王道学園の堅物風紀委員長は天然無知なヤンキー君が好きらしいです。

逢流

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今日は暖かいですね

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 「蛇島、落ち着いたか?」

 「………心配ない。」

 その後も少しの間泣いていた蛇島はやっと落ち着いてきて、今は2人で中庭まで来ていた。

 「蛇島、俺達は恋人…という事で、いいのだろうか?」

 頷いてはいたが泣いていたし、はっきり言葉にしてもらった訳じゃない。
やはり不安になってしまう…。

 「…………名前。」
 「え?」

 予想外の言葉が返ってきた。

 「えっと…名前とはどういう事だ?」
 「……名前、さっきみたいに下の方で呼ばないのか…。」

 少々下を向きながら呟く様な声で伝える
 そして俺は

 (あ"ー!可愛い!そうだよな、さっきは神楽って言ってたもんな!いつもの癖でつい苗字で呼んでた!これからは下の名前で呼ぶからそんなにしょげるな!イヤでも可愛いからもう少ししててもいいぞ!いつもの無関心な態度とは違うギャップが可愛い!!)

 などと頭の中が大変馬鹿になっていた。

( 駄目だ、このまま話したら大変な事になる、落ち着け!深呼吸…深呼吸…)

 「す、すまない、ついいつもの癖でな。」
 「別に、気にしてる訳じゃない。」
 「そうか。」

 そっぽを向きながらそう言う神楽に、なんだか微笑ましくなる。

 そんな雰囲気が少しの間続いていると

 「ねぇ、そろそろ話進めたら?」
 「うわっ!て…有馬先輩?」
 「やぁ、久しぶり…神楽は本当に久しぶりだね。」
 「海人…」

 神楽は、先輩の方を戸惑う様な悲しい様な嬉しい様な顔で見ていた

 「……久しぶり…。」
 「うん」

 先輩は嬉しそうな顔で神楽を見ている

 「さて、君達は付き合ったという事でいいのかな?」
 「っ、おい」
 「はい」
 「お前もなぁ…」

 神楽は俺達2人に呆れている様で、言葉は続かない。
 
 「神楽は?」
 「は?」
 「神楽は、本当に好きなの?」
 「っ!、そんなの…今言う必要ないだろ」
 「あるよ。」

 真剣な目をして聞く

 「………………好きだよ…」

 さっきよりももっと小さな声で、顔を赤くしながら答えた。

 「神楽!俺も好きだ!」
 「うるせぇ、分かってる。」
 「はいはい、俺としては神楽の気持ちがはっきりしてるならいいから、まぁ神楽を泣かしたのは許さんけど。」
 「なっ!いたんですか…。」
 「いや~、たまたまだよ!たまたま!」

 笑いながらそんな事を言う。

 「ははっ」
 「え?」
 「はははっ!」
 「神楽…。」

 神楽が、笑っていた……。

 「ははっ!すっげぇ久しぶりに笑った!」

 それからも笑い続ける神楽に、俺達は只々ただただ見てるしかなくて

 だって…あの神楽がこんな風に笑うなんて思うだろうか?
 いつも無表情で眠たげな顔をしてる、ニヒル顔とか照れてる顔は見たことあるけど、こんな楽しそうな顔は初めてだ……。


























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