げつけ、力の限り地面を蹴った。チャンスは一度きり。失敗すれば、春日の命もない。
春日は上体を起こすと、気配を感じた方向へとデッキブラシを薙ぎ払った。――確かな手応え。今度ばかりは、確実に魔物の姿を捉えたようだ。
「私はみんなを救いたいだけっ! 救いたいだけなのにぃぃぃぃぃっ!」
デッキブラシの一撃程度では、当然ながら致命傷にはいたらない。魔物の喚き声が先程より低いトーンで暗闇から返ってきた。
――デッキブラシでは駄目だ。話にならない。どれだけ当たりどころが良くても、決して致命傷は与えられないだろう。一方、あちらは一撃で致命傷となるナタを持っている。こちらの方がリーチという面では有利だとしても、それも気休め程度だということだ。
なにか致命傷を与えられるような武器でもあればいいのだが、そんなものが都合良く転がっているほど世の中は甘くない。
校舎から漏れる明かりのおかげでうっすらと辺りは明るいが、決して視界良好とはいえない。それに加えて、相手が一撃即死も可能な武器を有している一方、こちらは致命傷にはいたらないデッキブラシだけが頼りだ。もはや、本物の銃に対して、玩具の銃で対抗しているようなもの。今は勘が冴えているおかげで対等にやり合えてはいるが、長い目で見ると明らかに不利になるだろう。
春日は模索する――何か良い手はないものか。
「春日さんっ! こっちだ!」
ふと、背後から声が飛んでくる。反射的に声のしたほうへと視線を移した。すると、煌々と電気に照らされている正面玄関で、水落が手を降っている姿を見つけた。
――その手があったか。春日は水落の意図を一発で見抜くと、正面玄関に向かって地面を蹴った。
「逃げても無駄、無駄、無駄、無駄ぁぁぁぁぁっ!」
春日が踵を返すと同時に、再び魔物のナタが視界に入る。春日は体勢を低くしてそれをやり過ごすと、デッキブラシをナタ女に向かって投げつけ、力の限り地面を蹴った。チャンスは一度きり。失敗すれば、春日の命もない。
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