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六章 リリト
二
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淫魔の王とノーイは、淫魔の王視点では友人、ノーイ視点では不倶戴天の敵である。淫魔の王はノーイの本質を見抜いていた。魔王の右腕と呼ばれながらもその地位に一切の執着を持たず、ただ生きていきたいと望む、その本能的な生き方に好意を持った。
ノーイからすれば本気で勘弁してくれという話である。
大蛇の姿から人間の姿に戻った淫魔の王は、シェムハザに対して名乗りを上げた。とはいえ、真名ではなく愛称のようなものである。
「我が名はリリト!! 淫魔の王さ!! そこのノーイ君とは親友に」
「なってないしシェムハザはメイスを下ろして。コイツに攻撃を当てられないのはもうわかったでしょ」
「殺したい……」
「大神官にあるまじき呟きも止めて」
ノーイに言われてメイスを下ろしはしたものの、全く納得していない顔のシェムハザである。頬を少し膨らませ、拗ねたように横を向く姿はやや幼さがあり、ぱっと見は無害そうな、無邪気な子どものように見えるが、見えるだけである。
「で、リリトは何でここに来たの」
「サキュバスやインキュバスたちが今一番雇われたいダンジョンと名高きダンジョンを見に来るのは不思議なことでも何でもないだろう?」
「そんなことになってんの!?」
「冒険者をつまみ食いし放題、後始末のことは考えなくていい、どんな特殊性癖でも受け入れられるとあらば淫魔界の話題はもちきりさ!!」
「そんな風に言われてんの!? いやどんな特殊性癖でも受け入れるなんて話はないからな!?」
「そうなのかい?」
「そうです!!」
思わず敬語になったノーイを見て、きょとんと首を傾げるリリト。リリトが配下の淫魔たちから聞いた噂は、どんな特殊性癖持ちでも活躍できるダンジョンができたということと、比較的弱い淫魔でも悪くない条件で雇ってもらえるということである。事実無根とまでは言えない所が非常にもどかしい、とはノーイの感想であった。
「やっぱり殺します」
「断言すればいいって訳じゃないからな!?」
はたまた、願望から断言へと殺意の形を変えたシェムハザ。ノーイはそんなシェムハザを押し留めながら、一体自分は何をしているのだろうかと疑問に思うのであった。
ノーイからすれば本気で勘弁してくれという話である。
大蛇の姿から人間の姿に戻った淫魔の王は、シェムハザに対して名乗りを上げた。とはいえ、真名ではなく愛称のようなものである。
「我が名はリリト!! 淫魔の王さ!! そこのノーイ君とは親友に」
「なってないしシェムハザはメイスを下ろして。コイツに攻撃を当てられないのはもうわかったでしょ」
「殺したい……」
「大神官にあるまじき呟きも止めて」
ノーイに言われてメイスを下ろしはしたものの、全く納得していない顔のシェムハザである。頬を少し膨らませ、拗ねたように横を向く姿はやや幼さがあり、ぱっと見は無害そうな、無邪気な子どものように見えるが、見えるだけである。
「で、リリトは何でここに来たの」
「サキュバスやインキュバスたちが今一番雇われたいダンジョンと名高きダンジョンを見に来るのは不思議なことでも何でもないだろう?」
「そんなことになってんの!?」
「冒険者をつまみ食いし放題、後始末のことは考えなくていい、どんな特殊性癖でも受け入れられるとあらば淫魔界の話題はもちきりさ!!」
「そんな風に言われてんの!? いやどんな特殊性癖でも受け入れるなんて話はないからな!?」
「そうなのかい?」
「そうです!!」
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