63 / 98
3.深まる謎と疑惑
19
しおりを挟む
「細川君が部屋にいなくて――今、手分けして探しているんだけど」
蘭が返すと、安楽の顔が険しくなった。
「手分けってのは良くない! ゾンビ映画でも、ようやく人と合流できたのに、どうしても効率を重視して手分けをしようとするだろ? その結果、何人か死ぬんだよ! やっぱりこういう時に手分けは良くないな!」
手分けをして効率を重視することは決して悪いことではないだろう。その結果、ゾンビ映画などではろくな結果にならないだけであって、そのあるあるを現実世界に引っ張り出すのは無理がある。
「それで、私達はどこを探せばいいの?」
真美子と香純のほうが、よほど安楽より協力的なのではないだろうか。さて、そもそもそ協力してもらうとして、どこを探してもらえばいいのか。まさか、いきなり外に出ろとは言えない。どうしたものかと思っていたら、菱田達もやってきた。
「安楽君! 俺達は外を探すぞ! 確か、地下室にまだ予備の雨合羽があったはずだから、申し訳ないけど女性陣から2人ほど、俺達に同行して欲しいんだ。榎本君は中を探すほうに残ってくれ!」
部屋を一通り調べ終えたが、どこにもいなかったのであろう。エントランスに飛び込んでくるなり、細かい指示を飛ばしてくる菱田。中に男性を残さないわけにもいかないから、その役割を榎本に任せるのであろう。その代わり、女性陣から2名を選出し、そして外を探すらしい。これには、お互いに様子を伺いあってしまう蘭達。仕方があるまい――このような状況を招いてしまった責任の一端は自分にもある。
「私、外に行くよ」
蘭はそう言って手を挙げたが、稲光が差し込んだせいでひるんでしまう。この嵐の中、外に出て細川を探す。もちろん、外に出られないという天候ではないが、やはり嫌なものは嫌だ。ふと、台風が来た時に、中継で今にも飛ばされそうなキャスターの姿を見て、自分が安全な場所にいることを実感したことを思い出す。そのキャスター側に蘭はなろうとしているわけだ。
「蘭がやるって言うなら、私がやらないわけにはいかないよね」
たかだか歳がひとつ上というだけで、急にお姉さん風を吹かせてくる英梨。彼女だって外に出るのは嫌だろうに、蘭に続いて立候補する。それを見ていた真美子と香純は「うちらも外に出るべきじゃない?」との言葉を交わす。外と中で綺麗に大学が分かれてしまうから、さすがにこちらの負担が大きくなってしまうと考えたのかもしれない。もはや、どの大学がどう――なんて話ではないと思うのだが。
蘭が返すと、安楽の顔が険しくなった。
「手分けってのは良くない! ゾンビ映画でも、ようやく人と合流できたのに、どうしても効率を重視して手分けをしようとするだろ? その結果、何人か死ぬんだよ! やっぱりこういう時に手分けは良くないな!」
手分けをして効率を重視することは決して悪いことではないだろう。その結果、ゾンビ映画などではろくな結果にならないだけであって、そのあるあるを現実世界に引っ張り出すのは無理がある。
「それで、私達はどこを探せばいいの?」
真美子と香純のほうが、よほど安楽より協力的なのではないだろうか。さて、そもそもそ協力してもらうとして、どこを探してもらえばいいのか。まさか、いきなり外に出ろとは言えない。どうしたものかと思っていたら、菱田達もやってきた。
「安楽君! 俺達は外を探すぞ! 確か、地下室にまだ予備の雨合羽があったはずだから、申し訳ないけど女性陣から2人ほど、俺達に同行して欲しいんだ。榎本君は中を探すほうに残ってくれ!」
部屋を一通り調べ終えたが、どこにもいなかったのであろう。エントランスに飛び込んでくるなり、細かい指示を飛ばしてくる菱田。中に男性を残さないわけにもいかないから、その役割を榎本に任せるのであろう。その代わり、女性陣から2名を選出し、そして外を探すらしい。これには、お互いに様子を伺いあってしまう蘭達。仕方があるまい――このような状況を招いてしまった責任の一端は自分にもある。
「私、外に行くよ」
蘭はそう言って手を挙げたが、稲光が差し込んだせいでひるんでしまう。この嵐の中、外に出て細川を探す。もちろん、外に出られないという天候ではないが、やはり嫌なものは嫌だ。ふと、台風が来た時に、中継で今にも飛ばされそうなキャスターの姿を見て、自分が安全な場所にいることを実感したことを思い出す。そのキャスター側に蘭はなろうとしているわけだ。
「蘭がやるって言うなら、私がやらないわけにはいかないよね」
たかだか歳がひとつ上というだけで、急にお姉さん風を吹かせてくる英梨。彼女だって外に出るのは嫌だろうに、蘭に続いて立候補する。それを見ていた真美子と香純は「うちらも外に出るべきじゃない?」との言葉を交わす。外と中で綺麗に大学が分かれてしまうから、さすがにこちらの負担が大きくなってしまうと考えたのかもしれない。もはや、どの大学がどう――なんて話ではないと思うのだが。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
死霊術士が暴れたり建国したりするお話
はくさい
ファンタジー
多くの日本人が色々な能力を与えられて異世界に送りこまれ、死霊術士の能力を与えられた主人公が、魔物と戦ったり、冒険者と戦ったり、貴族と戦ったり、聖女と戦ったり、ドラゴンと戦ったり、勇者と戦ったり、魔王と戦ったり、建国したりしながらファンタジー異世界を生き抜いていくお話です。
ライバルは錬金術師です。
ヒロイン登場は遅めです。
少しでも面白いと思ってくださった方は、いいねいただけると嬉しいです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる