BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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エピローグ【解決編】

15

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 これで全員が感動――というには程遠いが、ようやく再会できたことになる。ここにいない面子もいるが、こうして再会できたことは、あの時のできごとが夢でもなんでもないことを意味している。

「予定より少し早いけど始めちゃいますか」

 飾り付けさえ途中だというのに、腕時計に視線を落とすと呟くアガサ。ひとつの店をたった6人で貸し切るとは、随分と豪勢なものだ。

「えーっと、それではこれから役割を振り分けまーす。水落さんと深田さん、それと春日さんは会場の飾り付けをお願いします。それぞれが持ってるセンスでご自由に飾り付けちゃって下さい」

 アガサの口から出た言葉に、思わず耳を疑ってしまった。まさか、会場作りをみんなにやらせるつもりだったとは――どうりで手の進みが遅いわけだ。

「で、女性陣は厨房のほうで料理を作りまーす。もう材料は調達してあるので」

 さらに耳を疑うような一言。それにはさすがに晴美が食い下がる。

「っていうか、貸し切りでもお店のスタッフくらいいるでしょ? どうして私達で料理を作らないといけないわけ?」

「いえ、お店のスタッフの方々を動員してしまうと、会費のほうが馬鹿みたいに跳ね上がっちゃうんですよ。だから、自分達でやれることは全部自分達でやってしまおうと思って」

 晴美の言葉に悪びれる様子もないアガサ。みんなそれなりにめかしこんでいるというのに、まさか会場作りを手伝わされることになるなんて、誰が予測できただろう。

「まぁ、そういうことなら仕方ないな。ちゃっちゃとやることやって乾杯しようや」

 そう音頭を取ったのは深田であり、それが合図だったかのようにそれぞれが渋々と動き出す。あまり良い光景だとはいえないが、あの街で――罠の張り巡らされた街では絶対に見るのことのできなかった光景だといえよう。

 春日はゆっくりと立ち上がると、アガサの書いた原稿を彼女に手渡す。

「持ち込みの結果がどうなるかは知らないが、良い結果が出るといいな」

 春日の言葉にアガサは頷き、そして非日常からの生還者達は、実に面倒で、それでいて日常的な作業へと入る。

 どうやら乾杯までしばらく時間がかかりそうだ――。手作りの飾り付け道具を眺めつつ、春日は小さく溜め息を漏らす。面倒ではあるが、しかしこうして再びみんなと力を合わせるというのは、なんだか悪い気がしない。

 ――その日、一同が再会したその日、貸し切られたお店には一晩中明かりが灯り続けていたのであった。

―完―
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