風と翼

田代剛大

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徳川家康編:REVELATION

第13話 東京スカイツリーにて

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東京スカイツリー。
雷が響き渡る。
木の上のねこ状態になっているカイト。
カイト「やばいやばい!怖くて降りれなくなった!!」
ゲイン塔に雷が落ちる。
電撃で吹っ飛ぶカイト「ぎゃああああ!」
空中に投げ出され落下していくカイト。
カイト「鬼さん・・・人間と仲良くね・・・」

その時、ドローンが飛んできてカイトを捕まえる。
カイト「・・・!」
ラジコンをしている義経「間に合った・・・!」
将門「ゆっくり下ろせ、な。」
鬼たちがいる地上に降ろされるカイト。
カイト「ありがとう義経くん・・・死ぬかと思った。」
カイトの前にひざまずく義経ら鬼たち。
カイト「義経くん・・・??」
義経「風魔様・・・我が主君・・・」
カイト「へ?」
鬼「地上に闇を取り戻してくださってありがとうございます。」
カイト「あれってそういう装置だったの??」
義経「今までの数々の無礼をお許し下さい。思い出したのです。
あなた様が、地獄最強の鬼の王、風魔小太郎様であることを・・・」
カイト「え・・・違いますけど・・・うん・・・違いますけど。
君らのボスは、あの総統閣下でしょ?」
鬼「いえ・・・真の統治者であらせられた風魔様が姿を消したスキを狙い、あの信玄めが地獄を乗っ取り、世界征服を企てたのです・・・」
カイト「総統閣下は、東京都と友好を結んだんじゃないの??」
将門「あれは全て嘘だ。あんたも少しは疑えよな。」
義経「無礼だぞ!殺されたいのか将門!!」
鬼「しかし、信玄が再び封印された今、地獄の王はやはりあなた様以外にはいない・・・!」
カイト「まいったな・・・人違いだって・・・僕の名前はカイトだし。小太郎はぼくの父さん・・・」
土下座する鬼たち「王子でしたか!!」
カイト「ちょっと待ってよ!!うちの父はただのサラリーマンで・・・」
義経「お父上は・・・大きい背丈に耳まで裂けた口、長い牙を持っていませんか??」
カイト「確かに、長身で口はでかいけど・・・」
義経「王子失礼します・・・!」
カイトの髪の毛をかき上げる義経。
将門「どうだ?」
義経「やはり・・・頭蓋骨に角の跡がある・・・幼いうちに切断したようだ。」
カイト「そのたんこぶ、小さい頃からコンプレックスだったんだよな・・・だから野球部でも5厘刈りができなくて、先輩にいじめられ・・・」
鬼「王子!!我々をお導きください・・・!」
カイト「え~!!」

その時、陥没穴から空に飛び出してくる翼。
翼「地獄の鬼たちよ・・・!魔王信玄は成敗しました・・・
おとなしく降伏し、地獄に戻りなさい・・・!改めて封印します!」
カイト「うわ、すげえ!天使・・・!???」
鬼「王子!女神謙信です!!」
鬼「我々鬼は、あの女神に古から退治されているのです・・・!」
鬼「女神謙信と対峙できる鬼は、信玄のほかには風魔様のみ・・・
鬼の自由と権利を守るため、ぜひ討伐を・・・!」
カイト「天使様に暴力を振るうって、なんか罰当たりじゃない・・・?」
義経「な・・・なんて優しい王子なんだ・・・」
将門「つーか、バカだよな。」
翼「風魔・・・?いや、酒呑童子・・・!あなたも復活していたのですか??」
近づいてくる翼。
鬼「来ます!!」
カイト「ってええええええええええええ!!???
翼さん!!???」
翼「カイトさん!!!???」
将門「なんか、様子が変だぞ。」
義経「王子、謙信をご存知なのですか?」
カイト「ご存知もなにも・・・付き合ってますけど・・・」
翼「カイトさん!なんで鬼たちに崇め奉られてるんですか!」
カイト「鬼の王子とか言われてるんだけど、ぼくにもちょっとよくわからない・・・
それより、翼さん、その背中の羽は・・・」
気まずそうに目をそらす翼「わ・・・私は・・・」
カイト「正体は鶴だったとか??」
翼「違います・・・!ってそれでいいんですか??」
カイト「ぼくは翼さんの正体がなんであっても好きだよ。」
翼「それは・・・無理です・・・天界の天使と、地獄の鬼は決して相容れない・・・
こんなことなら記憶を取り戻すべきではなかった・・・」
カイト「え!?もしかして、ぼく、別れ話を切り出されてる・・・?」
将門「なんだ、この痴話喧嘩・・・」

