嘲笑う神様

志摩 トマト

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「暗笑」-其の壱-

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      ーーー前回のあらすじーーー
 タイムリミットは1時間と少しあったはずなのにもう神の再生期が来たのかと、思いきや上条と櫻木は人間が仕組んだもの?だと言う。これを止めるのも田宮君の仕事らしい。どうする田宮君!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 「いいや。作戦はある。」

「なんだよ。」

「正面突破だ!」

「やっやっぱりか…。」

こんなことだと思った。

「いくぞ…!」

 俺は上条と櫻木の後ろに隠れ、警戒しながら部活棟1階のドアを上条は開けた。

「おい、何か居たか?」

「なるほどね…。」

俺はまだ2人の後ろに隠れながら静かに顔を出してみた。するとそこにいたのは人ではなく、床から壁まで書かれたよく分からない文字や、魔法陣?、その四方に置かれた亀、龍、虎、鳥の像だった。そして上条はその虎の像を素速く蹴っ飛ばした。

「これで一時的に解除されたはずだね。」

「りん、さっきの地震のようなものはこれが原因だ。この陣形は神獣の力をつかった四方滅陣のミニサイズだ、そしてこの文字は神人が魔の力、いわゆる魔術を使うときに使われると言われる文字。これで崩壊の呪文を描き、四方滅陣で力を借りて発動させたのだろう。」

「確かにこれなら人間でも発動できるけど、どうやって呪文や魔法陣を覚えたのかしら。」

「何言ってるんだ?これは神の仕業じゃないのか?」

「さっきも説明しただろ。これは神の再生期なんかじゃないぜ。神がやったらこんなんじゃすまない。」

「でも、この呪文をどうやって知ったのか分からないんだろ?じゃあ神が人間を操ったとかじゃないのか?」
   
 正直俺はそのとき何かの夢でも見ているのではないかと考えていた。これは夢で、朝起きたら母さんがまた、起きた10秒後に起こしてくれるんだ。平和な世界に戻れるんだと。
 だが、その夢は逆に、現実の出来事を強調させた。

「まって。これがもし、神の仕業だとしたら人間を操ってたみたいな事も考えられない?それだったらこの程度で納得できる。」

「櫻木まで何言っているんだ。」

「はぁ。こんなん討論してても駄目だな。時間は刻一刻と迫ってる。上条これをした犯人がどこにいるか分かるか?」

「そうだな。それには俺の力じゃ足りない。りん、そのお前の力で上げてくれないか?」

「やり方がわからねぇよ。」

「そんなん俺もわかるわけ無いだろ。試しに色々やってみてくれよ。」

「良いけど…」

俺は色々な方法で上条に力を与えようと頑張ったけどそれと言って効果が出たような感じはしなかった。強いて言えば、目を瞑って上条の背中に手を当て、上条に力を!!なんて恥ずかしい事を思ったときに一瞬頭がぼんやりしたぐらいだ。そのくらいだ。
 
      
             ん?




        もしかして? 





 「これか!」

「お!なにか掴んだか?」

「あぁ。多分!上条もう1回そこに座ってくれ。」

さっきのイメージを崩さないように…。上条の力を底上げするイメージを……!
その瞬間俺はどっと疲労感が押し寄せ、その場に起きてはいられなくなり、眠りについた。
 そして何時間経ったのだろうか。目を開けようとすると頭に柔らかい感触と、目の前には黄昏時の空にぼんやり人の顔の輪郭が見えた。




続く。
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