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そろそろ
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そろそろ一度は話さないと、とは思ってました。
ベルトラン兄様は人気があるのか女子の嬌声が聞こえて来ます。そして私の手を取るとフロアの真ん中の方に出ました。
「ブランシュは三曲以上は踊らないから気が気じゃなくて」
なんで知ってるんですか、この人。私はまだ本式には社交界デビューしておりませんし、ダンスをするのも貴族の子弟の中でのソシアルクラブでのことなのですが。
兄様の阻止が入らなかったと言うことは『とりあえず踊っとけ』ってことでしょう。
「しかし、シリル君の女装は見事だな。見惚れてる男も多かった」
「そうなんですか」
まぁ、正直、アニエスさんより可愛かったけども。さくらんぼ色の口紅が違和感ないってどう言うことよ?
「ブランシュには話しておくのだけど。側妃様はブランシュを諦めた時に私の婚約者に内定してた人でね」
それは初耳。ま、ベルトラン兄様の事は極力耳にも入れず目にもせずだったのだけど。
「2年前に、うちの領内に呪詛がばら撒かれて結婚やなんやを侯爵家の方が嫌がって揉めてるうちに向こうが、ギャンブルのカタに側妃様をブラック男爵に差し出すことになって」
ブラック男爵、かなり趣味の悪い方ですの。裸の女性を食器にして切り刻むのが好きな人な方で。ナイフやフォーク、熱々の食品などで身体中に傷をつけるのが趣味で……。今までお妾さんを含めて何人もの女性が使い潰されて来たのです。この趣味を公言してるのはそれでも妻や娘を差し出すと言う相手を選ぶため、だそうです。
「で、正妃様に相談して彼女を引き取ってもらったんだ。ブラック男爵に渡すくらいなら陛下の横にいてくれる方が安心だしね」
「兄様が借金の肩代わりをするのではいけなかったの?」
ベルトラン兄様は首を横に振る。
「同じ事を繰り返すだけだよ。侯爵家を潰すのは政治的に賛成できないし」
「では早くご結婚なさればよかったのでは?」
「呪詛がね、あの当時はまだまだで。聖騎士様と原因探ったけど今ひとつで。ただ、東方の術師を雇った時に、父親に再婚の話が来てね。そのお相手が術に関わってるのを東方の術師が見破ったんだ」
「サラ姉様何も言っておられませんでしたわ」
私の言葉にベルトラン兄様の眉は困ったように下がる。
「何も教えてないもの。婚約内定とかから知らないしなぁ、サラ。今も教えてないよ。あの子は表に見えてるよりも神経細いからね」
やはり兄妹、ちゃんと解ってるのね。
「改めて、ブランシュ、婚約しない?」
「ベルトラン兄様、軽いです」
私の言葉にベルトラン兄様は笑う。
「ま、候補に入れておいて。あの様子だとアルベルトは切ったみたいだし。ジャック殿下は?」
「教えません」
ベルトラン兄様は笑ったままです。
「フェルナンとは仲直りしたし、君の隙を探ってみるさ」
「兄様が一筋縄でいくとでも?」
あの兄だ、ベルトラン兄様を監視するために、サラ姉様の為だけに仲直りしたのだろうと思う。
「あぁ、フェルナンだもんな。あいつのオモテの顔にサラは騙されてそうだ」
「あら、兄様はちゃんとサラ姉様の事好きですよ?それだけでいいのでは?」
ベルトラン兄様はふっと笑った。
「サラが幸せならそれでいいけどね」
ベルトラン兄様もしっかり『兄様』なのよね。こう言うところは結構好きとか思う私はブラコンの気があるのかなぁ。
兄様の側に戻って新たな果実水を口にしてるといまいち似合わない服のアニエスさんを腕にぶら下げてアルベルト殿下が寄って来た。
「ブランシュ、三曲目」
「私と踊るのでしょ?」
アニエスさんが金切り声を上げる。同じ人と立て続けに三曲躍るのはマナー上よろしくないし、婚約者にしか許されない事だ。そもそも二曲、アニエスさんと殿下は踊っている。それは恋人同士のする事だし、アルベルト殿下はそうしたのだ。
「私、他人の恋人と踊る趣味はございませんの」
「なら、私といかがでしょうか」
謎の令嬢、もとい、シリル様が殿下に助け舟を出した。
ベルトラン兄様は人気があるのか女子の嬌声が聞こえて来ます。そして私の手を取るとフロアの真ん中の方に出ました。
「ブランシュは三曲以上は踊らないから気が気じゃなくて」
なんで知ってるんですか、この人。私はまだ本式には社交界デビューしておりませんし、ダンスをするのも貴族の子弟の中でのソシアルクラブでのことなのですが。
兄様の阻止が入らなかったと言うことは『とりあえず踊っとけ』ってことでしょう。
「しかし、シリル君の女装は見事だな。見惚れてる男も多かった」
「そうなんですか」
まぁ、正直、アニエスさんより可愛かったけども。さくらんぼ色の口紅が違和感ないってどう言うことよ?
