BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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エピローグ【解決編】

8

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「あのな水落。カレーうどん舐めたらあかんぞ。あいつら、俺が白のタキシード着ていようが容赦なく飛び散るからな」

 深田の声に思わず吹き出してしまった。非日常空間において、緊張感のない能天気な感じは、まさしく空気が読めないといった具合だったが、今となっては深田に救われたような気がする。なんだかんだでムードメーカーだったのかもしれない。

「実は少し早く来るようにお願いしてあったんです。つまり【R】【U】【H】の所有者の方々に」

 アガサが得意げになって口を開く。手回しが良いというか、わざわざそんなことをする必要もないように思えるのだが、なんせ幹事はアガサである。お願いした以上、彼女の采配に口を出しても仕方がないだろう。

 少しずつ声が近づいてきて、とうとう扉の前までやってきたようだ。

「なんだ? 何をする?」

 なんとなく堅苦しいような喋り方は池田翼陸士長であろう。扉の向こうでどんなやり取りがなされているのだろうか。

「いやいや、みんなに会うんだったら一番ギャップのあるお前が先頭やろ? みんな絶対にびっくりするって」

 恐らく深田達は早めに会場入りすることを知らないのだろう。なぜなら、春日自身もここに来るまで早め――いや、早すぎる会場入りを知らなかったのだから。

「それで春日さん。ちょうどいいことだし、お答えいただきましょうか。私がどんな仕掛けを作品に施したのか。ご本人も登場することですし」

 なにやら扉の向こうで揉めながらも、ようやくゆっくりと扉が開く。春日はそれを眺めながら言った。

「君はある事柄をあえて提示しなかった。それによってミスリードしようとしたんだろ? では、君が提示しなかったある事柄とはなんだったのか? つまり――」

 扉が開くと、そこには胸の開いたドレスを着た女性が立っていた。あの時とは違って化粧もしっかりしているし、格好が迷彩服からドレスに変わっただけでも、かなり印象が変わるものだなと思った。

「陸士長がであるという当たり前の事柄を、君はあえて提示していないんだよ」

 春日の言葉に笑みを浮かべると、アガサはかすかに笑みを返して陸士長のほうへと駆け寄った。

「池田さん、お久しぶりです! その――すっごく綺麗ですよ」

 春日もカウンター席から立ち上がり、かつての仲間達を出迎えることにした。相変わらず人間というものはあまり好きではないが、共に死線をくぐり抜けた彼らだけは別物だ。
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