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十一章 ランスロット
四
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さて、こちらにかなり有利な籠城戦ができるとはいえ、ダンジョンの中にずっといる訳にもいかない。どちらにせよ、どうなるにせよ、何らかの対応をしなければならない。
敵は教会の教皇派、取り敢えずはダンジョンの入口前で屯している神官兵たち。それから貴族によって遣わされた、勇者パーティーの一員であった騎士団長が率いる騎士たち。そして同じく貴族が雇ったのであろう、初級から中級の冒険者たち。
これ、王国を滅ぼした方が早いんじゃないかな……とノーイが物騒なことを考える中、ジューダスとシェムハザ、巫女たちが話し合いを続けている。王国を敵に回すと厄介だが、どう動いてもそうなってしまう可能性が高いのだ。
「王国を滅ぼすにはどうしたらいい?」
「王族から貴族家の末端に至るまで全員殺したら自然と滅びるのでは?」
「流石に死人を出しすぎたら逃亡先に困りますね。王国に敵対している国は海や山を挟んでいますし」
「最初に言ったオレが言うのも何だけどさぁ!! 発言に気をつけろ!! 次代の魔王か!!」
面倒臭くなったノーイが考えたことをそのまま口にしたら、シェムハザからえげつない献策があった。先読みの巫女であるアルカディアはアルカディアで既に皆殺しにした先について考えている。ノーイは本気で頭を抱えた。
「次代の魔王様は外出中じゃろ?」
「あーもう話聞かないヤツが増えたぁ……」
「これから王国と戦うのじゃろ? 大将がおらぬのは格好がつかぬなぁ」
そんなノーイの目前に、ぷらんと垂れ下がる糸、の先に小蜘蛛。元魔王軍四天王が一体、ペインの一部だ。ペインは牙をかちかち鳴らして笑っていた。
「まぁ、前哨戦とするなら魔王様が出る幕でもないか。で、どうするのじゃ? 死魔法で一網打尽にするのもいいが、数匹は伝令代わりに残しておかねば我等が存在が誰にも伝わらなくなってしまう」
「伝えたくねぇんだよなぁ!! 穏便にお帰りいただくにはどうすりゃいいかって話にしよ!! オレが最初に頭悪いこと言ったからかなぁ変な方針立てちゃってごめんね撤回するわ!!」
口は災いの元、という箴言の意味を痛感したノーイが悲鳴を上げる。が、そこでシェムハザが挙手した。彼のキリッとした顔を見たノーイは嫌々ながらもその発言を促す。シェムハザは至極真面目な顔で口を開いた。
「死魔法を使うなら隣で見ていたいです」
「今は自分の欲望とか抑えて話してくんねぇかなぁ!? 使わねぇわ怖いこと言うな!!」
やはりろくでもない。ノーイは天井を仰いで大きな大きな溜め息をついた。瞬間、話に混ざれなくて悔しかったらしいアークが脇腹に頭突きをしてきたので、返す手でアークの頭を叩いたノーイであった。
敵は教会の教皇派、取り敢えずはダンジョンの入口前で屯している神官兵たち。それから貴族によって遣わされた、勇者パーティーの一員であった騎士団長が率いる騎士たち。そして同じく貴族が雇ったのであろう、初級から中級の冒険者たち。
これ、王国を滅ぼした方が早いんじゃないかな……とノーイが物騒なことを考える中、ジューダスとシェムハザ、巫女たちが話し合いを続けている。王国を敵に回すと厄介だが、どう動いてもそうなってしまう可能性が高いのだ。
「王国を滅ぼすにはどうしたらいい?」
「王族から貴族家の末端に至るまで全員殺したら自然と滅びるのでは?」
「流石に死人を出しすぎたら逃亡先に困りますね。王国に敵対している国は海や山を挟んでいますし」
「最初に言ったオレが言うのも何だけどさぁ!! 発言に気をつけろ!! 次代の魔王か!!」
面倒臭くなったノーイが考えたことをそのまま口にしたら、シェムハザからえげつない献策があった。先読みの巫女であるアルカディアはアルカディアで既に皆殺しにした先について考えている。ノーイは本気で頭を抱えた。
「次代の魔王様は外出中じゃろ?」
「あーもう話聞かないヤツが増えたぁ……」
「これから王国と戦うのじゃろ? 大将がおらぬのは格好がつかぬなぁ」
そんなノーイの目前に、ぷらんと垂れ下がる糸、の先に小蜘蛛。元魔王軍四天王が一体、ペインの一部だ。ペインは牙をかちかち鳴らして笑っていた。
「まぁ、前哨戦とするなら魔王様が出る幕でもないか。で、どうするのじゃ? 死魔法で一網打尽にするのもいいが、数匹は伝令代わりに残しておかねば我等が存在が誰にも伝わらなくなってしまう」
「伝えたくねぇんだよなぁ!! 穏便にお帰りいただくにはどうすりゃいいかって話にしよ!! オレが最初に頭悪いこと言ったからかなぁ変な方針立てちゃってごめんね撤回するわ!!」
口は災いの元、という箴言の意味を痛感したノーイが悲鳴を上げる。が、そこでシェムハザが挙手した。彼のキリッとした顔を見たノーイは嫌々ながらもその発言を促す。シェムハザは至極真面目な顔で口を開いた。
「死魔法を使うなら隣で見ていたいです」
「今は自分の欲望とか抑えて話してくんねぇかなぁ!? 使わねぇわ怖いこと言うな!!」
やはりろくでもない。ノーイは天井を仰いで大きな大きな溜め息をついた。瞬間、話に混ざれなくて悔しかったらしいアークが脇腹に頭突きをしてきたので、返す手でアークの頭を叩いたノーイであった。
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