風と翼

田代剛大

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徳川家康編:REVELATION

第3話 浜松スタジアムにて

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数ヵ月後・・・
浜松スタジアム
大道寺「あのオヤジ、性懲りもなくまた挑戦してきやがって・・・」
カイト「まあ、シーズンオフだし付き合ってやろうよ・・・」
球場に入ると、駿府レプリカンツのロボット選手はすべてスーパーロボットアニメのようなスタイリッシュなデザインに一新されていた。
立ち並ぶロボット選手を見てざわめく観客
「なんだあれ!?ちょっとかっこいいぞ!!」
「ママ!あのロボット欲しい!」

不安な顔になるカイト「おかしい・・・あんなかっこよさ重視のデザインじゃ無駄が多いし、前の合理的なデザインの方が絶対に野球はうまいはずだ・・・それとも、なにか罠があるのかな・・・」
キーボードを叩く安藤「確かに先輩の言うとおりです。走力、肩力、守備力、捕球・・・すべてのステータスが下がっている・・・」
バットを握る大道寺「なあに、ビビることはねえ。見てろ、カイト。
このオレの一振で、またぶっ壊してやる。
今度は床に落ちたガンプラのごとく木っ端微塵だ。」

マウンドに出て、監督の家康を指差す大道寺「オイ鉄くず屋!見た目を変えようが結果は変わらねえ!どんな剛速球も、このホームランランチャーの大道寺ヨシヲ様が打ち返してやる!」
ピッチャーロボ「ようしかかって来い・・・!」
大道寺「お・・・お前しゃべれるようになったんだな・・・余計な機能だがな。」
ストレートを投げるピッチャーロボ。
球速は150km
大道寺「甘い!!」
難なく打ち返す大道寺。打球は再びピッチャーライナー。

「危ない!」
ファーストロボが飛び出し、ピッチャーロボをかばってボールを受ける。
ボールが直撃し首が吹っ飛ぶファーストロボット。
ピッチャーロボ「ファーストロボ!なぜこんな馬鹿なことを・・・!」
ファーストロボ「ピッチャーロボ・・・オレはもうだめだ・・・しかし、必ず相模ブリーズに勝ってくれ・・・」
ピッチャーロボ「ファースト・・・!!オレのために・・・!」
観客「ひ・・・ひどい・・・」
子どもの泣き声が上がる。
大道寺「おい、この前と同じことをやったのに随分リアクションが違うぞ・・・」
安藤「さすがにひどいですよ大道寺さん・・・」
大道寺「お前まで・・・!」
ピッチャーロボ「機械には血も涙もないというが・・・本当に血も涙もないのは・・・どっちかな!!」
観客から歓声が上がる「いいぞレプリカンツ~!!」
「人間に勝って新しい時代を作ってくれ~!」
カイト「見た目が変わるだけでこんなに・・・これじゃあ今度はこっちが悪役だ。」
家康「観客の心がこっちに向いたのはいいが・・・ロボットのやり取りが妙に芝居ががってねえか・・・?」
本多「ガンダゲリギアス第35話『デトロイトは燃えているか』の名シーンを丸パクリしました・・・いや~いつ見ても泣けるわ」
徳川「まあいい・・・攻撃の要の大道寺はこれで封じた・・・!あとは敵ではないわ」
審判「ストライクバッターアウト!チェンジ!!」

マウンドに上がるカイト
翼「がんばってカイトさ~ん!」
大道寺「すまねえカイト!敵の攻撃を抑えてくれ・・・!」
カイト「この前はほとんどバットを振ってこなかったけど・・・」
打席に入るバッターロボット「世界最高の投手の方に投げていただいて光栄です。」
カイト「ど、どうも・・・」
バッターロボット「人間とロボットの違いはあれど、フェアプレーでいきましょう。」
カイト「では、お互い全力で。」
渾身の変化球を投げる。
ロボットはバットを降るが空振る。
審判「ストライク!」
バッターロボット「ふむふむ・・・さすがだ・・・」

2球目。
バッターロボットがタイミングを取り、カイトの変化球にバットを当てる。
審判「ファール!」

3球目。
強力な変化を付けるカイト。
ロボットは冷静に見極めバットを振らない。
審判「ボール!」

大道寺「なんか前と違うな。」
安藤「学習してるんです・・・」

4球目
バッターロボット「さすが、球種大図鑑と言われたことだけあります・・・しかし、次はヒットを打ちます」
カイト「言ってくれるな・・・!」
最も得意なナックルを投げるカイト。
バッターロボがジャストタイミングで打ち返す。
カイト「打たれた!!」
大道寺「早く返球しろ!」
守備が慌てて大道寺に返球するが、ランナーがやすやす追いついてしまう。
ついに一塁に走者を出すロボットチーム。
審判「セーフ!」
観客「すごい!風間の球を打ち返したぞ!!」