「ブランシュには話しておくのだけど。側妃様はブランシュを諦めた時に私の婚約者に内定してた人でね」
それは初耳。ま、ベルトラン兄様の事は極力耳にも入れず目にもせずだったのだけど。
「2年前に、うちの領内に呪詛がばら撒かれて結婚やなんやを侯爵家の方が嫌がって揉めてるうちに向こうが、ギャンブルのカタに側妃様をブラック男爵に差し出すことになって」
ブラック男爵、かなり趣味の悪い方ですの。裸の女性を食器にして切り刻むのが好きな人な方で。ナイフやフォーク、熱々の食品などで身体中に傷をつけるのが趣味で……。今までお妾さんを含めて何人もの女性が使い潰されて来たのです。この趣味を公言してるのはそれでも妻や娘を差し出すと言う相手を選ぶため、だそうです。
「で、正妃様に相談して彼女を引き取ってもらったんだ。ブラック男爵に渡すくらいなら陛下の横にいてくれる方が安心だしね」
「兄様が借金の肩代わりをするのではいけなかったの?」
ベルトラン兄様は首を横に振る。
「同じ事を繰り返すだけだよ。侯爵家を潰すのは政治的に賛成できないし」
「では早くご結婚なさればよかったのでは?」
「呪詛がね、あの当時はまだまだで。聖騎士様と原因探ったけど今ひとつで。ただ、東方の術師を雇った時に、父親に再婚の話が来てね。そのお相手が術に関わってるのを東方の術師が見破ったんだ」
「サラ姉様何も言っておられませんでしたわ」
私の言葉にベルトラン兄様の眉は困ったように下がる。
「何も教えてないもの。婚約内定とかから知らないしなぁ、サラ。今も教えてないよ。あの子は表に見えてるよりも神経細いからね」
やはり兄妹、ちゃんと解ってるのね。
「改めて、ブランシュ、婚約しない?」
「ベルトラン兄様、軽いです」
私の言葉にベルトラン兄様は笑う。
「ま、候補に入れておいて。あの様子だとアルベルトは切ったみたいだし。ジャック殿下は?」
「教えません」
ベルトラン兄様は笑ったままです。
「フェルナンとは仲直りしたし、君の隙を探ってみるさ」
「兄様が一筋縄でいくとでも?」
あの兄だ、ベルトラン兄様を監視するために、サラ姉様の為だけに仲直りしたのだろうと思う。
「あぁ、フェルナンだもんな。あいつのオモテの顔にサラは騙されてそうだ」
「あら、兄様はちゃんとサラ姉様の事好きですよ?それだけでいいのでは?」
ベルトラン兄様はふっと笑った。
「サラが幸せならそれでいいけどね」
ベルトラン兄様もしっかり『兄様』なのよね。こう言うところは結構好きとか思う私はブラコンの気があるのかなぁ。
兄様の側に戻って新たな果実水を口にしてるといまいち似合わない服のアニエスさんを腕にぶら下げてアルベルト殿下が寄って来た。
「ブランシュ、三曲目」
「私と踊るのでしょ?」
アニエスさんが金切り声を上げる。同じ人と立て続けに三曲躍るのはマナー上よろしくないし、婚約者にしか許されない事だ。そもそも二曲、アニエスさんと殿下は踊っている。それは恋人同士のする事だし、アルベルト殿下はそうしたのだ。
「私、他人の恋人と踊る趣味はございませんの」
「なら、私といかがでしょうか」
謎の令嬢、もとい、シリル様が殿下に助け舟を出した。
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