光の部屋、花の下で。

三尾

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五日目

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 居間に通された彼は、まず響野と佳子さんに挨拶し、次に俺に向き直って、“山崎賢吾けんご”と書かれた自身の名刺を差し出す。
「水元聖です。響野君の……友人です」
 スーツの上からでもわかるほどの鍛えた身体を、あまりじろじろ見ないようにしながら挨拶を返した。
 オーダーメイドのスーツ(この体格だからきっとそうだ)を着こなした山崎さんは、腹の底に響くような渋い声が大柄な体躯によく似合っている。背筋はすっと伸び、体格の立派さもあいまって、いかにも自信ありげに見えた。
 その姿は同性から見ても格好良く……というか、彼のようなタイプは、はっきり言ってマッチョ好きのゲイにとても人気がある。
 思わず見惚れそうになるけれど、俺との挨拶を終えた山崎さんが丁寧な物腰で響野に接するのを見ているうちに、彼らの雰囲気が気になりはじめた。
 まるで執事か何かみたいに、山崎さんの響野への態度は礼儀正しい。顧客だからと言ってしまえば、それはそうだけれど、響野も響野で、受け答えの端々はしばしから、山崎さんにそれ相応の信頼や敬意を寄せているらしいことが伺えた。
 そういえば、電話やメールでも頻繁にやり取りしていたよな、と気付き、急に言いようのない焦燥感に駆られる。
 すみで話を聞いているだけのつもりが、四人でリビングのソファに移動したときは、自分の存在をアピールするかのようにしっかりと響野の横に陣取り、ローテーブルをはさんで山崎さんと対峙していた。
 中核ポジションとも言える位置で話し合いに参加していると、話のところどころで、山崎さんが気遣いの視線を響野に向ける様子や、響野が山崎さんの発言に耳を傾けてうなずき返す様子を目撃する羽目になり、ますます面白くない。
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