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金と銀の玉の章

03

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 「俺が先頭で、アキラが殿な。で、マリナは真ん中。マリナの魔物除けの効果は俺やアキラ以外はちゃんと恩恵受けろよ?俺とアキラは大抵の攻撃とか毒とかじゃ致死までいかないからな」

「そうだな」

レッドとアキラは頷きあう。

「つまり、俺やアキラがやられる敵は相当ヤバイって事」

レッドはアキラの髪をくしゃくしゃとしながら言った。ヨアヒムはレッドはなにかというとアキラの髪をくしゃくしゃと撫でるな、と思ったしアキラの性格だとそれが鬱陶しいと感じてたんだろうなぁ、と二人を見ていた。

「そういや、ルトガーはレッドみたいなことしないな」

エドガーが鼻を掻きながら答える。

「あー、兄は多少潔癖症のきらいがあるから他人に触れるの嫌なんだと思う。あと姉がかなり兄にべったりだったからそういうのもあるのかなって」

「ユリアーナちゃんが?」

「…もう一人の方」

「ブランカちゃんか。街でちゃんとやってるのかね」

「さぁ?エドモンドは何にも言ってないから何もないんじゃないですかね」

ヨアヒムはエドガーの口調からブランカの事にはなにかひっかかりがあるんだな、と悟る。


 「…何にもないな」

レッドが呟く。レッドの後ろにいたヴァイキーが頷き、魔剣は声を出す。

「ここ生き物の気配がない。…虫の気配すらない」

「それ、やばいな」

レッドが言う。

「俺が気配を感じないってことは何もいないって思ってたが」

遠くでずるり、という音が聞こえる。何かが這っているような音だ。

「なんで何かがいるのに、俺にはわからんのだ」

レッドがつぶやく。

「そもそも気配がないのがおかしい。

「レッド、後ろからも同じ音がした」

「挟まれたか」

アキラとレッドは落ち着いている。

「近づいてきたな」

通路の真ん中で立ち止まる。

「あははは、そうか、レッドこれ以上近づいてこれないんだよ、きっと。マリナの力だ」

アキラが笑いながらいう。オールは前後に探査の魔法を放った。

「いた。…この感じはスライム系だな」

レッドは指示を出す。

「俺が目視してくる。ヴァイキーここで待機」

「了解」

「オール、一応君ら全体に身体強化の魔法と結界張っておいて」

「わかった」

「アキラ、動くなよ?」

「…わかった」

アキラは不服そうにそう返した。



 ややあって、レッドが戻ってきた。

「通路サイズの透明なスライムっぽいものだった」

「焼くか、酸か…」

「俺、麻痺毒の矢弾つめてあるけど」

エドガーの言葉にレッドが少し考える。アキラが先に口を開いた。

「魔法で足止め、麻痺毒と麻痺魔法で同時攻撃、かな?」

「どう組む?」

「オールとレッド、俺とエドガーでいいんじゃない。凍らせて動けなくするつもりだから」

アキラとレッドは打ち合わせてから手と手を合わせている。
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