蒼炎の公爵令嬢 〜追放された私は、最強冒険者と共に真実の力に目覚める〜

雛月 らん

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成長の日々2

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 ある日、エリアナとレイヴンはギルドで新しいクエストを受けた。

「森の奥に現れた大型魔物の討伐。報酬は金貨五十枚」

 受付嬢が説明する。

「魔物の種類は不明ですが、E級冒険者数名が返り討ちにあったとのことです」

「E級が返り討ち、か」

 レイヴンは考え込んだ。

「おそらくD級クラスの魔物だな」

「私、まだF級ですが…」

「問題ない。俺がついている」

 二人は森の奥深くへ向かった。

 木々が鬱蒼と茂り、日光が遮られて薄暗い。魔物の気配が濃い。

「エリアナ、気をつけろ。周囲に複数の魔力反応がある」

 レイヴンが剣を抜く。

 その瞬間、四方から影が飛び出してきた。

 ダークウルフ——闇属性を操る狼型の魔物。通常のフォレストウルフより一回り大きく、毛皮は漆黒。

「四体!」

 エリアナは素早く魔法を詠唱した。

「風よ、刃となれ——ウィンドカッター!」

 蒼白い風の刃が、一体のダークウルフを切り裂く。

 だが、残り三体は怯まない。

「エリアナ、下がれ!」

 レイヴンが前に出た。漆黒の剣が閃き、一体を斬り伏せる。

 残り二体。

 エリアナは冷静に状況を判断した。風魔法では間に合わない。ならば——

「火よ、嵐となれ——フレイムストーム!」

 エリアナの周囲に、蒼い炎の渦が巻き起こった。

 制御された炎の嵐が、二体のダークウルフを包み込む。

 魔物たちの断末魔が響き、やがて静寂が戻った。

「見事だ」

 レイヴンが言った。

「複合魔法まで使えるようになったか」

「レイヴンさんのおかげです」

「いや、お前の努力の成果だ」

 しかし、戦いはまだ終わっていなかった。

 地面が揺れ、木々が倒れる。

 現れたのは、巨大な熊型の魔物——グリズリーベア。体高は三メートルを超え、その魔力は先ほどのダークウルフの比ではなかった。

「D級上位クラスか…」

 レイヴンが構える。

「エリアナ、お前が主攻だ。俺がサポートする」

「はい!」

 エリアナは深呼吸をした。

 この一ヶ月で学んだこと全てを、ここで使う。

 グリズリーベアが咆哮し、巨大な前足を振り下ろした。

「土よ、盾となれ——アースウォール!」

 エリアナの前に、厚い土の壁が出現する。

 グリズリーベアの攻撃が壁にぶつかり、亀裂が走るが、完全には崩れない。

「今だ!」

 レイヴンが側面から斬りかかる。剣がグリズリーベアの毛皮を切り裂くが、浅い。

「硬い…!」

「レイヴンさん、下がってください!」

 エリアナは両手を前に突き出した。

「火と風よ、一つとなれ——蒼炎竜巻ブレイズトルネード!」

 蒼い炎と風が螺旋を描き、巨大な竜巻を形成した。

 それはグリズリーベアを包み込み、高熱で毛皮を焼き、強風で身動きを封じる。

 魔物の苦しむ声。

 だが、エリアナは手を緩めない。

「まだ…!」

 魔力をさらに注ぎ込む。蒼炎竜巻が激しさを増す。

 やがて、グリズリーベアの動きが止まった。

「今です、レイヴンさん!」

「ああ!」

 レイヴンが跳躍し、剣を逆手に持って真上から突き刺した。

 グリズリーベアの急所——頭部に剣が深く突き刺さる。

 巨体が揺れ、そして倒れた。

 静寂。

 エリアナは膝をついた。魔力を使い果たしたわけではないが、集中力が切れた。

「大丈夫か?」

 レイヴンが駆け寄ってくる。

「はい、ただ少し疲れただけです」

「お前、本当に強くなったな」

 レイヴンは感心したように言った。

「一ヶ月前なら、グリズリーベアを相手にするなんて考えられなかった」

「それは——」

「いや、俺の指導もあるが、お前の才能と努力の賜物だ」

 レイヴンはエリアナの頭に手を置いた。

「誇っていい」

 エリアナの胸が温かくなった。

 家族からは一度も褒められたことがなかった。でも、レイヴンは違う。彼は自分を認めてくれる。

「ありがとうございます」

「礼はいい。帰ってギルドに報告だ」
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