千代女たちが駆け寄ってくる。
八重「翼ちゃん!よかった・・・!魔王を倒せたんですね・・・!」
千代女「カイトくんも無事みたいね・・・」
空を飛ぶ翼を見て長門「すげ~な・・・本当に女神様だったのか・・・」
翼「み・・・みなさん・・・」
カイト「じいさん、千代女さん、長門まで・・・すごい久々だなあ!」
金吾「これで一件落着かのう!」
長門「どこがだ。辺り一帯鬼だらけじゃねえか・・・」
義経「我々はもう、あなたがたと争う気はありませんよ。無条件降伏です。」
将門「いっちょ人間と鬼の国交樹立を祝して祭りでもしようぜ!」
千代女「ど、どういうこと・・・?」
カイト「鬼はそこまで悪い連中じゃないっぽいよ。」
鬼「ぼくたち平和主義者です・・・」
カイト「鬼は鬼で長いこと狭い地獄に閉じ込められて、いろいろ大変だったんだよ。」
翼「知ってます・・・私が封印してましたから・・・」
カイト「翼さん・・・鬼さんたちも地上に出してやってもいいんじゃないかなあ。
見た目が怖いだけで閉じ込めるのは・・・かわいそうだよ。」
八重「ひいいい、絶対食い殺されます・・・!」
カイト「だいじょうぶ。大豆しか食べないから。トイレも教えるからさ。」
八重「絶対フェイクニュースですって・・・!」
長門「それに、世界中で鬼が暴れてる。これはどう説明するんだ?」
義経「しまった・・・ハンニバル将軍たちが総統の命で兵を挙げたか・・・」
将門「鬼にも好戦的な奴がいるんだ。お前ら人間と同じだろ。」
翼「カイトさん・・・私の役目は彼らを封印すること・・・
そのためだけに存在しているんです・・・」
カイト「そんなこと誰が決めたの?悪い鬼だけ懲らしめればいいじゃないか。
ぼくは弱い立場を助けたい。それが人であっても鬼であっても・・・」
微笑む翼「カイトさんは変わりませんね・・・初めて会った時からずっと・・・優しい・・・
分かりました・・・鬼は封印しませんが・・・2つだけ条件があります。」
カイト「いいよ。」
翼「1つめ。スカイツリーのトータル・エクリプスは撤去します。
あれがあると、人類は滅んでしまうから。」
カイト「あれはチューナーだと思ってたんだ。いいよ。」
鬼「王子・・・」
カイト「夜だけ遊びにきなよ。」
鬼「はい・・・」
翼「2つめ。世界中で暴れている鬼を止めるために天界(タカマガハラ)から加勢を呼ぶことを許してください。」
カイト「ほかにも天使がいるの?」
翼「ええ・・・」



ヨーロッパ戦線
ハンニバル「現れたか・・・我が宿敵・・・ジャンヌ=ダルク!!」
プリマドンナのような格好をしているジャンヌ
「いい加減引退しなさい、おじいちゃん!」
スケート靴で高速スピンをし、吹雪を巻き起こすジャンヌ。
ハンニバル「ぐおおおお!」
凍りついていくハンニバルとアフリカゾウ。

中国戦線
韓信「二千年ぶりね・・・今度こそ決着をつけるわよ、ムーランちゃん!」
韓信と麻雀をするファ・ムーラン「チューレンポートン!32000点アル!」
韓信「いや~ん!」
ムーラン「約束ある!地下に帰るヨロシ!」

オリエント戦線
アレキサンドロス「なんだてめえは・・・戦場に女は邪魔だ、消えな!」
馬に乗った天使にトミーガンを乱射するアレキサンドロス。
薙刀ですべて跳ね返してしまう巴御前「・・・あ?何か言ったか?」
アレキサンドロス「女にしちゃ、や・・・やるじゃねえか・・・」
巴御前「その女に首をねじり切られたいなら前へ出な。」
アレキサンドロス「野郎ども!撤収だ!」
鬼「またインドまで行けなかった・・・」



日光テクノロジー
明智「世界中の鬼が引き上げていますね・・・」
服部「世界を覆っていた分厚い雲も消滅したよ。本日は快晴なり、だ。」
家康「どうしたんだ・・・?」
サラ「理由はわからないけど・・・少なくとも、あなたのロボットが鬼を食い止めたことは確かよ。」
サラに握手しようとする本多「姉ちゃん・・・」
サラ「ちょっと、気安く触らないでよ・・・!和解したわけじゃないんだからね・・・!」
秀頼「次は法廷で会おう・・・いや・・・その前に都市の復興があるから・・・
次の裁判は夏かな・・・」
家康「大阪夏の陣か。いいだろう・・・」
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