6 / 585
エドガーの章
05
しおりを挟む
「今日の俺はただの釣り人だ」
そういいながら父親は息子たちの依頼についてきた。もちろん釣り道具のセットも持って。今回はエドモンドも一緒だった。
「私は休日を海釣りでして」
とニコニコしている。エドガーもルトガーもやりにくいなぁと思いながらも文句を言うことなく漁港へ旅立った。漁港に着くと馬車止めに馬車を止める。御者までもが釣り道具を用意していた。帰り道に聞いたところ、御者とエドモンドは本当に海釣りが趣味でただ単に父親に便乗しただけであった。二人の釣果は帰宅後に一塩された釣りたての魚が出てきたり、干された魚が出てきたり、これから一週間魚のスープが続いたりでかなりあったことが分かった。
エドガーとルトガーの釣果はごく普通。釣り竿では釣れなかったので船に乗せられ投網でとる要員として連れていかれた。港へ戻ると報酬のうち銅貨10枚分をエドガーとルトガーは受け取った。残りの銀貨5枚はギルド預かりにしてもらう。港の釣り竿勢はまだノルマが終わらないらしい。冒険者ギルドの職員に
「早く帰ってもいいよ、でもそろそろ屋台が出るからそれ見てからでいいと思うよ」
と言いながら二人に屋台で使える無料券、1枚で串を1本もらえる、を2枚ずつくれた。
「小腹すいてるだろ?」
エドガーは小腹どころか!と思った。父親たちの様子を見に自分たちの馬車を見に行くと誰もまだ戻ってなかった。
暫くするとタンパク質の焼ける良い香りが漂ってくる。エドガーとルトガーは一目散ににおいの方へかけていった。肉串は豚も牛も鳥もあり、それはギルドの出店だそうだ。釣れた魚を塩で焼いてそっけないパンにはさんだものも、ソーセージをはさんだパンも出ていた。二人はよく相談して、魚をはさんだパンと牛を甘辛く味付けて焼いた串2本を買った。全部で無料チケットと銅貨6枚で購入できた。そこここに置いてあるテーブルに座り二人がパンを分けて食べているところにエドモンドと父親と御者がやってきた。エドモンドはなじみの屋台に魚を渡していた。魚の代わりに魚串を人数分と魚のすり身を味をつけ一口大に丸め油で揚げたものを持ってきた。御者は荷物を預かると屋台で何かを買ってそのまま馬車に戻っていった。
揚げたてのすり身のボールを一つ口に入れ、噛む。中からとろり、とチーズが出てきた。エドガーとルトガーは美味しそうに色々なものを食べる。父親はそんな様子を目を細めて幸せそうに見ている。その手にはこの漁港の人が飲む酒精の強い酒があった。葡萄酒の搾りかすから作られた蒸留酒だそうで、父親はこの酒の荒っぽさが好きなのであった。
「屋台のご飯、美味しいな」
無邪気にそんなことを言うエドガーをルトガーもエドモンドはにこにこして見ている。そこに先ほどの屋台の人がエドモンドに大きな箱を渡した。これは氷の魔法がかかった箱でその中に捌いたサーディンを氷魔法で凍らせてあるものがたくさん入っていた。
「すごい量…」
「帰ったら干したり加工したり忙しくなります。覚えて置いたらいいかもですね」
エドガーとルトガーにそんなことを言う。確かに保存方法を知っていれば冒険者としては便利なのかもしれない、エドガーもルトガーもそう思った。
==========================
今日から暫く1話更新になります。
そういいながら父親は息子たちの依頼についてきた。もちろん釣り道具のセットも持って。今回はエドモンドも一緒だった。
「私は休日を海釣りでして」
とニコニコしている。エドガーもルトガーもやりにくいなぁと思いながらも文句を言うことなく漁港へ旅立った。漁港に着くと馬車止めに馬車を止める。御者までもが釣り道具を用意していた。帰り道に聞いたところ、御者とエドモンドは本当に海釣りが趣味でただ単に父親に便乗しただけであった。二人の釣果は帰宅後に一塩された釣りたての魚が出てきたり、干された魚が出てきたり、これから一週間魚のスープが続いたりでかなりあったことが分かった。
エドガーとルトガーの釣果はごく普通。釣り竿では釣れなかったので船に乗せられ投網でとる要員として連れていかれた。港へ戻ると報酬のうち銅貨10枚分をエドガーとルトガーは受け取った。残りの銀貨5枚はギルド預かりにしてもらう。港の釣り竿勢はまだノルマが終わらないらしい。冒険者ギルドの職員に
「早く帰ってもいいよ、でもそろそろ屋台が出るからそれ見てからでいいと思うよ」
と言いながら二人に屋台で使える無料券、1枚で串を1本もらえる、を2枚ずつくれた。
「小腹すいてるだろ?」
エドガーは小腹どころか!と思った。父親たちの様子を見に自分たちの馬車を見に行くと誰もまだ戻ってなかった。
暫くするとタンパク質の焼ける良い香りが漂ってくる。エドガーとルトガーは一目散ににおいの方へかけていった。肉串は豚も牛も鳥もあり、それはギルドの出店だそうだ。釣れた魚を塩で焼いてそっけないパンにはさんだものも、ソーセージをはさんだパンも出ていた。二人はよく相談して、魚をはさんだパンと牛を甘辛く味付けて焼いた串2本を買った。全部で無料チケットと銅貨6枚で購入できた。そこここに置いてあるテーブルに座り二人がパンを分けて食べているところにエドモンドと父親と御者がやってきた。エドモンドはなじみの屋台に魚を渡していた。魚の代わりに魚串を人数分と魚のすり身を味をつけ一口大に丸め油で揚げたものを持ってきた。御者は荷物を預かると屋台で何かを買ってそのまま馬車に戻っていった。
揚げたてのすり身のボールを一つ口に入れ、噛む。中からとろり、とチーズが出てきた。エドガーとルトガーは美味しそうに色々なものを食べる。父親はそんな様子を目を細めて幸せそうに見ている。その手にはこの漁港の人が飲む酒精の強い酒があった。葡萄酒の搾りかすから作られた蒸留酒だそうで、父親はこの酒の荒っぽさが好きなのであった。
「屋台のご飯、美味しいな」
無邪気にそんなことを言うエドガーをルトガーもエドモンドはにこにこして見ている。そこに先ほどの屋台の人がエドモンドに大きな箱を渡した。これは氷の魔法がかかった箱でその中に捌いたサーディンを氷魔法で凍らせてあるものがたくさん入っていた。
「すごい量…」
「帰ったら干したり加工したり忙しくなります。覚えて置いたらいいかもですね」
エドガーとルトガーにそんなことを言う。確かに保存方法を知っていれば冒険者としては便利なのかもしれない、エドガーもルトガーもそう思った。
==========================
今日から暫く1話更新になります。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
64
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる