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互いに決して楽しくない身の上だ。涙や傷心なんてものは何も解決しないだろうがあった方がいい。押さえ込めば解決の糸口すら見えなくなるからだ。経験上、泣くのを我慢して得られるのは自己陶酔だけだ。泣くのを我慢してる自分の変な顔を見てこの身体になってから俺はやっと腹から笑えたんだ。俺が俺自身を笑かしたって自信になった。歩けなくなって両手も動かせない、仕事もろくに出来なくなった自分を初めてまだやれるじゃねぇかって誇らしく思えた。安心しろよ。俺は両手も麻痺でろくに銃もあつかえねぇ。あいにく、口はよくまわるんでね。おかしな行動とりやがったらいくらでもその訳わかんねぇぐらい綺麗なツラの悪口とか侮辱してやるからな。お前の人間の見る目があることだけは生前評価につけ加えといてやるよ。俺を聴取に指名してるってことはそれだけ見る目があるってことだ。お前を担当してるFBIが、さっき入れ違い様に見かけたが、お前が名前のスペルひとつ何も語らないって情け無ェツラして泣いてたぞ。あの手のタイプは自分が捜査に入った瞬間、頭の中にNetflix presentsって提供ロゴが浮かんでるような自分に酔ってるタイプだ。クソ田舎の警察署の俺みてェな身障者の刑事がデカい獲物の事件の捜査の指揮採ってんのがプライドが許さねェらしい。お前がお前の話を語る相手に俺を指名したことを聞いて腹を立ててわざわざこんな汚ェ厳戒監房までやってきたらしい。そういえば、なんでお前は俺のこと知ってんだ?まだ5体満足だった頃にどっかで刑務所へブチ込んだことでもあったか?ゲイブだっけか?そんだけキレーなツラしてれば会ったこと絶っ対ェ忘れねェと思うんだけどな。これから長ェ付き合いになるんだ。馴れ初めくらい話しておいてくれよ。俺はお前に指名されたからお前のこと知らねェんだよ。これから仲良くやってくのにフェアじゃねェだろ。「お前が期待してるような拍のついた大した馴れ初めじゃねェぞ」「より現実味があって良いじゃねェか。もったいぶらずにとっとと話せよ。どうせアレだろ。手足がろくに動かねェから脱獄するのに簡単に出し抜けると思ったクチだろ?俺自身もそこはチャームポイントにしようにも誤魔化しようもねェ雑魚すぎるポイントだと思ってる。別に否定しないし、怒ってねェし。ほら、早く正直に話せよ。ブン殴って脱獄ヨユーで出来るからお前を指名したって」
オイ。さっきから訳わかんねェことをペラペラ勝手にしゃべりやがって聞きたいのはお前を知ったきっかけってだけだろ。最初の殺しがバレて、実況見分の時にふらっと来たアンタが面白かった。周りの連中は俺のしたことばかり聞きたがったが、アンタは俺の動機を知りたがった。なんでやったのかって尋ねてきたのはアンタだけだった。俺にとってやったことはもうどうでもいい。いくらそこを尋ねて掘ろうが何も出てきやしねェのにアンタ以外の連中は何も分かってなかった。馬鹿のひとつ覚えみてェに同じことばっかしたことばかりたずねてきた。俺にとって、したこと(殺し)はどうでもよくて、なんで殺す必要があったのかの方が重要だ。
それは俺もそうだからだ。俺にしても、もうそうなっちまったことはどうでも良くて、考えたところでこの先だってどうにもならねェだろ。なんでそうなっちまったかのの理由の方がよほど大事だからだ。ここはこの先いくららでも変えようがあるからだ。お前はその美人さゆえなんだろうが、おそらく、他人との関わり方とかだろう。俺は見ての通りこんな体になっちまったからそういう考え方になった。俺達は互いに立場は全然違うけどよ、考え方の根底は同じってことか。面白ェ偶然じゃねェか。刑事としてまともに動けるのはおそらくお前の件で最後になりそうなんだよ。有終の美ってやつを持たてくくれよ」「辞めようとしてんじゃねェよ」「違ェよ。ここで結果出して報奨金稼いで先進医療ってやつを受けてェんだよ。それで死んだ脳みそ復活させてまたお前のイカれたおしゃべりの相手いくらでもしてやるよ」
