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ダンジョン攻略の章

01

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 アキラ達が拠点に旅立つ前日の朝、宗介がクランハウスにやってきた。

「とりあえずいか飯といかと芋の煮ものと大根サラダ用の千切り大根仕込みに来た。出来たやつからアイテムボックスに入れとけ。あったかいままの保存だからダンジョンでほっこりするやろ」

マルクから色々聞いてきたらしい。

「若かったら一緒に行きたいところやわ」

宗介は笑いながら言う。

「これつまんどき」

と焼いたゲソが出てきた。色々話しながら聞いてると奥さんと子供は元の奥さんの郷里に住むことになったらしい。

「あっちにはあの子の親も友達もおるし。別れてもいいんやけど、仕送りしたるから結婚はしたままやな。好きな男できてうまい事いくようやったら別れようって話ついたわ」

とさらっと宗介は言った。

「そもそも体の関係ないしな」

「ソウスケの子供じゃなかったのか」

エドガーはびっくりしたように言う。宗介が来てると美味しいものが出てくるので台所にエドガーも居たのだ。マルクの話を聞いて宗介が妻と子供と一緒に住んでると聞いていたので勝手に宗介の子供だとエドガーは思い込んでいた。

「おっちゃんの年考えーや」

宗介が笑う。

「でも、50は行ってないでしょ?」

エドガーの言葉に宗介がむせた。

「何言いよんねん。褒めてもなんも出ぇへんで。おっちゃん今年で69やぞ」

アキラ以外のそこにいる人間が目をむく。魔術師でもない人間がこんなに若く見えることはまずないからだ。

「アキラちゃんはわかるよな」

宗介がアキラにフォローを求める。

「宗介は少し若く見える感じ。俺らの元の国の人間からしたらこっちの人間が老けてる」

アキラの言葉に宗介も頷いてる。



 
 「居酒屋宗介出張所だ」

結局宗介は荷物一式を積んで竜の探索者とともに『拠点』に来た。アキラは少し呆れつつ嬉しそうだしブラッドは露骨に喜んでいる。結局話し合って年黄金貨3枚で雇う、ということにした。経理の人間がいないとやばくなるな、と思ったらそれはマルクが引き受けてくれるという。マルクは一応御者でウルリッヒ商会に雇われていたが一時は経理事務もやっていたらしい。

「色んな部署で働いてたからな」

と本人は言う。読み書き計算はオールとブラッドに仕込まれていたし、オールと一緒にブラッドの鍛冶仕事の依頼の管理と長じては経理までやっていたのだ。エドモンド曰く

「どの部署でも器用に仕事をこなすから重宝されてましたよ。今でもマルクならすぐ商会に戻れます」

と。エドモンドは商会の中でも遊軍扱いだったのでこの『拠点』プロジェクトにかなり注力できた。エドガー達の様子をエドガーの父親ラルフに報告するという仕事も受け持っていた。エドガーが

「子供扱いされてる」

と不平を言う。ルトガーはエドガーを諭す。

「スポンサーの一人なんだから状況を知りたいっていう要求には答えないと。毎週北の侯爵様に出すようなレポート作らなく良い分楽だろ?」


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