カイト「すまない。」
大道寺「お前は今まで打ち返されたことがなかったのか?気にすんな」

次の打者も1球め、2球めは見送るが、3球めで綺麗に打ち返す。
ロボットは走力が人間離れしており、必ず出塁してしまう。
気づくと、満塁になっている。
安藤(まずいな・・・先輩のピッチングフォームが読まれている・・・)
サインを送る安藤。
首を振るカイト。
あえてフォームを変えて縦スライダーを投げるカイト。
バッターロボを三振に打ち取る。
徳川「何だ!?ボールが消えたぞ!」
感動する本多「消える魔球だ!あんなのも投げられるんすね!!すげーな!」
服部「でも、これであの魔球も覚えた。」
本多「え?」
服部「打者たちは無線でデータを共有している。次の打者はきっと打ち返す。
社長。」
徳川「・・・」
服部「これで人間が野球をする時代は終わった。」

カキーンという大きな打撃音が聞こえる。
実況「なんと消える魔球をロボットが打ち返しました!これは大きいぞ!満塁ホームラン!!」
ショックでボンボンを落とす翼。
自分に言い聞かせるようにカイト「ま・・・まだ勝負は終わっていない・・・」

しかし、何度投げても3球目には必ず打ち返されて出塁されてしまう。
フォーク、シンカー、シュート、チェンジアップ・・・球種大図鑑の全てを繰り出しても・・・
球数が90を超え、疲れが見え始めるカイト。
点数は0点対32点
コールド負けになってしまう、えげつない点差がつく。
観客もカイトたちに憐れみの目を向け出す。
カイト「自分の野球人生でここまでの惨敗は初めてだ・・・」
安藤「先輩!もう降参しましょう・・・!」
大道寺「なんだと、てめえ、あんな機械に負けを認めろっていうのか!?」
安藤「もうぼくらの野球は完全に学習されました!絶対勝てない!」
大道寺「諦めたらそこで試合終了だってカーネルサンダースも言ってただろ!」
安藤「そんな根性論でどうにかなる話じゃないんだ・・・!
そもそもぼくはプロ野球の道にはいきたくなかったんだ・・・京都大学の理学部が受かっていたのに・・・!」
大道寺「なんだとお?」
安藤「僕にはわかっていた・・・遅かれ早かれ、プロスポーツは機械に取って代わられると・・・先輩は人間代表として頑張りました!もう諦めましょう・・・」
カイト「いや・・・ファンの声援がある限りぼくは投げ続ける・・・!」
大道寺「よく言ったカイト!心の友よ!」
安藤「ファンってどこに・・・」
翼の方に目をやり微笑むカイト。
カイト「もう変化球を捨てる・・・!渾身のストレートをお見舞いしてやる・・・!」
安藤「ストレートなんて久しく投げてないじゃないですか!」
カイト「腕に負担がかかるから封印してたんだけど・・・実は170kmは出せるんだ・・・」
大道寺「ザ・ミサイルのチャップマンを超えるじゃねえか!」
安藤「やめてください・・・先輩は大阪城の攻略で右肘を怪我してます・・・故障でもしたら選手生命が・・・!」
カイト「そんなわかりやすいフラグはこの漫画にはない・・・!機械に人間の意地を見せるんだ!!」
超速ストレートを投げるカイト「これでもくらええええええええ!!!!!!」



翌日のスポーツ新聞
「風間カイト右腕粉砕骨折。選手生命絶望、今季引退か?」
日光テクノロジーの社長室。
新聞を折りたたむ徳川「ついにプロスポーツもAIロボットに陥落か・・・」
服部「おめでとうございます社長。」
本多「プロスポーツが全部ロボコンみたくなっちゃうのも、な~んかつまんね~な」
テレビをつける服部「それはそれで面白いみたいよ。」
ロボット選手「出たなブラックアンドロイズ!今日こそお前を超える・・・!」
ロボット選手「ふははは、レッドレンジャーズ!相手に不足はないわ!かかってこい!」
すぐに順応する本多「確かに、日曜日の朝っぽくて面白いっすね」
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