「その死んだ脳みそ復活させるのってどのくらいかかるんだ?」「聞いてどうすんだよ。期待するだろうが3億だ」「じゃあ俺がアンタの頭カチ割って全部無かったことにしてやろうか。」逆に頭割らせてやるのに金取るからな。てめェが頭割りたいだけだろうがその顔面でクソイカれてるってマジで詐欺だよな。お前に殺された被害者に代わって言っといてやるよ。クソイカれてる」「それだけくだらねェことペラペラ喋れんなら別に3億もする治療受けなくてもいいだろ」「全然違ェよ舌は動いても手足動かねェのはまた違うだろ。それこそ刑事に戻るため、リハビリだってつきつめてやり倒したが日常生活の動きが出来るようになるたび、俺はこんな当たり前のことを一生努力しなきゃなんねェのかって失望した。片腕だけじゃ、女も満足に抱けねェし、お前みてェなイカれた野郎をガチボコに殴ることも出来ねェ。仕事も女も酒も満足に愉しめねェ人生だぞ。お前にもわかりやすく言ってやるよ。お前に置き換えれば、殺し方に制限がかけられ続ける人生ってことだ」
「あー。それなら分かるわ。辛ェな。俺なら死んだ方がまだマシだって思うかもな」
「やっぱそうかよ。このクソみてェな身体になってから命が助かっただけで良かったって思えって耳が腐るほど周りに言われまくってきたが、初めて同じ考えのヤツを見つけた。分かるか?ただの着替えや靴をはいたり、風呂に入ったり、日常動作を死ぬほど苦労してこなす毎日だぞ。俺はこんなことから一生努力しなきゃ生きてくのかって考えた時ゾッとしたね。半端に助かるより死んだ方がマシだとさえ思ってる。この先終わりのない努力を強いられることが分かってんのに死ぬのとどっちが地獄かわかんねェだろゲイブ、お前ならどっちを選ぶ?」
」俺ならそんな地獄自分で終わらせてやるね」
「オイ。アホ。俺は信心深いんだよ。自殺はダメだ。こんなクソみてェな理由でタブー踏んでたまるかよ。「イキがってるクセには今生じゃなくて来生に期待してんのかよ」「うるせェな。今生で取り返すに決まってんだろ。だから、より多くの金が俺に入るようにお前がちゃんとお前のことを俺へ語れよお前の決定や思考は尊重してやれるとは思う」「期待はしてねェから安心しろよ俺もアンタも今更夢や理想なんてもの語るクチじゃねェだろ。」「失望が目の前にひろがってるのに夢や理を語れるヤツがホンモノのイカれだろ。そう考えれば俺もお前もまだイカれ足りねェってことだ」「色々無駄に喋っちまったが。面会可能時間があと10分しかねェ。手短かに要点だけ話せるか」「お前がペラペラしゃべるからだろうが。ほとんどお前の話しかしてねェだろ。オイ、アホ。今すぐ殺していいか。楽にしてやるよ」「お前が共感したのが悪い。身障者イジめは懲役+140年って知ってるか?」「確かに俺はアホみてェな懲役だけどよ適当な嘘ついてんじゃねェ」「明日もちゃんと来いよ。お前みてェなフザけたアホに俺の今後が左右されるのが腹が立つ。」「いたいけな身体だが、そんな顔整いなアホを指名してきたのはお前だろうがあの鼻に付くFBIがキモいから話す気にならなかった気持ちは分かる。」「明日はアニマルセラピーの日なんだよ。お察しの通り、俺は繊細でね。五体不満足になった心の傷がまだ全然癒えてねェんだよ死刑囚じゃ癒せねェだろ」「ふざけてんじゃねェよ。オレの二審まであと一週間しかねェんだぞ。やっぱお前みてェなアホを指名したのは間違いだった」「あと一週間もあるんだろ。それまで誰にもお前のことを語ってこなかったってもったいぶった演出を入れてんだろ。それをもっと上手く使えよ。切り札ってのは最後まで隠し持っておくモンだろ。まだここで出しちまうのは早漏過ぎるくらいだろ。快楽殺人犯のおう悩なんてどんな理由があろうとも理解されねェんだよ。それはお前だって分かってんだろ俺だってそうだよ。俺のこの身体の不便さの辛さや苦しみを俺と同じ立場から理解されたいなんて理想は不毛で無理なんだよ。理解されなくても自分がよく分かってればいいだけの話だろそれでも納得いかねェなら、俺が聞いてやるよ。そのかわり俺の話はお前が聞けよ。誰しもに理解されはしねェが理解が近くて深いヤツと出会えた時の面白さってヤツをそうすれば互いに感じるられるだろ」「ゲイブ、取り敢えず今日のしめに聞いてやるよお前の立場からお前の犯行をしゃべってみろよ。したことは別にしゃべんなくていいぞなんで殺すことになったのかとかそういうところだ」厳戒監房の中で机ひとつ挟んだだけで2人は会話しているが、ジェラルドは不自由な身ながら介助や護衛も付けずにスーツ姿で約半年で30人を殺したシリアルキラーと正面から相対している。
