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懲りない男
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その日の夕方、アルベルト殿下からお忍びの手紙が着いた。……あの魔道具で。さすが、あの陛下の子供だ。懲りない。
久しぶりにお茶会をしたい、と。……うん、行かない。一番きれいな薄い紙の便箋と封筒を用意し、『行くわけがない』を丁寧に丁寧に書いてうちの侍従から殿下へ届けてもらった。
暫くして、キトリー様が学校を辞められた。なんでも両親の療養についていくとの事。また、トー伯爵家はキトリー様のお父様から気楽に冒険者をしていた三男さん、まだ若い方らしい、が新たに伯爵になったそうです。次男さんは他家に婿養子に入ってるので今回の件には関係ない扱いだったそうです。
「キトリー嬢はフランソワ殿下への執着が酷いので隣国で治療するって。正妃様の国だから酷いことはされないと思う」
なぜかシリル様と二人切りのお茶会です。アルフォンス様が呼び出されてるからこんな状態になってしまいました。シリル様は体格に似合わない大きなクラブハウスサンドを食べた後にローストビーフサンドを頼んでますね、今。……よく食べるな、この人。
今いる店はアフレ商会の店でシリル様とアルフォンス様の好みをよくわかっているようでどちらかと言えばがっつりしたものを出す店だ。
「ブランシュはいらないの?」
「……そういう気分ではありません」
お茶とついてくる小菓子で十分。小菓子ってもチョコレートなんで結構こう、後が怖い。ダイエットとか考えるのが面倒だから多少は節制してます、はい。
「あのスカートのサイズだと十分細いと思うよ」
今!それを!思い出させるか!……手元にあるフォークで刺してやろうか。シリル様はそれを察知したらしくげらげら笑いだした。
「ほんと、君ってとりつくろわないよね」
「相手が紳士じゃないので淑女にならなくていいと判断しました。兄様の仲間にはとりつくろう気がないので」
私の言葉にシリル様が意味深な感じで返す。
「フェルナンの仲間は恋愛対象ではない?」
「ええ」
「アルフォンスとかどう?」
アルフォンス様かぁ。
「悪くないし、彼の顔は好きですけど……」
正直に答えるとシリル様はふーん、という感じになった。
「いい子だよ?」
それは知ってる。兄様も含めてあの集団では一番穏当で一番良識派だ。
「知ってます。貴方達の中では一番穏当で良識はありますよね」
「エリクも良識はあるよ。脳筋だけど」
それも認める。キャロライン先輩も随分警戒心を解いてるようですし。
『あの人、基本は何も考えてないのね』
とちょっと呆れてるけど、政略結婚の相手としては恵まれたほうかなぁとも言ってる。
今日は来週にある派閥のお茶会の打ち合わせだ。今回は婚約者のいる令嬢は婚約者を連れてきてもいいということになっているし、兄様やサラ姉様も来る。サラ姉様は特別ゲスト、兄様はそのエスコートとして。そして場所の提供者としてシリル様とアルフォンス様も来る。この店の小会議室を利用するのだ。先刻見たけども白と金が基調の女子『も』好きそうな部屋だった。男子好みではあるけどキラキラしすぎなくて私は好き。椅子を猫足にして、そんなに多い派閥ではないので人数分の椅子やテーブルは用意できるし食べ物は立食でその人の好みのものを食べられるようにした。あと量を調節してる女子はやはり多いので。
セイボリーはキュウリのサンドイッチやサラダも結構用意した。こちらの人はトマトはやや青いうちに砂糖をかけて食べることが多いので真っ赤に熟れた酸味の少ないトマトを輸入して冷やしてスライスして出す予定。スライスしたトマト好きだけど赤く熟れたのはほとんど見ないのでアフレ商会で輸入してもらったのだ。
評判がいいようなら南の方にあるうちの農場で作ってもらうつもりだ。
久しぶりにお茶会をしたい、と。……うん、行かない。一番きれいな薄い紙の便箋と封筒を用意し、『行くわけがない』を丁寧に丁寧に書いてうちの侍従から殿下へ届けてもらった。
暫くして、キトリー様が学校を辞められた。なんでも両親の療養についていくとの事。また、トー伯爵家はキトリー様のお父様から気楽に冒険者をしていた三男さん、まだ若い方らしい、が新たに伯爵になったそうです。次男さんは他家に婿養子に入ってるので今回の件には関係ない扱いだったそうです。
「キトリー嬢はフランソワ殿下への執着が酷いので隣国で治療するって。正妃様の国だから酷いことはされないと思う」
なぜかシリル様と二人切りのお茶会です。アルフォンス様が呼び出されてるからこんな状態になってしまいました。シリル様は体格に似合わない大きなクラブハウスサンドを食べた後にローストビーフサンドを頼んでますね、今。……よく食べるな、この人。
今いる店はアフレ商会の店でシリル様とアルフォンス様の好みをよくわかっているようでどちらかと言えばがっつりしたものを出す店だ。
「ブランシュはいらないの?」
「……そういう気分ではありません」
お茶とついてくる小菓子で十分。小菓子ってもチョコレートなんで結構こう、後が怖い。ダイエットとか考えるのが面倒だから多少は節制してます、はい。
「あのスカートのサイズだと十分細いと思うよ」
今!それを!思い出させるか!……手元にあるフォークで刺してやろうか。シリル様はそれを察知したらしくげらげら笑いだした。
「ほんと、君ってとりつくろわないよね」
「相手が紳士じゃないので淑女にならなくていいと判断しました。兄様の仲間にはとりつくろう気がないので」
私の言葉にシリル様が意味深な感じで返す。
「フェルナンの仲間は恋愛対象ではない?」
「ええ」
「アルフォンスとかどう?」
アルフォンス様かぁ。
「悪くないし、彼の顔は好きですけど……」
正直に答えるとシリル様はふーん、という感じになった。
「いい子だよ?」
それは知ってる。兄様も含めてあの集団では一番穏当で一番良識派だ。
「知ってます。貴方達の中では一番穏当で良識はありますよね」
「エリクも良識はあるよ。脳筋だけど」
それも認める。キャロライン先輩も随分警戒心を解いてるようですし。
『あの人、基本は何も考えてないのね』
とちょっと呆れてるけど、政略結婚の相手としては恵まれたほうかなぁとも言ってる。
今日は来週にある派閥のお茶会の打ち合わせだ。今回は婚約者のいる令嬢は婚約者を連れてきてもいいということになっているし、兄様やサラ姉様も来る。サラ姉様は特別ゲスト、兄様はそのエスコートとして。そして場所の提供者としてシリル様とアルフォンス様も来る。この店の小会議室を利用するのだ。先刻見たけども白と金が基調の女子『も』好きそうな部屋だった。男子好みではあるけどキラキラしすぎなくて私は好き。椅子を猫足にして、そんなに多い派閥ではないので人数分の椅子やテーブルは用意できるし食べ物は立食でその人の好みのものを食べられるようにした。あと量を調節してる女子はやはり多いので。
セイボリーはキュウリのサンドイッチやサラダも結構用意した。こちらの人はトマトはやや青いうちに砂糖をかけて食べることが多いので真っ赤に熟れた酸味の少ないトマトを輸入して冷やしてスライスして出す予定。スライスしたトマト好きだけど赤く熟れたのはほとんど見ないのでアフレ商会で輸入してもらったのだ。
評判がいいようなら南の方にあるうちの農場で作ってもらうつもりだ。
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