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ダンジョン攻略の章

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 「こういうお遊びは…赤竜の好きな事だな。ひっかきまわして楽しむ悪癖持ちだ」

「冗談がきついタイプが」

ヨアヒムの言葉にアキラは頷く。

「そうだな、冗談が冗談にならないっていうタイプ。俺が4人の中で一番ちびだから被害が集中してたし、それが面倒になって黒の力で別の所に飛ばしてもらったんだ。赤が落ち着くまで遊んでろ、って」

小部屋で静かに話す。

「グリーナーが目が覚めたら、全員で転移して帰るか」

「一応門置いていかないか?わざわざ『ハズレ』って置いとくのが気になる」

オールがいう。

「門、置いてたら悪用されるかも」

とアキラ。

「ここなら地図も出来上がってるし、すぐに来れるだろ。ここのダンジョンコアは竜の玉だから用心したほうがいい」

アキラに言われオールも考えを改めたようだった。

「二回目入って様子変わってたらそれはそれで色々怪しいしな」

「うーん。この国にかつてあったっていうダンジョン、入っとくべきだったな。俺以外の、赤、金、銀はちょくちょく冒険者に混じって遊んでたんだけど、俺はみんなよりだいぶ遅れて生まれたから端末まだつくれなかったんだよ。成体じゃなかったし」

エドガーが尋ねる。

「今はもう成体、なの?」

「うーん、厳密にいうとまだ成体ではない。子供ではないけど」

「俺らと一緒な感じ?」

ルトガーとエドガーが目をあわせる。

「そんな感じ。…少年期?ランディになるにはまだしばらくかかる、って所」

「じゃ、俺らまではまだまだだな」

とヨアヒムとマルクが笑う。その笑い声でグリーナーが目覚めた。

「ん…、寝てた?」

デヴィッドが頷き、優しく髪を撫でた。



 デヴィッドの転移で一旦ダンジョンから出る。

「一旦、拠点に戻る、でいいかな?」

周りの雑魚敵を気軽に倒しながらヴァイキーとランディが遊んでいる。

「そうだな。一旦、帰って分けるものは分けて、ギルドから人呼んで。来週くらいに再出発ってことにしよう。…その間真面目にギルドに出勤して仕事片付けるか」

デヴィッドがいかにも気が重いという風に言った。

「勤め人はつらいねぇ」

ヨアヒムが茶々を入れる。その辺を掃除し終わったようなのでオールが門を開きデヴィッド以外の人員が門をくぐったのち、デヴィッドは魔具を回収し自分の魔力で転移した。




「なんでお前がいるんだ」

ヴァイキーが心底冷たい声を出している。

「つれないわねぇ。あんたを追っかけてきたのよ、借金の催促に」

「だから冒険者復帰したんだろうが」

エヴァはうふふっと笑う。

「あの女と離れてるからそれでいいんだけど。健康な私は貴方のそばで冒険もできるわ。あんなお金ばっかりかかる女より私の方がいいわよ?あなた専門のヒール係もできる」

エヴァはヴァイキーに縋りつく。

「俺はお前には愛情も恋情もこれっぽっちもない。俺の妻はロッテだ」

ヴァイキーがきっぱりという。

「あー、エヴァ、その借金俺が払う」

ヨアヒムが口を出した。

「ちょっと、何よそれ」

「金返せばお前がここにいる必要はない。ヴァイキーの借金は俺への借金になるのでお前がヴァイキーに関わる必要はなくなるだろ?」
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