「俺はこの見た目のせいで蛾みたいに見た目に寄ってくるヤツと俺を理解出来るヤツを見分けるために余計な殺しの手間がかかることになった。30人殺したが、理解しようとしたヤツも出来たヤツも一人もいなかった。殺してねェが、」「俺を理解出来たヤツは目の前のお前だけだ」「で、お前は俺の見た目に惹かれて指名したって訳だろ」「お前は死ぬ時までうるさそうだな」「よく言われる」「殺されてやる義理もねェからな殺してやる義理ならあるが」「まあ期待はしてねェよ」「アニマルセラピーに頼るようなメンタルの弱さのヤツに殺されるほど俺も弱くねェよ」ようやく二人の間に笑いが生まれたタイミングで外側からガンガンとライトの底で乱暴に都鉄扉を殴る音が遮った。面会時間の終了を告げる音だ。ジェラルドは看守から見えないのをいいことに扉へ向かって不自由な中指をわざわざ立て、ゆっくりと椅子から慎重に立ち上がった。その際、フラついてしまい、ガブリエルが慌てて向かい側へ駆け寄り、身障者の担当刑事の身体を支えた。ジェラルドはガブリエルより歳上ではあるが、体格の差は歴然だった。30人男女混合で殺しただけあって、ガブリエルは非常に美しい顔を持ち合わせながら2メートル近い高い身長を持ち、体格もかなり恵まれたものだった。ジェラルドも貧相とまではいかないが、180センチほどの決して低くはない身長だが、体格は麻痺の影響を、受けて筋肉量は減ってしまい、現役全盛期に比べてしまえば今や痩せ型だ。助けられたというのに自分でなんとかなったと思えば助けられた不甲斐なさに己に腹が立つのか、二の腕を引いて支える至近距離にあるガブリエルの美しい瞳を恨みがましく睨んだ。「安易に手を出してんじゃねェよ」「俺の目の届く場所で俺以外が理由で死んでんじゃねェよ。俺が殺すならまだいいが、床とかで頭打って死ぬとかクソつまんねェだろ。なら、俺に殺させろよ。安易に手を出されたくなきゃもっとしっかりしろよ。しっかりしてんだろ!見ろよ、ちゃんと俺の脚でしっかり立ってんだろ!俺が横から支えてやってるから今はしっかり立ててるだけだろ。このまま手を離してやろうか。お前一人で出口から出れんのかよ。素直に支えられとけ真意がみえねェ分、好意を受け取るのに嫌気がさすのは分かるつもりだ。安心しろよ。俺はお前をその内殺すための隙を探すために手伝ってるだけだ。正直、床に転倒したところを殺すなんて簡単過ぎるが、お前みてェなヤツにそれじゃつまんねェだろ」「簡単過ぎるかどうかはやってみねェとわかんねェだろ。だから安易に手を出すんじゃねェぞ」「その俺の聴取より大事なアニマルセラピーとかいうので脚が動くようになりゃいいな」「妬いてんじゃねェよ。お前の公判の日は俺も証人喚問に参加させられるから体調や体力を作ってんだよ。別に遊んでんじゃねェよ」
「そういう話を先にやれよ。次はいつ来るんだよ?30人分の事件の話をするんだぞ。お前のザコ体力に合わせてられるかよ。一日で語り尽くしてやっても構わねェんだぞ」「アホ。俺のザコ体力ナメんじゃねェよ。椅子に座ってられても2時間が限界だ。バカ。」「おい、マジかよ。ザコ過ぎんだろ。なんで引き受けたんだよ断れよ。に時間座るのが限界みてェなヤツに俺のこの先預けたくねェわ」「まあ、落ち込むなよ。体力はそんなもんだが、口は一日中動くから大丈夫だ」「それはそれで殺したくなるな。明日無理なら明後日は来いよFBIが来るのがウゼェんだよ
