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妖狐🦊🐯

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籠城

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縋ったっていいじゃない



陳腐な言葉でただ見つめていて



つたない舌で回すことすら、もつれっぱなしの劣等感



ええ??なんて思うわけないの



それが私という姿だから



ええ、なんでそんなことするかって?



それで私が落ち着くからよ



弱い弱いの殻に守られて



知れぬそれらに飛び交う欲求



うだるようでも動けない満身



あざ笑う人々の慢心に護身



やがて時が解決して、二度と現れることもない潔に関心



透明な言葉に色づいたとしても



決して綺麗だとは限らない



望み澱んだ歪な盃に注がれる



正義と執行の色をしたドス黒い液体



口元へ運ぶ頃には不条理が溶け出して



あらゆる隙間から溢れ出てしまう



例え身体に入っていっても



内側から染まってしまうタチの悪い言霊



平気で呑んでいるのが信じられないって?



それは単に気づいていないだけ



右も左も当たり前のように



知らず知らずに強いられては手に取って



少しずつ身体に溜まっている



時折見せる苦言を申すような歪んだ顔



サインはしっかり出しているのに



客観視できないから気づくこともままならない



そんな外側に飛び込むくらいなら



私はこのままでいいずっと
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