リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

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閑話  ジュリエット 3

 「義父上、なぜ『努力』なんですか?」

ミレー氏は目をつぶってはっきりといった。

「乳母がジュリエットから離れない、ジュリエットも乳母を離さない」

「理由は?」

 ミレー氏は言い淀んでいた。が、ぽつりと言った。

「乳母は妻の異母姉妹でな…。産後の肥立ちが良くなくて寝付いてる妻の代わりに、娘を亡くしたところの彼女が来たんだ、乳母として」

「お子さんを失くしたところの人をですか?」

ニコルの声に呆れが滲む。

「彼女が妻に提案したらしい…。そこは妻と彼女の間のやりとりで決まったようだ」

 ミレー氏はかなり躊躇いつつとうとうニコルに打ち明けた。

「ジュリエットには本当に軽いものだが魅了の力があるんだ…。発動条件は肌を長時間触れあっている事、だ。その面積が広いほど影響がある。乳母は………魅了の力にやられてるんだ、多分」

ニコルは眉を顰める。

「…少しは君もやられてると思うぞ。ジュリエットを離縁しようとはしてないだろう?」

「ジュリエットにその自覚は?」

「ない。教えてないからな。鑑定士に将来の為に教えない方がいい、と言われた。そんなものを自覚して使ったらろくなことにならないと…」

ニコルは頭を抱えたが、はっきりといった。

「今の話、義叔母には通しておきます」

「ジュリエットと離すと乳母はどうなりますか?」

「………1週間もしたらおちついて妻の話し相手になっている」

ミレー氏は続ける。

「君たち、ドルバック本家の血ならあの子の魅了の力もそうそう毒にはならないと思う」

「まぁ…常時加護付きですからね」

「なので………あの子ジュリエットを本家においてやってほしい」



  ややあって義叔母だけを呼んでもらいニコルはミレー氏に聞いた話を告げる。

「………そうね、ちょっと話し合ってくる。婦人会の要求をまとめてくる」

義叔母はそういうと部屋を出て行った。

「私はあの子に魅了されるのだ怖くて、ほとんど抱いた事もない父親だ。そして乳母はあの子に肉親の情を抱いてる上に、亡くなった自分の娘の代わりに溺愛してるんだ」

ミレー氏はぼそぼそとそんな話をしている。ジュリエットが3歳の頃に弟が生まれて、ジュリエットの母親は下の子にかかりきりになったこと、乳母がうまくジュリエットと周りの事をやってくれたおかげでジュリエットの母親は楽になったこと。そして嫁入りが早々に決まったのはニコルと同世代の一族の女性は数が少なくニコルが学校に行っていた間に婚約者が出来たり恋愛で結婚したりで対象女性がいなくなったことでジュリエットが繰り上がった事。

 ニコルは顔も見た事のない婚約者がかつてはいたが、早々に妊娠したのでその相手と結婚となり婚約を解消してからはのんびりしていたのだが、他所からの申し込みが来だしたので8家と父親がジュリエットに打診し、ミレー氏はジュリエットを嫁に出したというのは知っていた。

 「ジュリエットがあの時期、色気つき始めて、な。性的なことに興味を持っていたので早々に嫁にやった方がいいと思ったんだ」

 ミレー氏の言葉にニコルは思い当たる節があった。ニコルももう少し、2~3年待ってからの夫婦生活の開始を予定していたのだが、初夜から自分から誘ってくるし、もう少し待ってからと言ってるのに

『本当のお嫁さんにしてください』

と泣く様子にほだされて12歳のジュリエットに手を出してしまった。ジュリエットはその後も覚えが良く、あっという間に妊娠したのだった。この国で12歳で嫁ぐのもものすごく早婚というわけではなく早々に結婚した少女たちはすぐに子を持つことも多かった。
 そうして第1子のルイを産み、結婚して12年で6人の子持ちとなった。うち二人は双子であるが、ジュリエットは次々に子供を生んでくれたのでニコルは感謝していた。
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