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それは俺もそうだからだ。俺にしても、もうそうなっちまったことはどうでも良くて、考えたところでこの先だってどうにもならねェだろ。なんでそうなっちまったかのの理由の方がよほど大事だからだ。ここはこの先いくららでも変えようがあるからだ。お前はその美人さゆえなんだろうが、おそらく、他人との関わり方とかだろう。俺は見ての通りこんな体になっちまったからそういう考え方になった。俺達は互いに立場は全然違うけどよ、考え方の根底は同じってことか。面白ェ偶然じゃねェか。刑事としてまともに動けるのはおそらくお前の件で最後になりそうなんだよ。有終の美ってやつを持たてくくれよ」「辞めようとしてんじゃねェよ」「違ェよ。ここで結果出して報奨金稼いで先進医療ってやつを受けてェんだよ。それで死んだ脳みそ復活させてまたお前のイカれたおしゃべりの相手いくらでもしてやるよ」
「その死んだ脳みそ復活させるのってどのくらいかかるんだ?」「聞いてどうすんだよ。期待するだろうが3億だ」「じゃあ俺がアンタの頭カチ割って全部無かったことにしてやろうか。」逆に頭割らせてやるのに金取るからな。てめェが頭割りたいだけだろうがその顔面でクソイカれてるってマジで詐欺だよな。お前に殺された被害者に代わって言っといてやるよ。クソイカれてる」「それだけくだらねェことペラペラ喋れんなら別に3億もする治療受けなくてもいいだろ」「全然違ェよ舌は動いても手足動かねェのはまた違うだろ。それこそ刑事に戻るため、リハビリだってつきつめてやり倒したが日常生活の動きが出来るようになるたび、俺はこんな当たり前のことを一生努力しなきゃなんねェのかって失望した。片腕だけじゃ、女も満足に抱けねェし、お前みてェなイカれた野郎をガチボコに殴ることも出来ねェ。仕事も女も酒も満足に愉しめねェ人生だぞ。お前にもわかりやすく言ってやるよ。お前に置き換えれば、殺し方に制限がかけられ続ける人生ってことだ」
「あー。それなら分かるわ。辛ェな。俺なら死んだ方がまだマシだって思うかもな」
「やっぱそうかよ。このクソみてェな身体になってから命が助かっただけで良かったって思えって耳が腐るほど周りに言われまくってきたが、初めて同じ考えのヤツを見つけた。分かるか?ただの着替えや靴をはいたり、風呂に入ったり、日常動作を死ぬほど苦労してこなす毎日だぞ。俺はこんなことから一生努力しなきゃ生きてくのかって考えた時ゾッとしたね。半端に助かるより死んだ方がマシだとさえ思ってる。この先終わりのない努力を強いられることが分かってんのに死ぬのとどっちが地獄かわかんねェだろゲイブ、お前ならどっちを選ぶ?」
」俺ならそんな地獄自分で終わらせてやるね」
「オイ。アホ。俺は信心深いんだよ。自殺はダメだ。こんなクソみてェな理由でタブー踏んでたまるかよ。「イキがってるクセには今生じゃなくて来生に期待してんのかよ」「うるせェな。今生で取り返すに決まってんだろ。だから、より多くの金が俺に入るようにお前がちゃんとお前のことを俺へ語れよお前の決定や思考は尊重してやれるとは思う」「期待はしてねェから安心しろよ俺もアンタも今更夢や理想なんてもの語るクチじゃねェだろ。」「失望が目の前にひろがってるのに夢や理を語れるヤツがホンモノのイカれだろ。そう考えれば俺もお前もまだイカれ足りねェってことだ」「色々無駄に喋っちまったが。面会可能時間があと10分しかねェ。手短かに要点だけ話せるか」「お前がペラペラしゃべるからだろうが。ほとんどお前の話しかしてねェだろ。オイ、アホ。今すぐ殺していいか。楽にしてやるよ」「お前が共感したのが悪い。身障者イジめは懲役+140年って知ってるか?」「確かに俺はアホみてェな懲役だけどよ適当な嘘ついてんじゃねェ」「明日もちゃんと来いよ。お前みてェなフザけたアホに俺の今後が左右されるのが腹が立つ。」「いたいけな身体だが、そんな顔整いなアホを指名してきたのはお前だろうがあの鼻に付くFBIがキモいから話す気にならなかった気持ちは分かる。」「明日はアニマルセラピーの日なんだよ。お察しの通り、俺は繊細でね。五体不満足になった心の傷がまだ全然癒えてねェんだよ死刑囚じゃ癒せねェだろ」「ふざけてんじゃねェよ。オレの二審まであと一週間しかねェんだぞ。やっぱお前みてェなアホを指名したのは間違いだった」「あと一週間もあるんだろ。それまで誰にもお前のことを語ってこなかったってもったいぶった演出を入れてんだろ。それをもっと上手く使えよ。切り札ってのは最後まで隠し持っておくモンだろ。まだここで出しちまうのは早漏過ぎるくらいだろ。快楽殺人犯のおう悩なんてどんな理由があろうとも理解されねェんだよ。それはお前だって分かってんだろ俺だってそうだよ。俺のこの身体の不便さの辛さや苦しみを俺と同じ立場から理解されたいなんて理想は不毛で無理なんだよ。理解されなくても自分がよく分かってればいいだけの話だろそれでも納得いかねェなら、俺が聞いてやるよ。そのかわり俺の話はお前が聞けよ。誰しもに理解されはしねェが理解が近くて深いヤツと出会えた時の面白さってヤツをそうすれば互いに感じるられるだろ」「ゲイブ、取り敢えず今日のしめに聞いてやるよお前の立場からお前の犯行をしゃべってみろよ。したことは別にしゃべんなくていいぞなんで殺すことになったのかとかそういうところだ」厳戒監房の中で机ひとつ挟んだだけで2人は会話しているが、ジェラルドは不自由な身ながら介助や護衛も付けずにスーツ姿で約半年で30人を殺したシリアルキラーと正面から相対している。
「俺はこの見た目のせいで蛾みたいに見た目に寄ってくるヤツと俺を理解出来るヤツを見分けるために余計な殺しの手間がかかることになった。30人殺したが、理解しようとしたヤツも出来たヤツも一人もいなかった。殺してねェが、」「俺を理解出来たヤツは目の前のお前だけだ」「で、お前は俺の見た目に惹かれて指名したって訳だろ」「お前は死ぬ時までうるさそうだな」「よく言われる」「殺されてやる義理もねェからな殺してやる義理ならあるが」「まあ期待はしてねェよ」「アニマルセラピーに頼るようなメンタルの弱さのヤツに殺されるほど俺も弱くねェよ」ようやく二人の間に笑いが生まれたタイミングで外側からガンガンとライトの底で乱暴に都鉄扉を殴る音が遮った。面会時間の終了を告げる音だ。ジェラルドは看守から見えないのをいいことに扉へ向かって不自由な中指をわざわざ立て、ゆっくりと椅子から慎重に立ち上がった。その際、フラついてしまい、ガブリエルが慌てて向かい側へ駆け寄り、身障者の担当刑事の身体を支えた。ジェラルドはガブリエルより歳上ではあるが、体格の差は歴然だった。30人男女混合で殺しただけあって、ガブリエルは非常に美しい顔を持ち合わせながら2メートル近い高い身長を持ち、体格もかなり恵まれたものだった。ジェラルドも貧相とまではいかないが、180センチほどの決して低くはない身長だが、体格は麻痺の影響を、受けて筋肉量は減ってしまい、現役全盛期に比べてしまえば今や痩せ型だ。助けられたというのに自分でなんとかなったと思えば助けられた不甲斐なさに己に腹が立つのか、二の腕を引いて支える至近距離にあるガブリエルの美しい瞳を恨みがましく睨んだ。「安易に手を出してんじゃねェよ」「俺の目の届く場所で俺以外が理由で死んでんじゃねェよ。俺が殺すならまだいいが、床とかで頭打って死ぬとかクソつまんねェだろ。なら、俺に殺させろよ。安易に手を出されたくなきゃもっとしっかりしろよ。しっかりしてんだろ!見ろよ、ちゃんと俺の脚でしっかり立ってんだろ!俺が横から支えてやってるから今はしっかり立ててるだけだろ。このまま手を離してやろうか。お前一人で出口から出れんのかよ。素直に支えられとけ真意がみえねェ分、好意を受け取るのに嫌気がさすのは分かるつもりだ。安心しろよ。俺はお前をその内殺すための隙を探すために手伝ってるだけだ。正直、床に転倒したところを殺すなんて簡単過ぎるが、お前みてェなヤツにそれじゃつまんねェだろ」「簡単過ぎるかどうかはやってみねェとわかんねェだろ。だから安易に手を出すんじゃねェぞ」「その俺の聴取より大事なアニマルセラピーとかいうので脚が動くようになりゃいいな」「妬いてんじゃねェよ。お前の公判の日は俺も証人喚問に参加させられるから体調や体力を作ってんだよ。別に遊んでんじゃねェよ」
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